ギルティクラウン 第9話 「捕食 prey」
おおー。これは面白い。
今までの中で一番良かったですし、今週に限れば木曜アニメ4作品の中で最高でした。
途中までは例のごとくキャラの言動が不可解なことに文句つけながら見ていましたけど、最後に持っていってくれましたね。
【寒川潤】
なるほどなあ。なぜ寒川谷尋のヴォイドは鋏なんだろうと思っていましたが、潤の命を切りたいという想いが形になったものだとは。
介護疲れ、というだけでなく、潤の為に麻薬売買にまで手を染めていましたからね。
いつからか、「あいつさえいなければ」という感情が生まれてしまっていたのか。
もちろん、潤を守りたいという気持ちもまた本当ではあるでしょうけど、潤が「視える」ようになったのはヴォイドだけで、そのヴォイドの形や機能は、持ち主の恐怖やコンプレックスを反映しているものです。
つまりは基本的に「負」の部分であることが多いわけで、潤は他者の負の感情をこれまでずっと見る羽目になったのですね。
そんなものばかりを見せられ続けていれば、人間不信にもなるし、死にたくもなるでしょう。
ずっと兄に負担をかけている負い目もありますしね。
これは悲惨な話だなあ。
ラストの潤が独白するシーンは音楽も相まって少しウルっときました。
しかし、ペルソナにしろUN-GOにしろ、今期は「人の二面性」という話が多いな。
UN-GOは劇場版で、でしたが。
【キャンサー】
どうやら体が結晶化したアポカリプス患者はキャンサーと呼ばれているようです。この単語って初めて出てきましたよね?
あの結晶自体も「キャンサー」と言われてるのかな。
このキャンサーはヴォイドと同じ性質を持っているそうで、つまり、心が形となって外に出てきたものなのでしょうね。
キャンサーになると、他者のヴォイドが見えるようになる。
なるほど、涯も一度キャンサー化した、ということなんだろうな。
あの輸血はキャンサー化を抑える為に行っている?
しかし、GHQはなぜ潤を処分することにしたんだろう。
やはり、集のデータが削除されたことで、寒川の密告による「功績」も無かったことにされ、約束は反故にされたのかな。
オマケにそうなると寒川の麻薬売買の罪も戻ってくるでしょうから、それも合わせて潤の処分に踏み切った、ということでしょうか。
潤のキャンサーはどういう条件でか、エンドレイヴに移動し、同時に彼の心もそこに移ったようです。
嘘界は「アポカリオウスウイルスでマシンがゲノム共鳴を起こした」と言っていますが、何を言ってるのかよく分かりません。
あと、教会のシーンにしろ、エンドレイヴに反応したシーンにしろ、敵を察知する能力も身につくんですかね。
それとも、「ヴォイド」を感知したということなのかな? あ、でもエンドレイヴからヴォイドは感知できないか。
やはり、どういう理屈かは不明ですが、危機察知能力が高まっているようです。
ということは涯もそうなのかな。
【嘘界少佐】
当然の話ではありますが、集をずっと張っていたそうです。
拘束しないのは以前書いたように、今拘束してもGHQの手柄になってしまうから、かなあ。本当は説明がほしいんですけどね。
集の顔が映像に映らないのは、ヴォイドの影響ではなく、嘘界がデータを集の顔が映らないようにしてるからですよね?
しかし、そんなことが許可されるのか? 顔が映らないとなると、当然なぜだ、ということになるわけですし。
GHQの手柄にしたくないという理由から茎道局長は許可していると仮定しても、GHQにはバレてないのだろうか。
「顔無し野郎」とダリル・ヤン少尉は言っていましたが、彼は顔が映らないことについてなんと聞かされているんだろうか。
「処世術だ」にはちょっと笑った。
部下に言い訳したりするんだ、この人。
【茎道修一郎】
うおい、いきなり疑われてるのかよ。
疑われる心配がない(疑われても問題はない)からこそ桜満クロス博士のIDを使ったと思ってたのに。
これ、どうする気なんでしょうね、茎道は。当然何か考えてはいるんでしょうけど。
それと、彼はやはりクロス博士と同僚だったようです。あの大島の研究所で働いていたのかな。
【桜満集】
「何でもう見つかっちゃったんだっ」
いやいやいやいや。
あんた完全に素性割れて、この間まで拘束されてた身ですよ? そりゃ監視がついてるに決まってるやん。分かるだろそれくらい。
「そんな素人考えじゃ、死ぬよ(キリッ」
………………こりゃいかん。
話自体は面白かったのに、主人公への好感度がストップ安です。
お前、自分への監視の存在すら全く想像してなかったような奴が、どの口でそんな台詞を吐くんだ……。
これまでは「おかしな言動する奴だな」くらいだったのが、今回ばかりは腹立たしいレベルにまで達しました。
自分の中で『バクマン』のサイシュー並みに好感度が落ちてきています。この野郎。
まあ、「黙って俺に使われていれば良いんだ」と同様に、あえて視聴者に好感が持てないように描かれているんでしょうが、しかし、それにしてももはや今週は許容範囲を超えていました。
このストレスを吹き飛ばすくらいのカタルシスを得られるような主人公の成長を、今後描いていってくれるんでしょうかね。
【校条祭】
どこまで見ていたんでしょうね、この子。
あの現場の側にいたらアンチボディズに発見されてそうだよなあ。
ラストの雰囲気からすると一部始終見ていたような感じでしたが、だとするとどこにいたんだろう。
集が最近堂々としてきた、と言ってましたが、大島でアバンチュールがどうとか言う前に、だからいのりとの同棲疑惑について突っ込むべきじゃないの? 何でそれを頑ななまでに話題にしようとしないの?
電車での告白にしても、全く脈絡がなかったんですが、あれは「虎縞の薬缶」が偶然にも転がってきたことを運命と感じて、居ても立ってもいられなくなった、ということなのだろうか。
それにしても、いきなりすぎですよね。この子もやっぱりよく解らんわ。ある意味お似合いではありますけど。
【その他】
・涯といのり。どこに向かってるんだろう。
「もうすぐこれを使うことになる」
「違う。この歌はもう違うの」
どういう意味?
・紙袋にフランスパンって画は考えてみるとものすごく古臭いですよね。
・嘘界少佐……。「逃げられましたか」じゃなくて、突入する前に教会の包囲くらいしときましょうよ。
・集は何でフード姿の寒川がそうだと分かったんだろ。
・寒川は集の戦闘を一度見ているはずですが、ヴォイドについては信じられないようで。
まあ、万華鏡がヴォイドだとかは戦闘見ただけじゃ分からないですからね。妙な兵器としか思わないか。
・「潤君、すぐ戻ってくるから」って、元々潤が狙われてるんだから離れてる間に殺されるんじゃ。
いや、いずれにしても、潤の近くでは戦えないので離れるしかないのか。ヤン少尉の台詞から自分を狙ってくるという判断を下したということかな。