ようやくと言うべきか、思ったよりも早かったと言うべきか。
第972話『煮えてなんぼのおでんに候』の感想はこちら。
【居眠り狂死郎】
第933話『武士の情け』にて、小紫こと日和様の狂言殺人が描かれた時に初めて「狂死郎は実は光月家一派なのでは?」という疑問を得てから早一年以上。
とうとう彼の正体が明らかとなったか。
第944話『相棒』で傳ジロー=狂死郎ではないかと考えた時には、「さすがにオロチ様達が赤鞘の侍の顔を見分けられないわけがないか」と半信半疑だったのだが、そこを「怒りという妖怪で人相が変わった」で強行突破する剛腕ぶりが何ともワンピースらしい。
おトキ様の「予言」を嘲笑ってみせたのも、オロチ陣営の中で光月家の復活を「笑い話」にしてしまい、誰もオロチ様の言葉など信じない空気を醸成しようとしたわけだ。
あちらこちらでオロチ様の手下に向かって同じように光月家復活を笑い飛ばしていたのだろう。
来るべきその日に、少しでもオロチ陣営が油断しているように。
しかし、思ったよりも正体を明かすのが早かったなあ。
てっきり現代編で救援にやって来た時に満を持して傳ジローだと明かすと思っていたのに、まさか回想の中でバラしてしまうとは。
第963話『侍になる』の感想だと、リーゼント化した後ろ髪を解いて、元の総髪に戻すんじゃないかと予想していたが、どうもこのままリーゼント状態で進むのかもしれないな。
さてはて、20年の長きに渡り花の都へと潜伏し、オロチ体制の中枢で決戦の備えをし続けていた傳ジロー。
第958話『約束の港』にて彼が留守居役として花の都に残っていることは分かっているから、牢に閉じ込められた光月派はもちろん、ワノ国中の反オロチの人間を率いて反旗を翻すことになるのだろう。
【小紫】
一応まだ本編では明言はされていなかった小紫=日和様だけど、ようやくこれも確定したね。
傳ジローが主君の姫君に本当に遊女の姿をさせる訳もないから、日和様は遊女の身分となりながらも、実際には春をひさぐ事はなく、「添い寝」程度でのらりくらりと客を躱していたのだろう。
いくら黒炭オロチ様でも、まさか赤鞘9人男が遊郭に姫君を匿い、しかも遊女に化けさせているとは夢にも思うまい。
これ以上ない程の上手い隠れ家だったわけだ。
第940話『反逆の火種』感想で予想したように、小紫による外道な客への成敗は、狂死郎が店ぐるみで協力して行っていたことだった、と。
それにしても、この場面の2人の演技力たるや。
傳ジローが窓際で息をひそめながら、タイミングを見計らってのっそりと登場したのかと思うとちょっと笑ってしまう。
【内通者問題】
さてさて、光月一派内通者疑惑の原因の一つとなった「オロチ様が何故か日和様の居場所を知っている」問題であるが、これまた第955話『閻魔』感想で書いたように、日和様と傳ジローが意図的に漏らした(あるいは偽の情報を漏らした)可能性が極めて高いだろう。
そもそも、日和様が北の地にいることを把握していた家臣は河松だけであり、彼はそれを誰にも語っていなかったので、内通者によってオロチ様に伝わったとは考え難かった。
傳ジローと日和様はわざと偽情報を流すことでオロチ陣営を北の地に注目させ、その隙に何かを行おうと画策しているに違いない。
【その他】
・丑三つ小僧の正体はやはり狂死郎だったか。
・となると、彼が宴に出席してる最中に現れた丑三つ小僧というのは、第932話『将軍と花魁』の感想で書いたように、ページワンがおそばマスクの事を丑三つ小僧だと誤解しただけなんだろうな。
・ロビン、とばっちり。
・思えばモモの助の女好きは父親譲りか。
・シルエットで描かれている怪物達はナンバーズの面々かな。
・20年前から既に主力として活動していたのね。だとすると、後輩のジャックに地位を追い越された者も多そう。
・というか、コイツらもしかして「覚醒」したゾオン系か?
・赤鞘9人男以外にも、光月家を命懸けで守ろうとする家臣達がまだ何人もおでん城にいたんだな……。
・おトキ様はやはり800年前の大きな出来事の渦中にいて、何かの使命を抱いてワノ国を目指していたのかな。
・彼女の口からは結局ほとんど空白の100年についての情報は得られなかったけど、何らかの形でおトキ様の事情も語られることになるのだろう。
・おトキ様の事を信じ続けたお婆さん、直接彼女の言葉を聞いていたんだね。
・アニメスタッフは事前に狂死郎=傳ジローと聞かされているとしか思えない演出をやってたけど、さすがに露骨過ぎたと思うよ。
・OPもそうだし、狂死郎が光月家を燃える城に追い込んだ話をする時に明らかな怒りの色を見せるとか、誰でも気付くよそりゃ。
・まあ、今回の描き方を見るに、尾田先生もそこまで「衝撃の種明かし!」みたいに描くつもりも無かったんだろうけど。