逆転裁判6 第1話『逆転の異邦人』感想
逆転裁判6 第2話『逆転マジックショー』感想
逆転裁判6 第3話『逆転の儀式』中途感想
逆転裁判6 第3話『逆転の儀式』感想
逆転裁判6 第4話『逆転寄席』感想
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想2
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想3
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』感想
逆転裁判6 特別編『時を越える逆転』感想
【雑記】
逆転裁判6への期待と不安
みんな逆転裁判6買うべし
※以下、ネタバレ注意
予想をはるかに超える良作だった。
5の出来が酷かったので今作の購入も迷っていたのだけれど、本当に買って正解だったなあ。
【シナリオ】
かなりよくできていたと思う。
逆転裁判5では多々見受けられたご都合主義で異様な内容(逆転裁判5 総評や各話感想を参照)も無かったし、事件やトリックも、少なくとも破綻しているようなものは見られなかった。
5よりも相当レベルアップしているけど、これはライターが変わったのか、それとも成長したのか、どちらなんだろう。
【キャラクター】
何といっても今作の最大の功績は、オドロキ君を本当の意味での主人公にしたことと言える。
4では活躍をナルホド君に食われ、5でもサブキャラクターの位置に置かれたりと、何かと不遇だった彼が、この6ではまさに中心的な活躍をしていた。
完全に死に設定だったオドロキ君の父親の話を持ってきたことには舌を巻いたし、4では飄々とし過ぎていて「相棒」としか思えなかったみぬきちゃんを「ヒロイン」にすることで、オドロキ君の見せ場を作っていたのも素晴らしい。
正直言ってそれほど好感度が高く無かったオドロキ君とみぬきちゃんの2人のことを、一気に好きにさせてくれた点でも、今作は2話が最高だったなあ。
ライバルであるナユタ検事も、実によくできたキャラ造形だったと思う。
逆転裁判6への期待と不安で書いたようなガリュー検事やユガミ検事と同じ轍を踏まず、 「倒してスッキリできるし、被告人を強引に有罪にしようとする理由も設定されている」という、きちんとライバル検事の条件を満たしたキャラクターだった(ただ、「諦めている」だけなら何で日本の捜査にしゃしゃり出てきて、みぬきちゃんを殺人罪で起訴したの? という疑問はあるけど)。※
※これに関して記事を書いた。
【逆転裁判6】ナユタ検事は何故みぬきちゃんに殺人の濡れ衣を着せたのか
一方で、割を食った形なのがナルホド君と真宵ちゃん。
特に、真宵ちゃんはもっと出番が多いと思っていたから、あまり活躍が無くて正直拍子抜け。
いっそ、真宵ちゃんの再登場は次に回して、今回は1話からずっとオドロキ君主人公に徹した方が良かったんじゃないかなあ。
終盤の展開を見る限り、レイファ様との交流はナルホド君ではなくオドロキ君が深めるべきだったと思うし、ドゥルクの登場を増やしていれば、彼の死にももっと感動できたはずだ。
あと、地味に不満なのがインガ法務大臣。
レイファ様のことを本気で可愛がっていたりと、折角ただの小物で終わらないような描写があったのだから、そこをもっと掘り下げてほしかったなあ。
【真犯人】
ここからは各話の真犯人について。
・1話 ポットディーノ・ニカワス
まあ、ごく普通の1話の犯人という印象。特筆すべきことはない。
1話の時点では既読スキップに設定を変えられることに気づかなかったのもあって、ひたすら鬱陶しかった。
・2話 志乃山 金成(ヤマシノP、またの名をMr.メンヨー)
今作のMVP。真犯人の中だけではなく、6の新キャラ全員を含めて最高のキャラクターだった。
ベタ過ぎるマスゴミキャラへのうんざり感から一転、気取った手品師というそのギャップに完全にやられてしまった。
その外道かつ卑劣な犯行が、みぬくちゃんのヒロイン力を高めてくれていたし、理想的と言っていいクソ野郎だったなあ。
逆転シリーズの好きな犯人トップ10に入る、まさに珠玉の悪党であった。
※ちなみに他のトップ10入りの犯人達を一応ネタバレ防止のために登場回で紹介。
裁判1の最終話・蘇る逆転・裁判2の3話・裁判2の最終話・裁判3の1話・裁判3の最終話・検事2の3話・検事2の4話・検事2の最終話
・3話 マルメル・アータム
全く予想できなかった犯人。
弁護罪という狂気の悪法が生んだ悲しき犠牲者……。
……ではあるのだけれど、どうにも同情できなくて、いまいち乗り切れなかったというのが正直な感想。
ちょっと真宵ちゃんに罪を擦り付ける犯行が計画的過ぎて、可哀想というより狡猾な男に感じてしまった。
逆転裁判2の某犯人の場合、偶然から警察が自分以外の人間を逮捕したことを利用しただけだったから、まだ「魔が差した」という印象が強かったのだけど、マルメルはあまりにも計算高くて好感が全く持てなかった。
しかも、裁判中も高笑いしたりと、他人を罪に陥れることへの葛藤が一切感じられず、この辺りも度々苦悩の表情を浮かべた2の犯人とは真逆と言える。
もちろん、これは2の犯人があらかじめ真犯人だとプレイヤーに分かる作りになっていたのに対して、今作の場合、マルメルが真犯人だということは衝撃の事実として明かされることだったから、彼が葛藤している描写を見せられなかったという事情はあるのだろうけど、だとしてもこの手の話で犯人に同情できないというのは致命的だよなあ。
最後の最後になってようやく謝ってはきたものの、それまでの振る舞いが酷すぎて「こいつホントに悪いと思ってんのか?」としか思えなかったや。
・4話 旋風亭 風子
こちらもこちらでどうにも後味が悪い犯人だった。
2話連続でスッキリしない事件というのはどうなんだと言わざるを得ない。
何度も引き合いに出して恐縮だが、同じく後味の悪かった逆転裁判2の某犯人の境遇は、「もはや破局を迎えるしか無く、起こるべくして起きた」という感じで、後味が悪いながらもどこか解放感のようなものがあったのだが、プー子の場合は完全に誤解と齟齬の結果起きてしまった悲劇だったから、粘着質な後味の悪さなんだよなあ。
この手の「ボタンの掛け違いで」という事件は逆転裁判とは相性が悪いと思う。
・5話 ガラン・シガタール・クライン
5話の感想で書いた通り、印象が薄い。
せっかく「主人公の父親を手に掛けた犯人」という因縁の敵になりうる設定を持ちながら、それが全然活かされていなかった。
これはおそらく、製作者側の意図として、途中までガラン女王が真犯人かどうかボカそうとしていたのがあるんじゃないかなあ。
アマラ前女王の証言の際のグラフィックが怪しすぎるのもそうだし、最後の方までプレイヤーがはっきりとガラン女王が犯人であると確信できないようにすることを狙っていたんだと思う。
しかし、ガラン自身のキャラは最初からいかにも怪しかったから、真犯人だと明かされても特に驚きがあるわけでもなく、どうも製作者のやりたいことがチグハグな結果に終わっていた感が否めない。
ここはいっそ1~3や蘇える逆転のラスボス(3は正確には準ラスボス)のように、裁判の前からオドロキ君の父親の死を持ち出してこちらを煽ったりして、「こいつだけは許せねえ!」と思えるような悪役にした方が良かったんじゃないかなあ。
・特別編 十文字 一治
そして、こちらも「可哀想な犯人」。
多い、多いよ……。1作の中に2人ですら多いのに、3人も入れられるとゲップが出る。
1~3ではこの手の同情の余地がある犯人は1作に1人くらいであったし、逆転検事2でも可哀想な動機を持つ犯人は登場したものの、それ以上の圧倒的なクズっぷりを見せていたから、倒すときにも爽快感が得られた。
この十文字も動機はこのままだとしても、無関係な雫を殺そうとしたことに一切悪びれず、反省することもないクズにしてくれたら良かったんだけどなあ。
それと、今作の犯人はあまりにも豹変が多すぎないだろうか。
猫を被っていたりで、口調まで変わって全く別人と化す犯人は、実は逆転シリーズにもそれほど多くなく、共犯者を含めても、
逆転裁判1→2人、逆転裁判2→2人、逆転裁判3→1人、逆転裁判4→0人(証人を含めると1人?)、逆転検事→3人、逆転検事2→1人(証人を含めると2人、再登場キャラも含めると3人)、逆転裁判5→3人
くらいだ。
ところが、今回はポットディーノ、ヤマシノP、プー子、ガラン、十文字と5人もいる。ちょっと豹変を多用し過ぎだと思うなあ。
しかも、このうち豹変を効果的に使っていると言えるのはMr.メンヨーくらいで、ガラン女王と十文字に至っては、むしろ豹変前の方が凄みを感じた。
グラフィックの自由度が上がったからこれだけついつい使い過ぎるのかもしれないが、あまりやり過ぎると陳腐になってしまうだろう。
※ここで書かなかったサーラ・アータムと清木まさはるについて追記した。
逆転裁判6 総評の追記
【音楽】
Mr.メンヨーの曲とナユタ検事の曲、それと絶望的な状況でかかる何だか壮大な曲は好きだったかな(小並感)。
ただ、追求のテーマは5よりもさらに存在感が薄く、主人公たちの専用曲に終始負けていた。
【システム】
シナリオの次くらいに褒めたいのがこれ!
新システムの霊媒ビジョンが良かっただけなく、前作までは不自然な使い方をされていてゲンナリしたココロスコープの使いどころも改善されていて、5よりもグッと法廷パートが楽しくなっていたと思う。
(作中世界の)公的に認められていると明言されるだけで、法廷で奇妙なシステムが使われることにも抵抗感がなくなるんだよなあ。
特にココロスコープに関しては6スタッフの努力を称えたい。
【グラフィック】
全体的に5よりも改善されていたかな(当たり前だけど)。
特に、5では不自然に感じたナルホド君の頭身の違和感が無くなっていた気がする(自信がない)。
2D時代のような白目を剥くリアクションが追加されていたのも好印象。
一方で、ブレイクモーションのスピード感が無くなっているのは変わらず(プー子は昔の勢いに近かったかな)。
何というか、逆転裁判というよりも、ダンガンロンパのおしおきを思い出してしまった。
Mr.メンヨーのブレイクモーションなんかは結構好きではあったけど、やはり逆転裁判ではもっと圧倒的なテンポのブレイクモーションが見たい。
【アニメーション】
これも5のときのような「何でここをアニメにした……」というシーンはかなり減っていたかな。
比較的重要な場面や、解決後のエピソードでの使用が多く、オドロキ君の新事務所設立なんかは感慨深かったし、場面の取捨選択については文句はない。
こうして書いてみると結構文句が多くなってしまってはいるが、本当に買って良かったと心から思える良作だった。
シリーズの中では、
逆転裁判3=逆転検事2>逆転裁判(蘇る逆転)≧逆転裁判2>逆転裁判6>>越えられない壁>>>逆転検事>逆転裁判5(特別編あり)>>越えられない壁>>>逆転裁判5>>>逆転裁判4
という感じだろうか。
さすがに初期三部作や逆転検事2には及ばぬものの、十分楽しめる素晴らしい作品だったと思う。
逆転裁判7も是非、同じスタッフでの製作を期待したいが、そのときにはもう少し犯人にクズをお願いします。
5の出来が酷かったので今作の購入も迷っていたのだけれど、本当に買って正解だったなあ。
【シナリオ】
かなりよくできていたと思う。
逆転裁判5では多々見受けられたご都合主義で異様な内容(逆転裁判5 総評や各話感想を参照)も無かったし、事件やトリックも、少なくとも破綻しているようなものは見られなかった。
5よりも相当レベルアップしているけど、これはライターが変わったのか、それとも成長したのか、どちらなんだろう。
【キャラクター】
何といっても今作の最大の功績は、オドロキ君を本当の意味での主人公にしたことと言える。
4では活躍をナルホド君に食われ、5でもサブキャラクターの位置に置かれたりと、何かと不遇だった彼が、この6ではまさに中心的な活躍をしていた。
完全に死に設定だったオドロキ君の父親の話を持ってきたことには舌を巻いたし、4では飄々とし過ぎていて「相棒」としか思えなかったみぬきちゃんを「ヒロイン」にすることで、オドロキ君の見せ場を作っていたのも素晴らしい。
正直言ってそれほど好感度が高く無かったオドロキ君とみぬきちゃんの2人のことを、一気に好きにさせてくれた点でも、今作は2話が最高だったなあ。
ライバルであるナユタ検事も、実によくできたキャラ造形だったと思う。
逆転裁判6への期待と不安で書いたようなガリュー検事やユガミ検事と同じ轍を踏まず、 「倒してスッキリできるし、被告人を強引に有罪にしようとする理由も設定されている」という、きちんとライバル検事の条件を満たしたキャラクターだった(ただ、「諦めている」だけなら何で日本の捜査にしゃしゃり出てきて、みぬきちゃんを殺人罪で起訴したの? という疑問はあるけど)。※
※これに関して記事を書いた。
【逆転裁判6】ナユタ検事は何故みぬきちゃんに殺人の濡れ衣を着せたのか
一方で、割を食った形なのがナルホド君と真宵ちゃん。
特に、真宵ちゃんはもっと出番が多いと思っていたから、あまり活躍が無くて正直拍子抜け。
いっそ、真宵ちゃんの再登場は次に回して、今回は1話からずっとオドロキ君主人公に徹した方が良かったんじゃないかなあ。
終盤の展開を見る限り、レイファ様との交流はナルホド君ではなくオドロキ君が深めるべきだったと思うし、ドゥルクの登場を増やしていれば、彼の死にももっと感動できたはずだ。
あと、地味に不満なのがインガ法務大臣。
レイファ様のことを本気で可愛がっていたりと、折角ただの小物で終わらないような描写があったのだから、そこをもっと掘り下げてほしかったなあ。
【真犯人】
ここからは各話の真犯人について。
・1話 ポットディーノ・ニカワス
まあ、ごく普通の1話の犯人という印象。特筆すべきことはない。
1話の時点では既読スキップに設定を変えられることに気づかなかったのもあって、ひたすら鬱陶しかった。
・2話 志乃山 金成(ヤマシノP、またの名をMr.メンヨー)
今作のMVP。真犯人の中だけではなく、6の新キャラ全員を含めて最高のキャラクターだった。
ベタ過ぎるマスゴミキャラへのうんざり感から一転、気取った手品師というそのギャップに完全にやられてしまった。
その外道かつ卑劣な犯行が、みぬくちゃんのヒロイン力を高めてくれていたし、理想的と言っていいクソ野郎だったなあ。
逆転シリーズの好きな犯人トップ10に入る、まさに珠玉の悪党であった。
※ちなみに他のトップ10入りの犯人達を一応ネタバレ防止のために登場回で紹介。
裁判1の最終話・蘇る逆転・裁判2の3話・裁判2の最終話・裁判3の1話・裁判3の最終話・検事2の3話・検事2の4話・検事2の最終話
・3話 マルメル・アータム
全く予想できなかった犯人。
弁護罪という狂気の悪法が生んだ悲しき犠牲者……。
……ではあるのだけれど、どうにも同情できなくて、いまいち乗り切れなかったというのが正直な感想。
ちょっと真宵ちゃんに罪を擦り付ける犯行が計画的過ぎて、可哀想というより狡猾な男に感じてしまった。
逆転裁判2の某犯人の場合、偶然から警察が自分以外の人間を逮捕したことを利用しただけだったから、まだ「魔が差した」という印象が強かったのだけど、マルメルはあまりにも計算高くて好感が全く持てなかった。
しかも、裁判中も高笑いしたりと、他人を罪に陥れることへの葛藤が一切感じられず、この辺りも度々苦悩の表情を浮かべた2の犯人とは真逆と言える。
もちろん、これは2の犯人があらかじめ真犯人だとプレイヤーに分かる作りになっていたのに対して、今作の場合、マルメルが真犯人だということは衝撃の事実として明かされることだったから、彼が葛藤している描写を見せられなかったという事情はあるのだろうけど、だとしてもこの手の話で犯人に同情できないというのは致命的だよなあ。
最後の最後になってようやく謝ってはきたものの、それまでの振る舞いが酷すぎて「こいつホントに悪いと思ってんのか?」としか思えなかったや。
・4話 旋風亭 風子
こちらもこちらでどうにも後味が悪い犯人だった。
2話連続でスッキリしない事件というのはどうなんだと言わざるを得ない。
何度も引き合いに出して恐縮だが、同じく後味の悪かった逆転裁判2の某犯人の境遇は、「もはや破局を迎えるしか無く、起こるべくして起きた」という感じで、後味が悪いながらもどこか解放感のようなものがあったのだが、プー子の場合は完全に誤解と齟齬の結果起きてしまった悲劇だったから、粘着質な後味の悪さなんだよなあ。
この手の「ボタンの掛け違いで」という事件は逆転裁判とは相性が悪いと思う。
・5話 ガラン・シガタール・クライン
5話の感想で書いた通り、印象が薄い。
せっかく「主人公の父親を手に掛けた犯人」という因縁の敵になりうる設定を持ちながら、それが全然活かされていなかった。
これはおそらく、製作者側の意図として、途中までガラン女王が真犯人かどうかボカそうとしていたのがあるんじゃないかなあ。
アマラ前女王の証言の際のグラフィックが怪しすぎるのもそうだし、最後の方までプレイヤーがはっきりとガラン女王が犯人であると確信できないようにすることを狙っていたんだと思う。
しかし、ガラン自身のキャラは最初からいかにも怪しかったから、真犯人だと明かされても特に驚きがあるわけでもなく、どうも製作者のやりたいことがチグハグな結果に終わっていた感が否めない。
ここはいっそ1~3や蘇える逆転のラスボス(3は正確には準ラスボス)のように、裁判の前からオドロキ君の父親の死を持ち出してこちらを煽ったりして、「こいつだけは許せねえ!」と思えるような悪役にした方が良かったんじゃないかなあ。
・特別編 十文字 一治
そして、こちらも「可哀想な犯人」。
多い、多いよ……。1作の中に2人ですら多いのに、3人も入れられるとゲップが出る。
1~3ではこの手の同情の余地がある犯人は1作に1人くらいであったし、逆転検事2でも可哀想な動機を持つ犯人は登場したものの、それ以上の圧倒的なクズっぷりを見せていたから、倒すときにも爽快感が得られた。
この十文字も動機はこのままだとしても、無関係な雫を殺そうとしたことに一切悪びれず、反省することもないクズにしてくれたら良かったんだけどなあ。
それと、今作の犯人はあまりにも豹変が多すぎないだろうか。
猫を被っていたりで、口調まで変わって全く別人と化す犯人は、実は逆転シリーズにもそれほど多くなく、共犯者を含めても、
逆転裁判1→2人、逆転裁判2→2人、逆転裁判3→1人、逆転裁判4→0人(証人を含めると1人?)、逆転検事→3人、逆転検事2→1人(証人を含めると2人、再登場キャラも含めると3人)、逆転裁判5→3人
くらいだ。
ところが、今回はポットディーノ、ヤマシノP、プー子、ガラン、十文字と5人もいる。ちょっと豹変を多用し過ぎだと思うなあ。
しかも、このうち豹変を効果的に使っていると言えるのはMr.メンヨーくらいで、ガラン女王と十文字に至っては、むしろ豹変前の方が凄みを感じた。
グラフィックの自由度が上がったからこれだけついつい使い過ぎるのかもしれないが、あまりやり過ぎると陳腐になってしまうだろう。
※ここで書かなかったサーラ・アータムと清木まさはるについて追記した。
逆転裁判6 総評の追記
【音楽】
Mr.メンヨーの曲とナユタ検事の曲、それと絶望的な状況でかかる何だか壮大な曲は好きだったかな(小並感)。
ただ、追求のテーマは5よりもさらに存在感が薄く、主人公たちの専用曲に終始負けていた。
【システム】
シナリオの次くらいに褒めたいのがこれ!
新システムの霊媒ビジョンが良かっただけなく、前作までは不自然な使い方をされていてゲンナリしたココロスコープの使いどころも改善されていて、5よりもグッと法廷パートが楽しくなっていたと思う。
(作中世界の)公的に認められていると明言されるだけで、法廷で奇妙なシステムが使われることにも抵抗感がなくなるんだよなあ。
特にココロスコープに関しては6スタッフの努力を称えたい。
【グラフィック】
全体的に5よりも改善されていたかな(当たり前だけど)。
特に、5では不自然に感じたナルホド君の頭身の違和感が無くなっていた気がする(自信がない)。
2D時代のような白目を剥くリアクションが追加されていたのも好印象。
一方で、ブレイクモーションのスピード感が無くなっているのは変わらず(プー子は昔の勢いに近かったかな)。
何というか、逆転裁判というよりも、ダンガンロンパのおしおきを思い出してしまった。
Mr.メンヨーのブレイクモーションなんかは結構好きではあったけど、やはり逆転裁判ではもっと圧倒的なテンポのブレイクモーションが見たい。
【アニメーション】
これも5のときのような「何でここをアニメにした……」というシーンはかなり減っていたかな。
比較的重要な場面や、解決後のエピソードでの使用が多く、オドロキ君の新事務所設立なんかは感慨深かったし、場面の取捨選択については文句はない。
こうして書いてみると結構文句が多くなってしまってはいるが、本当に買って良かったと心から思える良作だった。
シリーズの中では、
逆転裁判3=逆転検事2>逆転裁判(蘇る逆転)≧逆転裁判2>逆転裁判6>>越えられない壁>>>逆転検事>逆転裁判5(特別編あり)>>越えられない壁>>>逆転裁判5>>>逆転裁判4
という感じだろうか。
さすがに初期三部作や逆転検事2には及ばぬものの、十分楽しめる素晴らしい作品だったと思う。
逆転裁判7も是非、同じスタッフでの製作を期待したいが、そのときにはもう少し犯人にクズをお願いします。