それこそルルーシュとC.C.のようなものかもしれない。
以下、第121話『未来の記憶』までのネタバレが含まれているので、最新話まで読んでいないシャバ僧は今すぐマガポケに行くか別マガを買ってこい!!
第121話にてグリシャの口から「(おそらくエレンが原因となる)恐ろしいこと」がこの先の未来で発生することが語られた。
感想記事で書いたように、私はこれを『地鳴し』を使った大量虐殺であり、ヒストリアもエレンからその未来を知らされていると予想した。
そんな中、無料キャンペーンと共にネット上で空前の進撃ブーム再発生し、私もまたエレヒスの足跡を辿る為に過去の話を読み直していたのだが、16巻にて実は最新話を暗示するかのような話が描かれていることを突き止めてしまったのである。
お解りだろう。
まさに冒頭に掲げたヒストリアの台詞がそれである。
「私は人類の敵だけど……エレンの味方」
これは、現在の二人の関係にも繋がってくるものではないか。
エレンはこれから各国に向けて『地鳴し』を発動し、大破壊を繰り広げるつもりだ。
その上で、「悪逆の徒」としての罪を被って、エルディア王国の「正しいエルディア人」に裁かれる。
これこそがエレンが用意した計略だと考えられる。
この恐るべき行いを何と言うべきか?
そう、「人類の敵」である。
虐殺を行った他国民からはもちろん、同胞たるエルディア王国からも大罪人として断罪される。
これを「人類の敵」と呼ばずして何と言おうか。
そして、ヒストリアはそのエレンの計画を受け入れた。
涙を堪え、今も絶望の表情を浮かべながら、それでもなお、エレンを受け入れたのである。
エレンが大量虐殺を行うつもりだと知っていながらそれを看過し、更にはエルディア国民を騙したまま、「清廉な女王」として「悪魔」エレンを断罪するヒストリアの行いもまた、「人類の敵」に他ならない。
彼女は16巻で語ったように、「人類の敵だけど、エレンの味方」となる道を選んだのである。
お腹の子供と、エルディア国民の為。
そして、何よりも、エレンの為に。
元より、これも16巻の時点から、ヒストリアは例え自分達が「人類の敵」だったとしても、ただ座して死ぬことを良しとしなかった。
むしろ、死を受け入れようとしたエレンを叱咤している。
そんな彼女だからこそ、他国の罪なき人々と虐殺してでも、エルディア国民を生かすという計画を受け入れたわけだ。
エルディア王国の為政者となった責任を背負いながらも、自分を殺さない生き方として、涙を浮かべても、最後にはエレンに託した。
そして、最悪の罪業の道を進むエレンもまた、ヒストリアがエルディア王国を導くことを望んだ。
エレンにとって、ヒストリアがやりたい事は何よりも尊重すべきものであり、彼女は自分には及びもつかない尊崇の対象なのである。
自身が泥に塗れることで、ヒストリアが望むエルディア王国と世界が遺せるならば、エレンは喜んで地獄に堕ちるつもりなのだろう。