総評は特別篇が終わった後かな。
逆転裁判6 第4話『逆転寄席』感想
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想2
逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想3
※以下、ネタバレ注意
最初に言っておきたいのは、この作品が面白かったということ。
色々と不満の多かった逆転裁判5に比べれば大変良くできていたと思う。
ただ、この5話に関して言うと、正直なところちょっと物足りない印象で、色々と不満がある。
【ガラン女王】
大方の予想通りラスボスは彼女だったわけだが、はっきり言って印象が薄い。
逆転シリーズに権力者の悪役はこれまで何人も出てきたが、それらに比べて凄みを感じられなかった。
最初から怪しい人物であるにも関わらず、どうも真犯人かどうか途中まで濁そうという意図があったのか、裁判前に活動を控えていたのが原因だろう。
過去作をプレイした方なら思い返していただければ分かると思うが、逆転裁判1~3のラスボス(厳密には3のあいつはラスボスではないが)は、最終日の裁判が始まる前からプレイヤーが「こいつだけは許せねえ」と敵愾心を燃やせるような外道行為を行っている。
だからこそ、クライマックスで彼らを追い詰めていく過程でカタルシスを得られるわけだが、残念ながらガラン女王にはそれが無かった。
かといって、「意外性のある犯人」と言えるようなキャラでもないし、どうにも徹頭徹尾「薄味」という感想しか浮かばなかったなあ。
いきなり悪の女幹部のような服装になったときは何かのギャグかとすら思い、「ここまで小物っぽいキャラデザにするくらいだから、逆にラスボスの線は消えたな」と考えたほどだ。
尋問中のアマラ様の方がよほど大物感があったから、正直、「このままアマラ様がラスボスだったら良いのに……」と思いながらプレイしていた(まんまと騙されていたドゥルクの株が下がる弊害はあるけど)。
「主人公の父親を殺害した仇」というラスボスとしてはこれ以上ない程の背景を持ちながら、そこにほとんど焦点が当たらないせいでせっかくの因縁も活かされず、非常に勿体ないと感じた。
【革命】
ドゥルクの目的は1話のときに想像したような「王室を廃し、新たな体制を作る」といった過激なものではなく、ガラン女王を退位させ、(おそらくアマラかレイファ様を女王に据えて)法曹界をかつての姿に戻すという、かなり穏健なもので、その点は良かったと思う。
が、しかし、今度は逆に「これって革命じゃないだろ」という思いが常にチラついて仕方が無かった。
先代女王の夫が、王権を簒奪した現女王を倒し、先代や自身の娘を女王に復権させるというのは、「政変」、むしろ「復古」とも言うべきことであって、なぜこれを革命と呼び変えてしまったんだろう。
分かり易さを優先したのかもしれないが、「アラブの春」という革命騒ぎの惨憺たる結果を現在進行形で目の当たりにしている今のご時世、「革命」という言葉をポジティブに捉えられる人間なんてほとんどいないだろうし、普通に「先王派」とかで良かったんじゃないかなあ。
革命革命とキャラ達が連呼する度に、軽薄で安っぽい印象を受けてしまったから、この「分かり易さ」の追求は個人的には大失敗だったと思ってしまう。
【詰め込み過ぎ】
ドゥルクとオドロキ君の関係、ナユタの苦しみ、レイファ様の成長と、一つの家族として繋がった話ではあるものの、あまりにもエピソードを詰め込み過ぎていて、一人ひとりのキャラの描写が足りなくなっていたんじゃないか。
例えば逆転裁判1の最終話は、ナユタと似た立場にあった御剣を中心にしたストーリーに、添えるような形で真宵ちゃんの苦悩などが描かれていたわけだが、今作の場合複数のキャラに一斉に焦点を当てたせいで逆にお互いを殺し合っていた気がするなあ。
特に、ドゥルクに関してはどうしてもポットディーノな印象が拭えず、さらに「革命」という響きの安っぽさなどから、最後まであまり感情移入できなかった。
おそらく最大の燃えポイントであろうナユタの「龍は屈せず」の場面も、この台詞自体をずっと「クサい」としか思っていなかったから、心情的には全くの無風状態で終わってしまった。
【主人公、王泥喜 法介】
などと色々と批判的なことを書いたけれども、「オドロキ君の物語」としてここまで完成度の高いストーリーを作り上げてくれたスタッフには素直に感謝したい。
4の時点では完全に無駄設定でしかなかった「父親も芸人で、ステージで死んでしまった」という彼の出生をこういう形で拾ってきたことは凄いと思うし、総合的に見れば十分良作だったと言えるだろう(まあ、あの王宮の部屋を『ステージ』と呼べるのかは微妙なところだけど)。
【残りの不満】
・レイファ様とオドロキ君にはほとんど接点が無かったから、彼女の覚醒はもっとナルホド君が後押しする形だった方が燃えたと思う。
・ドゥルクとオドロキ君の絡みもできればもっと早い段階でやってほしかったなあ。いっそココネちゃんには涙を呑んでもらって、4話もオドロキ君を主人公にすべきだったかも。
・ドゥルクが「病気というわけではないが、長くはない」と言い出した時点で、既に死亡していると分かってしまい法廷で驚けなかったから、ここはもう少しヒントを減らしても良かったんじゃないか。
・森澄しのぶちゃんは……?? いや、みぬきちゃんをヒロインにする以上、彼女まで出すとごちゃごちゃになりそうなのは分かるけど、せっかくの妹じゃない真ヒロインを作ったんだから、できれば今回こそ彼女を登場させてほしかったなあ。
【その他】
・逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想で、「革命が「俺の『子供たち』……ナユタを救うため」って台詞はどういうことだ? 他にも革命で救うべき子供がいる?」と書いたけど、まさかレイファ様のことを指しているとは想像してなかった。
色々と不満の多かった逆転裁判5に比べれば大変良くできていたと思う。
ただ、この5話に関して言うと、正直なところちょっと物足りない印象で、色々と不満がある。
【ガラン女王】
大方の予想通りラスボスは彼女だったわけだが、はっきり言って印象が薄い。
逆転シリーズに権力者の悪役はこれまで何人も出てきたが、それらに比べて凄みを感じられなかった。
最初から怪しい人物であるにも関わらず、どうも真犯人かどうか途中まで濁そうという意図があったのか、裁判前に活動を控えていたのが原因だろう。
過去作をプレイした方なら思い返していただければ分かると思うが、逆転裁判1~3のラスボス(厳密には3のあいつはラスボスではないが)は、最終日の裁判が始まる前からプレイヤーが「こいつだけは許せねえ」と敵愾心を燃やせるような外道行為を行っている。
だからこそ、クライマックスで彼らを追い詰めていく過程でカタルシスを得られるわけだが、残念ながらガラン女王にはそれが無かった。
かといって、「意外性のある犯人」と言えるようなキャラでもないし、どうにも徹頭徹尾「薄味」という感想しか浮かばなかったなあ。
いきなり悪の女幹部のような服装になったときは何かのギャグかとすら思い、「ここまで小物っぽいキャラデザにするくらいだから、逆にラスボスの線は消えたな」と考えたほどだ。
尋問中のアマラ様の方がよほど大物感があったから、正直、「このままアマラ様がラスボスだったら良いのに……」と思いながらプレイしていた(まんまと騙されていたドゥルクの株が下がる弊害はあるけど)。
「主人公の父親を殺害した仇」というラスボスとしてはこれ以上ない程の背景を持ちながら、そこにほとんど焦点が当たらないせいでせっかくの因縁も活かされず、非常に勿体ないと感じた。
【革命】
ドゥルクの目的は1話のときに想像したような「王室を廃し、新たな体制を作る」といった過激なものではなく、ガラン女王を退位させ、(おそらくアマラかレイファ様を女王に据えて)法曹界をかつての姿に戻すという、かなり穏健なもので、その点は良かったと思う。
が、しかし、今度は逆に「これって革命じゃないだろ」という思いが常にチラついて仕方が無かった。
先代女王の夫が、王権を簒奪した現女王を倒し、先代や自身の娘を女王に復権させるというのは、「政変」、むしろ「復古」とも言うべきことであって、なぜこれを革命と呼び変えてしまったんだろう。
分かり易さを優先したのかもしれないが、「アラブの春」という革命騒ぎの惨憺たる結果を現在進行形で目の当たりにしている今のご時世、「革命」という言葉をポジティブに捉えられる人間なんてほとんどいないだろうし、普通に「先王派」とかで良かったんじゃないかなあ。
革命革命とキャラ達が連呼する度に、軽薄で安っぽい印象を受けてしまったから、この「分かり易さ」の追求は個人的には大失敗だったと思ってしまう。
【詰め込み過ぎ】
ドゥルクとオドロキ君の関係、ナユタの苦しみ、レイファ様の成長と、一つの家族として繋がった話ではあるものの、あまりにもエピソードを詰め込み過ぎていて、一人ひとりのキャラの描写が足りなくなっていたんじゃないか。
例えば逆転裁判1の最終話は、ナユタと似た立場にあった御剣を中心にしたストーリーに、添えるような形で真宵ちゃんの苦悩などが描かれていたわけだが、今作の場合複数のキャラに一斉に焦点を当てたせいで逆にお互いを殺し合っていた気がするなあ。
特に、ドゥルクに関してはどうしてもポットディーノな印象が拭えず、さらに「革命」という響きの安っぽさなどから、最後まであまり感情移入できなかった。
おそらく最大の燃えポイントであろうナユタの「龍は屈せず」の場面も、この台詞自体をずっと「クサい」としか思っていなかったから、心情的には全くの無風状態で終わってしまった。
【主人公、王泥喜 法介】
などと色々と批判的なことを書いたけれども、「オドロキ君の物語」としてここまで完成度の高いストーリーを作り上げてくれたスタッフには素直に感謝したい。
4の時点では完全に無駄設定でしかなかった「父親も芸人で、ステージで死んでしまった」という彼の出生をこういう形で拾ってきたことは凄いと思うし、総合的に見れば十分良作だったと言えるだろう(まあ、あの王宮の部屋を『ステージ』と呼べるのかは微妙なところだけど)。
【残りの不満】
・レイファ様とオドロキ君にはほとんど接点が無かったから、彼女の覚醒はもっとナルホド君が後押しする形だった方が燃えたと思う。
・ドゥルクとオドロキ君の絡みもできればもっと早い段階でやってほしかったなあ。いっそココネちゃんには涙を呑んでもらって、4話もオドロキ君を主人公にすべきだったかも。
・ドゥルクが「病気というわけではないが、長くはない」と言い出した時点で、既に死亡していると分かってしまい法廷で驚けなかったから、ここはもう少しヒントを減らしても良かったんじゃないか。
・森澄しのぶちゃんは……?? いや、みぬきちゃんをヒロインにする以上、彼女まで出すとごちゃごちゃになりそうなのは分かるけど、せっかくの妹じゃない真ヒロインを作ったんだから、できれば今回こそ彼女を登場させてほしかったなあ。
【その他】
・逆転裁判6 第5話『逆転の大革命』中途感想で、「革命が「俺の『子供たち』……ナユタを救うため」って台詞はどういうことだ? 他にも革命で救うべき子供がいる?」と書いたけど、まさかレイファ様のことを指しているとは想像してなかった。
・「が、ガラン様その席はッ?」と言っているナユタが全然ガランの方を見てなかったのはちょっと笑えた。
・グラフィックの都合上仕方ないんだけど。
・顔の表情が分からない? また唐突というか強引というか。そんな描写あったっけ?
・あーでも、ナルホド君と2回目に会ったときの大臣の反応はたしかにちょっと妙だったかも。
・単なる嫌みかと思ったけど、相手がナルホドだという自信がなかった?
・バアヤの正体がアマラ様だというのはさすがにアンフェア……。
・ドゥルクはナユタの口が悪いのをガランの影響だと言っていたけど、アマラ様も大概だと思う。
・ええ? ドゥルクが死後数日だと? それは予想していなかった。
・いや、だとしたら真宵ちゃんの身体を借りてる身分で無茶し過ぎだろう……。
・アマラ様の『みぬく』クソめんどくせええええ!! 正直、何度も攻略サイトを見る誘惑に駆られた。
・胸元が映った写真があるとは知らないんだがら、二時の霊媒のことで動揺して胸元を気にするのはおかしくないか?
・ガランと違う部分だからずっと気になっていたということ? だとしたらもう少し隠せる服を着ろよとは思うけど。
・グラフィックの都合上仕方ないんだけど。
・顔の表情が分からない? また唐突というか強引というか。そんな描写あったっけ?
・あーでも、ナルホド君と2回目に会ったときの大臣の反応はたしかにちょっと妙だったかも。
・単なる嫌みかと思ったけど、相手がナルホドだという自信がなかった?
・バアヤの正体がアマラ様だというのはさすがにアンフェア……。
・ドゥルクはナユタの口が悪いのをガランの影響だと言っていたけど、アマラ様も大概だと思う。
・ええ? ドゥルクが死後数日だと? それは予想していなかった。
・いや、だとしたら真宵ちゃんの身体を借りてる身分で無茶し過ぎだろう……。
・アマラ様の『みぬく』クソめんどくせええええ!! 正直、何度も攻略サイトを見る誘惑に駆られた。
・胸元が映った写真があるとは知らないんだがら、二時の霊媒のことで動揺して胸元を気にするのはおかしくないか?
・ガランと違う部分だからずっと気になっていたということ? だとしたらもう少し隠せる服を着ろよとは思うけど。
・今さらだけど真宵ちゃん28歳なんだよな。頬をぷくっと膨らませる28歳……。う、ううん……。うぐぐ……。
・ま、しかし、後ろから殴られたのなら、死者自身も気づいていないことまで探れる霊媒ビジョンの方が使えるか。
さて、特別篇の配信まであともう少し。
前作の逆転裁判5は特別篇が一番面白かったから、今回も期待しておきたいと思う。
さて、特別篇の配信まであともう少し。
前作の逆転裁判5は特別篇が一番面白かったから、今回も期待しておきたいと思う。