ONE PIECE 第875話『女の仁義』感想【週刊少年ジャンプ38号】

　嘘が嘘でなくなったとき。

　気が付いたらプリンちゃんの心情について（いつも以上に）熱く語っていて、我ながら超気持ち悪いなと思いました。
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週刊少年ジャンプ38号（2017年）感想

週刊少年ジャンプ36・37号（2017年）感想

※以下、ネタバレ注意

【プリンの本気】
　うーむ、演技では無く本気でサンジに惚れていた（そして、それを認めるようになった）か。
　だとすると、きっかけは何だったんだろう。

　もちろん、直接的な理由としてはサンジに「なんて美しい瞳だ」と言われたことなのは明らかだが、プリンはその後もしばらくは彼の言葉を受け入れきれずに、自分は醜い化け物なのだと「抵抗」していた。

　式場でサンジと最後に会話を交わしたときも、彼に向って悪態をつきながら銃を乱射している。

　この時点で既に演技をしていて、自分が相手をすることでサンジに他の兄弟が手を出さないようにしているのかとも考えたが、その後の動揺した姿を見る限り演技とは思えないし、サンジが避けるのを見越して乱射しているというのはさすがに無理がある。

　となれば、あとはもうサンジがナミを抱き止めた場面以外には残っていない。

　ONE PIECE 第869話『籠城』感想【週刊少年ジャンプ29号】で「これは愁嘆場待ったなしですわ」と書いたように、私は（おそらく多くの読者も）このときのプリンちゃんは嫉妬であれ、「サンジの言葉は嘘だったんだ」という誤解であれ、何らかの悪感情を抱いたのだろうと考えていた。

　ところが、実際にはプリンちゃんは、まさにこの瞬間にサンジの言葉と、そして自分が彼に惚れているのだという感情を受け入れたことになる。
　
　一体どういう思考の経路で彼女はそこに辿り着いたのだろう。

　考えられるとすると、サンジが心からご婦人に対して優しい男なのだと、ナミへの態度を見て確信したということだろうか。
　つまり、自分以外の女性に対して優しく接するサンジを見て、自分が特別ではないことに落胆するのではなく、逆に自分が「他と変わらない普通の女性」として遇されたのだと喜んだわけである。

　彼女は幼少期より自身を「三つ目の醜い化け物」と諦めと共に規定してきた。
　それ故、サンジに「美しい」と瞳を褒められたときも、すぐにはそれを受け入れ切れなかった。

　そんな彼女だからこそ、サンジが他の女性に接する姿から、彼が女性に優しい男なのだと知り、そのとき初めて自分が「一人の女性として扱われている」ということを実感できたのだとしても不思議ではない。

　自身を化け物であり、人間ですらないと卑下してきたプリンは、表の自信に満ちた言動とは裏腹に非常に自己評価が低く、そのためサンジから「特別扱いされたい」という願望すら（現時点では）持ち合わせることができないのかもしれない。

　特別ではなく、普通の女として接してもらえるだけで、彼女にとっては望外の幸福だったのだから。

※追記　
　これに対して、「サンジがナミを抱き留めたのを見て嫉妬した自分に気が付き、自分の恋心を自覚したのでは？」という指摘を受けた。
　確かにそちらの方がシンプルで解りやすくはあるが、今週ラストでナミを抱えながら逃げるサンジを見付けているにも関わらず、プリンが嫉妬している様子が見られないことが気になる。

　やはりプリンにはまだ嫉妬という感情はないのではないか？

　もっとも、単にサンジがナミを抱えているところまでは見えていないだけという可能性もあるが。

【扉絵】
　バルトロメオ……。シャンクスとルフィの関係までは知らなかったのか。
　確かに、ルフィと親しい人間と接触しているのでなければ、さすがに麦わら帽子の由来までは分からないかな。

　シャンクス達はいま何者かの結婚式に出席している姿が描かれていたけど、赤髪海賊団の傘下の海賊などがバルトロメオと対することになるのだろうか。
　それとも、結婚式を開いているのがたまたまバルトロメオが着いたこの島だったり？

　ルフィとの関係を知ったらバルトロメオはシャンクスのことを何と呼ぶだろう。
　サボが「大先輩」だったので、「シャンクス先生」あたりかな。
　
【その他】
・人魚？　タイヨウの海賊団は既に島から離れているはずだが。アラディンかな。
・普通に考えるとジンベエ達を助けるために自分だけ残った、ということだろうけど、どうも穿った見方をしてしまう（人魚アラディン黒幕説の復権）

・ゼウスが食べ物に汚いのは、さすがビッグマムの魂と言うべきか。

・ペロスペローはビッグマムが来るというのに焦らなくて良いんですかね。ケーキはまだ全くできてないんだから殺されるのでは。
・いざとなればブリュレの鏡で逃げられる（その間にプリン達がケーキを作ってくれれば良い）と高を括っているのか。

・麦わらの一味対策会議にも出席していたこの木の剣士。