そこには、(ごく一部の特殊な読者にとっては)ある種の残酷な真実が見え隠れしているかもしれない。
※以下、ネタバレ注意
【巻頭カラー】
1084話の巻頭カラーがワンピ公式から流れてきた時、当然のことながら私は真っ先にシャーロット・プリンの姿を探し求めた。
彼女は尾田先生に愛されているヒロインであるのは分っていたから、彼女の貴重な水着姿が見られるものと期待したからだ。
だが、私の期待は裏切られた。
シャーロット・プリンの水着姿はどこにも描かれてはいなかったのである。
【尾田への不信】
私は尾田栄一郎を疑った。
もしや彼は、今後の本編でプリンちゃんが大きな役割を果たすからといって、敢えて巻頭カラーでは本筋に出番の無い木っ端共を優先したのか。
いや、今回の巻頭カラーでは明らかに、今後の本編でも出番があるであろう女キャラも描かれている。
だとすれば、まさか。まさか……。
尾田先生は、プリンちゃんへの愛を、失ってしまったのだろうか。
だが、そうでないことを、とある方のツイートを見て改めて気付かされた。
【気付き】
プリンちゃんどの衣装も足を出すことがないから神のこだわりがあるのかもしれない……今回の巻頭カラーみたいな服装するイメージないもんな……!
— 8O8 (@yao_yasan) May 21, 2023
そう、シャーロット・プリンはワンピースの歴代ヒロインの中では驚くほど肌の露出が少ないキャラなのである。
ソシャゲやフィギュアのような二次創作では水着になったことはあったものの、原作の中のシャーロット・プリンは一貫して清楚な服装で統一されている。
ひょっとしたら、プリンちゃんの身体には三つ目族のまだ明かされていない種族的特性があるから露出が無いのかとも考えたが、改めて今回の巻頭カラーを見て、そうでは無いことがわかった。
同じく露出が少ないヒロインである、光月 日和様もいないからだ。
【選別】
一方で、百獣海賊団の飛び六胞、うるティは巻頭カラーに描かれている。
人間性の歪んだ読者がこれを見れば、単純に「尾田先生は日和様よりもうるティのことが好きだったんだ!」と思い込むかもしれない。
だが、我々まともなワンピース読者は、尾田先生がそんな趣味で、味方側のヒロインよりも敵の女キャラを優先するわけがないことを知っている。
【結論】
ではなぜ、1084話にプリンちゃんや日和様がいないのか。
これは、彼女たちが『露出の激しい服装をすべき女性キャラではない』と尾田先生が考えているということなのだろう。
つまり尾田先生は、プリンちゃんや日和様の肌を、なるべく人目に晒したくないのである。
だからこそ、ドレスローザ編で露出しまくっていたレベッカまでのヒロインは余裕で描かれたわけだ。
【尾田先生のカップリング至上主義】
プリンちゃんや日和様が脱がされない理由はただ一つだと考えられる。
即ち、「尾田先生がサンジやゾロの相手役のヒロインの肌を他人の目に触れさせたくない」と思っているからだ。
この主張については、古くからの読者であるほど納得できるだろう。
麦わらの一味随一の正統派カップリングであるウソカヤだが、カヤさんは扉絵カラー等で脱がされるようなことはなかった(多分)。
プリンちゃんも日和様も同じなのである。
特にプリンちゃんはサンジと今後結婚することが決まったようなものであり、海賊島に攫われた囚われの姫として、麦わらの一味に救われる未来が確定している。
【清純派とお色気担当】
一方で、同じヒロインでも、ナミやハンコックやレベッカやビビやヤマトのように、麦わらの一味のカップリングに近くても、水着にさせられる女キャラもいる。
彼女達は最初の時点で肌を露出したヒロインとして描かれており、プリンや日和様とは扱いが違う。
尾田先生の中では、「過度な露出をさせちゃいけない清純派ヒロイン」と「何でもありのお色気ヒロイン」で使い分けているのだろう。
【ワンピースの多様性】
最近の青山先生との対談において、尾田先生はナミを(当時においては)斬新なヒロイン像として描いていたことを語っている。
だが、もはやナミさんのようなキャラは、現代においては(実際のキャラ造形の違いはともかく)特に珍しくもない。
カヤさん以来、あまり見ることの無かった「清純派ヒロイン」枠が最近増えているのは、その辺の事情も影響しているのかもしれない。
露出の激しいお色気枠も描きつつも、古き良き清純派ヒロイン……いや、釘崎野薔薇を水着にしたらリベラルな価値観を持った高い人権意識を持っていらっしゃる有識者に厳しく批判される現代においてはむしろ、プリンちゃんや日和様の方が一周回って先進的なヒロインと言えなくもなくはなくってよ。ねぇ、あなた。
【結論】
この記事でつまり何が言いたかったのかと言えば、サンプリは結婚する。
これに尽きる。
ビッグマム海賊団と麦わらの一味も和解する。
今後、描かれる黒ひげ海賊団との戦いにおいて、それらが描かれることだろう。
是非とも楽しみにしておいて欲しい。