※以下、ネタバレ注意
まず、前提として、いずれシャーロット・プリンに再び焦点が当たる事はほとんど確実である。
何となれば、彼女の「第三の目が真の開眼をすれば、ロジャーと同じ『万物の声を聞く』能力が手に入る」という、作品の根幹に関わる重要な設定が未だ触れられていないからだ。
更に、サンジとの恋模様の問題もまだ残っている。
サンジとプリンの物語はトットランドで完結したのだと考えている読者もどうやら多いようだが、サンジがプリンちゃんの想いすら知らない(それどころか嫌われていると考えている)今の状況で話が終わるとは思えない。
プリンに告白されてサンジが振ったとか、あるいはプリンちゃん自身がサンジの夢の邪魔をしないために身を引いたのならともかく、今の彼女は「自分なんかがサンジさんに相応しいはずがない」という怯えから、正直になれずに逃げてるいるだけだ。
(プリンがナミに嫉妬しない事と、サンジに惚れた理由について【ONE PIECE考察】) 切なくも綺麗なようでいて、ワンピースという作品にはそぐわないネガティブな別れなのである。
ここからプリンちゃんが一人で前向きに歩き出し、新しい相手を探し出せるわけがない。
故に、カカオ島での別れはサンジとプリンちゃんとの関係の結末なのではなく、単なる過程に過ぎないと考えられる。
そして、その2人の再開の場所こそが、現在ビッグマム海賊団が向かっているワノ国ではないだろうか。
ビッグマムは麦わらの一味、つまりサンジ達の命を狙っており、プリンちゃんがそれを知れば彼らを助けようと動くのは必定だ。
更に、今の彼女にはその希望を通すだけの力がある。
トットランドの住人はシャーロット兄弟も含めて、ママの食いわずらいを止めたのはプリンの功績だと思い込んでいる。
言うなれば救国の英雄である。
そんな彼女が、「サンジへの復讐」の為にワノ国に同行したいと強く主張すれば、長男ペロスペローや19男モンドール等が拒むことはないだろう。
ワノ国はポーネグリフを生み出した光月一族の土地であり、また、カイドウの持つロード・ポーネグリフも存在する。
プリンの「第三の目の真の開眼」が発動する場所としては、これ以上ない程にお誂え向きだ。
『シケモク』回でのプリンの振る舞いから、彼女が本当は優しい子だと分かった後も反感を無くせなかったサンジファン達も、「切ない別離」というワンクッションを置いたことで以前よりも彼女を受け入れやすくなっていることだろう。
第三の目が真の開眼を果たし、三つ目族の「万物の声を聴く力」やポーネグリフの核心的な設定が明かされ、サンジともお互いの想いを伝えあって結ばれる。
ワノ国編の終盤では、そういった物語が描かれるはずである。