ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

『天竜人の氏族の一つはワノ国の出自』説と五老星セーラームーン問題について

 要はこの人の先祖はワノ国の将軍だったんじゃないかということ。

 

※以下、微妙に1084話までのネタバレ注意

【最初の20人】

 最初に天竜人の祖先についておさらいしておこう。
 世界政府という組織の前身は、20ヶ国で構成される連合国であり、その王達が一族を引き連れてマリージョアへ移住し、世界貴族となった。
 唯一、ネフェルタリ家だけは移住を拒絶して祖国に留まり、アラバスタの王家として存続した。
 つまり、天竜人は世界政府の中核であった19の国々をかつて治めた王族の末裔である。

 そして、その中にワノ国の元首の末裔もいるのではないか、というのが今回の話。

 

【譲位】

 王族がマリージョアへ移住する国では、当然ながら玉座が空位になってしまう。
 その為、各国では新たな王が選出され、王家が変わった。

 ワノ国も同じで、時の将軍家がマリージョアへ旅立った結果、新たな将軍が生まれたのではかろうか。
 それが光月家というわけだ。

 リク王ら後任の王たちは、世界貴族が作った世界政府という機構に従い、それに協力していた
 だが、ワノ国だけは違った。
 新たな将軍が主家筋を裏切り、ワノ国を鎖国してしまったのである。

 こうして、ワノ国は世界政府を築き上げた「最初の20人」を輩出しながら、世界政府非加盟国となった。
 世界政府に加盟はするも、聖地への移住は王が拒否したアラバスタ王国とは、ある意味逆の展開と言える。

 

【石工の一族】

 800年前の当時、光月家が将軍ではなかったのではないかとなぜ考えたのかと言うと、ネコマムシの親分のこの台詞が理由である。

 光月家はかつては「石工の一族」であり、800年前に彼らがポーネグリフを作ったと語られている。
 「空白の100年」の当時、光月家はまだ将軍家ではなく、石工を生業とする一族に過ぎなかったのだろう。

 その一族が、時の将軍家が聖地マリージョアに移住した結果、新たに将軍の座を手にしたわけだ。

 

【光月家とミンク族の盟約】

 古くから光月家とミンク族は契りを結んでいたとのことだが、この台詞も光月家が将軍ではなかったことを示唆しているように思う。

 ミンク族側はミンク族という種族全体、ひいてはモコモ公国という国家が盟約の主体であるのに対し、もう一方の光月家側はワノ国全体ではなく、あくまでも光月家という一族が主体となっている。
 光月家が将軍だったのなら、この不均衡さは明らかにおかしい。

 要するに、ミンク族と契りを交わした当時の光月家は、ワノ国を代表するような存在ではなかったと考えるのが自然だ。
 そして、ワノ国の中で光月家しかミンク族と契りを交わしていないのは、当時のワノ国はミンク族と敵対関係にあったからではないだろうか。

 

【光月家は「謀叛人」だった?】

 1000年前からゾウの上に都市があること、ロード・ポーネグリフを託されていることを考えても、ミンク族はジョイボーイの仲間だったのだろう。
 そして、光月一族もまた、ジョイボーイの為にポーネグリフを製造している。

 一方で、ワノ国自体はジョイボーイの王国と戦う「連合国」の一員だったとすれば、光月家はワノ国の中では裏切り者と言える。
 新たな将軍の選出にはマリージョアへ移住した先の将軍家の意向が働いたはずだから、(例え隠れて親ジョイボーイ活動をしていたにしても)石工の一族に過ぎない光月家を後任に選ぶのはいささか不自然だ。

 光月家はむしろ、将軍位を正式に譲られた一族から、謀反を起こしてその座を奪い取ったのかもしれない。

 

【天月家が天竜人では】

 さて、それでは天竜人となったかつての将軍家の名字は何なのかと言えば、私は今のところ光月トキの旧姓であった「天月家」が一番怪しいかな、と睨んでいる。

 おトキ様は自身の出生地を「わからない」と答えていたが、彼女はおでん公にも未来へ飛んできた理由を全ては語ってはいなかった

 本当はおトキ様は、聖地マリージョアで産まれ育ったのではないだろうか。

 無論、天月家は鎖国後のワノ国でも大名家として存続していたわけであるが、何もドンキホーテ一族のように全ての王族がマリージョアへ移住したとは限らない。

 天月将軍がマリージョアへ連れて行ったのは天月宗家だけであり、分家を時期将軍として残していく方がむしろ自然だろう。

 光月家に将軍位を簒奪された天月の分家は、一大名家になったとすれば筋は通る。

 ……って書いてたら、1084話で「最初の20人に名を連ねる王族の名は祖国に残っていない」と言われちゃってぎゃあってなったよね。
 ま、まあでも、コブラ王はワノ国の内情は知らないし、それはあくまでコブラ王が知り得る範囲の加盟国内の話ってことで。
 その後、アラバスタだけは例外の話に続いたように、↑のコブラ王は正確な言い回しはしていないしね。

 

【世界政府のワノ国文化】

 海軍本部をはじめとして、世界政府と関係が断絶しているはずのワノ国の文化が広がっていることについては、あまり気にしても仕方ない部分だろうと私も考えていたが、天竜人の中にワノ国人がいるのならば、これにも説明がつく。

 ワノ国将軍だった天竜人の一族がいるからこそ、ワノ国風の建造物や文化が世界政府の中にも取り入れられるようになったわけだ。

 1083話で多くの天竜人が描かれたが、同じ天竜人ヘアーでも髷のような髪型の人物がいたりと、なかなか示唆的である。

 

【五老星セーラームーン問題】

 そして、もし和服の五老星の祖先がワノ国人なのであれば、大きな問題を解決できる。
 それが、五老星セーラームーン問題だ。

 サターン聖の名が明かされたことで、五老星の名前は惑星に由来すると考えられるわけだが、「マーキュリー聖」「マーズ聖」「ジュピター聖」まではまだギリギリ許容範囲だとしても、「ヴィーナス聖」だけは絶対に許されない
 ヴィーナスという名前のお爺ちゃんなど、この世に存在して良いわけがないだろう。

 ところが、もし五老星の中にワノ国の系譜の天竜人がいれば、この問題は一気に解決する。
 例えば「金ボシ聖」のようなワノ国風の名前にすることが可能になるからだ。
 これでヴィーナスという名前のお爺ちゃんを登場させずに済む。

 正直、金ボシ聖だと語呂も字面も悪いけれども、金星の呼び名も色々あるし、尾田先生ならきっと何か格好いい名前をつけてくれることだろう。