ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

【胎界主】旧メフィストフェレス大公軍のその後について

 早くアモン大公軍の魔王も見たいぜ。

 

【君主制度】

 第三部の『土曜日02』にて、君主魔王はかつては大公の階級だったことが明かされた。
 魔界の組織は大公を頂点とした軍団単位で運用されているので、君主となった大公達も過去には軍団を有していたはずである。

 しかしながら、現在の君主たちは自身の軍を持っているようには見えない。

 それでは、彼らの旧大公軍はどこにいってしまったのだろうか。

 

【旧ベールゼブブ大公軍】

 もっとも解釈が簡単なのは旧ベールゼブブ大公軍である。

 ベールゼブブが君主となった後にベール派の大公であったベールフェゴールは、心からベールゼブブに対して忠誠を誓っていた
 これは、ベリアル派大公のパイモンが、君主であるメフィストフェレスに向ける態度とは全く違う

 即ち、ベールフェゴールはベールゼブブが大公だった頃には、その部下である公爵だったのだろう。
 ベール派そのものがベールゼブブ大公軍だったと言える。

 

【旧アスタロト大公軍】

 同じ解釈ができるのがルキフグ派の旧アスタロト大公軍である。

 アスタロトはモロク独立部隊のヴァラク子爵を付き人にし、彼は強い忠誠心をアスタロトに対して見せていた。
 当時は君主魔王が最初から大公の上位存在だと思われていた為に何の違和感も無かったわけだが、大公軍同士が熾烈な軍閥争いをしていることや、パイモン大公とメフィストフェレス君主の対立を見るにつれ、疑問が芽生えた。
 果たして、他軍の元大公に対して、あれほどの忠誠心を見せるものか? と。

 これもまた、「モロク大公軍は元々はアスタロト大公軍だった」と考えることで説明がつく。
 アスタロト大公が君主となった結果、アスタロト軍団の公爵だったモロクが大公へと昇格したのだろう。

 マルコキアス陛下が挙げた大公からモロクが数合わせのベールフェゴールと共に除かれたのは、呆けているからだけではなく、元々の実力が公爵クラスだったからなわけだ。

 そもそも、まだソロモンがベリアル派を攻略している段階で、ルキフグ派大公であるモロクが消されていたのも不自然であった。
 あれはおそらく、「アスタロト君主陛下についた悪い虫」であるソロモンに対して、その忠義からモロクがちょっかいをかけようとして、返り討ちにあったのだろう。

 

【旧メフィストフェレス大公軍】

 さて、本題の旧メフィストフェレス軍団だが、この軍だけは「公爵が後を継いだ」とは考え難い。
 残存する大公軍が2つしか無い上に、その弱い方の軍を率いるパイモン大公は、君主制度確立以前はメフィストフェレスと同格だったからだ。

 となれば、答えは一つしかあるまい。
 メフィストフェレス大公軍は解体され、他の軍に吸収されたのである。

 なぜ大公軍として継続できなかったのか?
 おそらくは、メフィストフェレス軍のNo.2である公爵の実力があまりにも足りていないからだ。

 ベリアル派大公の一角であるパイモンですら、他の大公に比べて遥かに実力が劣ることが語られている。
 そのパイモン大公よりも弱い公爵を、さすがに大公とするわけにはいかなかったのだろう。

 モロクの場合は、「まあパイモンみたいな奴もいるし」でギリギリ合格とされることもあろうが、ただでさえルキフグ派に見劣りするベリアル派大公にこれ以上の弱者が加われば、ベリアル派の沽券に関わる。
 誰かを後継として立てなければ派閥から大公の階級が失われるベール派とは違うのだ。

 そして、何よりもベリアル派大公の2人が、そんな魔王と同格にされることを拒んだであろうことは想像に難くない。

 

【移籍先】

 それでは、解体されたメフィストフェレス大公軍の魔王達はどこへ行ったのだろうか。
 結論から言うと、軍団最下級のバルバトス男爵のみがパイモン軍に移され、それ以外の魔王は全員アモン軍へ移籍したと考えている。

 パイモン大公軍は軍団長であるパイモンを合わせて4名しかいない(これもかなり衝撃的な情報だったが)。
 その内、バルバトス男爵だけは召喚場に同行せず、本編見登場なわけだが、ではなぜバルバトス男爵だけついていなかったのだろうか。

 それは、彼が元々はメフィストフェレスの部下だったからだとすれば説明がつく。
 憎きメフィストフェレスと顔を合わせるかもしれない場所に、今でも忠誠心はそちらに向いているであろう部下を連れていくなど、パイモンが許さなかったのである。

 旧メフィストフェレス大公軍の所属魔王達にしても、元の主と極めて不仲な大公の下になど行きたくなかったはずだ。
 アモン大公のことをメフィストフェレスはその人格も含めて比較的好意的に見ているから、パイモン大公に比べると関係は良好だったに違いない。

 そうでなくても、どうせ移籍するなら誰だって実績・実力が大きい軍団に行きたいに決まっている。

 メフィストフェレス軍の大半がアモン大公軍に移り、しかし、さすがに全員がアモン軍となるのはパイモン大公が納得しなかったため、最下級のバルバトス男爵が貧乏くじを引かされた、といったところが真相だろう。

 アモン大公がオセ大公並みの力を持っているなら、その軍団の所属魔王もオセ軍に近い数と考えられるので、それ以上の大公軍の大半を吸収したとなれば、現在のアモン大公軍は所属魔王が10名を超える大所帯かもしれない。

 

【余談】

 以前の記事の中で、各軍の魔王の数は派閥に関わらずオセ大公軍と同じという前提で、

 となれば、各大公軍に属する魔王は(軍団長の大公も含めて)7~8名ということになる。
 即ち、各派閥の貴族魔王の総数は以下の通りだ。

 

ルキフグ派:35~39名

ベリアル派:14~16名

ベール派:7~8名

 などと書いたが、パイモン軍が4名(元々は3名)だったことを前提にして考えると、ベリアル派各軍の魔王の数はおそらく、

 

パイモン軍:3名(現4名)

アモン軍:6名(現12名)

メフィストフェレス軍:7名

 

 といったところだろう。