昔よりも涙腺が緩くなってきていまして、思わず涙ぐんじゃいましたね。
声優が宮崎あおいでどうかな、と思いましたが、非常にお上手で懸念は吹き飛びました。
※以下ネタバレ注意
展開としては、あらすじから予想できる大まかな筋から外れておらず、衝撃を受けるということはありませんが、綺麗にまとまっていて好印象を受けました。
時をかける少女、サマーウォーズが好きだった人は十分満足のいく良作だったと思います。
親子の話は良い。感動しました。
この手の作品は感動した以外の感想があまり浮かんでこない文才のなさよ。
お母さんの花さんは、なんというか戦前の精神ですね。惰弱な現代人では死ぬか虐待に走るかしているところです。
しかし、現代にあまりいないようなキャラだからといって「リアリティがない」と切り捨てるのは、「自身がそう在れない」負い目から来る中傷と言えるでしょう。
花のように戦前かと驚愕するほどの根性を持った方は実際に現代にもおられます。まあ私の周りにはいませんが。
とはいえ、これほどの精神性を持ちながら、子作りに関して一切の計画性が無いのには引っかかりましたけどね。
しかも、狼男という特殊な相手との子供なのですから、そう易々と子供を作ってはいかんでしょう。
理解者を作るなり、環境を整えるなりしてからでないと。
正直な話、花と彼の序盤のあまりの無節操さには苛々させられました。苛々と言うより「やきもき」かな。
まあこれは子供2人を抱えた花を奮闘させるという作劇上の都合なんでしょうけどね。理解者がいたり環境が整っていたりしてはお話になりませんから。
とはいえ、そうして「製作者の都合で登場人物が不可解な動きをさせられている」ということがということが透けて見えてしまっていること自体が残念なのですが。
ここはこの作品最大の不満点ですね。「彼」が亡くなって以降の展開はよく出来ていただけに。
あとはー、個人的にはもう少し里の人たちが絡んでくるのかなと思っていました。
花と里の人たちの交流がもっと主軸となると勝手に期待していたので、中盤以降出番が無くなったのは少し残念でした。特に韮崎のお爺ちゃんはもっと劇的な活躍をするものとばかり。
じゃがいものお裾分けに行った時に韮崎のお爺ちゃんが留守にしていた描写はなんだったんでしょうね。
「先生」を韮崎のお爺ちゃんだと思わせる為のミスリードだったんだろうか……? だとすれば失敗していますが、考えすぎ?
まあ、あくまでこの作品は母と子の関係が主軸で、里の人たちはおまけでしたね。
自分が勝手に里の人たちの出番に期待し過ぎていただけだとは思います。
母と子の関係に関しましては、これはもう何度も書いているように、思わず涙ぐんでしまうほど心動かされる出来だったと思います。
「時をかける少女もサマーウォーズも見たし、一応見ておくか」という程度の気持ちで見に行ったのですが、予想以上の面白さでした。