サンジのケーキで事態が解決しなかったことを受けて。
ONE PIECE 第901話『死んでも死ぬなよ!!!』感想【週刊少年ジャンプ20号】はこちら
※以下、ネタバレ注意
901話を読むと、いかにもジンベエとはここで一度別れて、ルフィ達はワノ国へ直行するかのように思えるが、私はこれはミスリードだろうと睨んでいる。
何となれば、ビッグマムと敵対した場合に一番のネックとなる「人質」の問題が何一つ解決していないからだ。
このまま麦わらの一味がトットランドから逃れれば、バラティエはビッグマム海賊団に襲撃され、いずれゼフの首がサンジのもとへ届けられることなる。
いや、それだけではない。
ドレスローザでサニー号を襲撃してから、サンジを花婿にする方針に転換し、ゾウへと捕らえに来るまでの僅か3日かそこらでサンジとゼフとの関係を突き止めたビッグマムの情報網があれば、他のクルーの身内だって無事では済まないはずだ。
フーシャ村もココヤシ村もサクラ王国もモコモ公国も、それどころか一心道場もシロップ村もW7も襲われて、ダダンやノジコやDr.くれはやミンク族達、そして、コウシロウやカヤやフランキー一家にアイスバーグの首がプレゼントされることになるだろう。
ルフィは「東の海に行ってでも戦う」と言ってはいるが、それは全く現実的ではないうえに、例え行けだとしてもビッグマム海賊団の方が早く着いているだろうし、万が一間に合っても全ての身内を守り切ることは不可能だ。
この状況を解決する為には、ビッグマムと何らかの形で手打ちすることは必須である。
要となるのはやはりビッグマムの過去だろう。
サンジのウェディングケーキを食べても記憶を取り戻したりはしなかったが、一番幸せだった味と重ね合わせてはいる。
これが鍵になるのではないか。
幸いにも(予定調和で)今この国にはシャーロット・プリンという記憶を操る能力者がいる。
マザー・カルメルと羊の家の子供達の「失踪」の場面をリンリンは認識できていないだけで、見聞きしてはいるはずだ。
リンリン本人も思い出せない、しかし脳には刻まれたその情報を、プリンがメモメモの実の能力で引き出す。
それにより(「失踪」の真相がどういうものかは置いておくとして)精神的に打撃を受けたビッグマムに対して、いよいよ6歳の誕生日のクロカンブッシュを思い出す程に美味しく、そして温かいケーキを作ったのがサンジだという事実が、この苦境を打開するのだと思う。