はちゃめちゃに楽しかった。
以前、大阪でのライブに行った時の感想も書いたのだが、自分でもかなり渋めの内容になっていたと思う。
理由は単純明快、思っていたより面白くなかったからであった。
故に、同じツアーの2回目となる今回は、前回に輪をかけて楽しめないだろうと覚悟して赴いた。
前回での感想で書いた通り、関西人よりも遥かに大人しい福岡でのライブが、大阪よりも盛り上がるはずがないからだ。
ところが、すんごい盛り上がった。
とにかく、周囲の観客の反応が大阪のときとは全く違うのである。
福岡県民のノリの悪さは、アニメ映画の応援上映などで嫌と言うほど思い知っている。
大阪よりも福岡の方が観客の反応が良いなど、本来ならあるはずがないのだ。
だが、実際には明らかに福岡でのライブの方が盛り上がっていた。
一体なぜ、このような違いが発生したのだろう。
最初に思い浮かんだのは、座席の違いだ。
大阪でのライブは中間くらいの席だったのに対して、福岡ではかなり前の方、しかも舞台に対して真ん中寄りの席だった。
その結果、音響や周囲の客層が変わった為に、福岡の方が盛り上がったように錯覚したのだろうと考えた。
が、これはあまり説得力は無い。
確かに、音響的には福岡での方が迫力はあったが、座席自体は大阪も福岡もファンクラブ先行のVIP席だった。
つまり、抽選の結果、座席に差はついたものの、周囲の客層が急激に変化したとは考え難い。
大阪も福岡も、VIP席に応募したファンクラブ会員ばかりが周囲にいたはずだ。
ならばなぜ、盛り上がりにそこまで差が付いたのか。
思うに、事前の準備の差ではないだろうか。
今回のアド先生の全国ツアーは大阪から開始されており、私が行ったライブも始まったばかりの状態だった。
故に、観客たちはどんな曲が歌われるのかも全く知らない状態だったのだが、今回の福岡のライブでは、周囲の観客はある程度事前に把握している雰囲気を感じた。
無論、ライブのネタバレは公式から禁止されており、セトリも含めて漏らしてはいけないことになっているのだが、コアなファン達は何らかの方法で事前に調べてから入場していたような気がしている。
まあ、最新アルバムの収録曲が多めに歌われていたので、単純にそれらの曲をどれだけ聴いたかの差もあるかもしれないが、それだけではペンライトの色切り替え速度の説明がつかない。
やはり、周囲の多くは事前にセトリを把握しており、ペンライトのどの色を照らすかも準備していたんじゃないかな。
そして、その周囲の「心構え」が、私にとっては心地よく感じたし、周囲に混じって声を出せた。
大阪では周囲が結構シンとしていたから、アンコールのときにも無言でいるしかなく、それが結構な心残りだったんだよね。
今回は本当に楽しかった。
大阪のライブに行く時は何となく「初物」のレア感を覚えていたのだけれど、実際に体験してみると、「洗練」された後半のライブに行く方が楽しめるのかもしれないと思い直した。
アド先生のトークも大阪の時よりもずっと上手くなっていたしなあ。
語ってる内容は相変わらず意味が解らなかったが。
正直、1回目のライブが終わった後は、「こんなもんか……まあ、もういいかな」くらいの感想だったのだが、今はもう「来年のライブにも絶対行こう!」と決意している。
というか、今度の大阪万博のオープニングライブをアド先生がやるらしいので、あれに行こうと思ってる。
大阪万博なんて微塵も行く気はなかったのだが、まさかここまで心変わりさせられるとは。
もっとも、まだ応募方法も一切不明だし、倍率も高くなるだろうから行ける可能性はかなり低そうではあるが。
ホテルの料金もバカ高いだろうしなあ……少しでも早めに予約して抑えたいから、早いとこチケットの応募方法を公開してくれないだろうか。
【余談】
前座として出てきたアド先生プロデュースアイドルのファントム・シータの演技も、大阪のときよりも洗練されていたように感じた。
初見の時は目を覆いたくなるくらい痛かったのだが、今回は普通に楽しめた。
これもファントム・シータファンらしき観客の声が大阪よりも増えていたのも大きそうだ。
一方、ファントム・シータが舞台が上がっている間、大半の観客が立ち上がっている中で、割と舞台に近い座席にも関わらず座ったままの人間が何人もいたのが目についた。
確かに、我々はアド先生の歌を聴きに来たのであって、ファントム・シータを見に来たわけではない。
はっきり言えば、私だってそんなに彼女らに興味は無い。
だとしてもだ、目の前で座ったままなんて、それはあまりにも礼儀知らずだし、冷酷と言うものだろう。
彼女らはこれからアイドルとして何とか駆け上がろうと必死の努力を重ねている真っ最中なのである。
応援してやるべきでしょ。嘘でもさ。
それが、人情ってものじゃないと?
この辺は福岡県民のマイペースさというか、陰湿さを感じて不快になってしまったや。
大阪のライブは確かに福岡より盛り上がらなかったけど、少なくともファントム・シータの公演中に座ってる人間は周囲に1人もいなかった。
前方の席を当てながら座ってた連中は、己を見直した方が良い。
きっと学校や職場でもその配慮の足りなさが嫌われてると思う。