「寝不足か? 顔に風穴開いてんぞ」
第118話、119話の感想はこちら。
【釘崎野薔薇】
男子2人にかーなーり置いてかれてた状況だった野薔薇嬢にも覚醒イベントが。
さすがにあの2人程の力を持てるとは思えないから、いくら真人が半命とはいえこれで彼女が勝っちゃうと七海さんメカ丸ェ……になっちゃいそうだけど、どう落着させるんだろ。
などと言ってたらこれだよ。
真人によると「魂の形は反転術式でもどうこうできない」らしいから、野薔薇嬢の怪我は魂の形を変えた結果なので家入硝子でも治せないだろう。
ただ、同じく真人によって傷を負った七海さんはその後も生き延びていたので、少なくとも止血はできるはず。
つまり、飛び散った眼球などの傷は元に戻せないまでも、隻眼の半分仮面みたいな状態で復活する展開もあり得る。
とはいえ、この流れならちゃんと殺しておいて欲しいなー。
悪くなかったと人生に満足してるから、「呪術師に悔いの無い死などない」この漫画でここで死ぬはずがない、という予想もあるけど、「沙織ちゃんとふみちゃんと3人で会う」という約束を果たせなかった悔いは残ってる訳だしね。
思ったよりメインキャラが死なない事から、「何が滑らかに人が死ぬ漫画だよ(ププッ」と小馬鹿にしてたのだけれど、七海→野薔薇の爆発力を効果的にする為に敢えて死人を抑えてたわけか。
大したもんだ。
チェンソーマンお前と違ってな!!
【故郷】
ふみちゃんの家は割と温かく迎えられてたみたいだから、沙織ちゃんが疎まれたというよりは、スピリチュアルにハマったヤバい母親が何か村で問題を起こしたのかな。
沙織ちゃんの家にしても、引っ越してきた当初は嫌がらせも受けてなかったようだし。
1巻での野薔薇嬢のモノローグでは、沙織ちゃん本人が村人から嫌われたかのような言い方だったけど、彼女はスピリチュアルなお母さんの存在を認識してなかったみたいだからなあ。
恐らく真相は、母親と村との揉め事の余波が娘である沙織ちゃんにも降りかかっただけだったものの、幼い野薔薇嬢の目には彼女しか映っていないので、「沙織ちゃんvs村人」という構図だと思い込んだんだろうな。
【赤飯】
近所のお婆さんがふみちゃんの家に赤飯を持ってきた件は、娘の初潮がご近所に漏れてるという点で、プライバシーの侵食ではあるのだけれど、同時に「よそ者」であるふみちゃんの家を、村人達が仲間として迎え入れ、「親切心と厚意」を表している事も意味しているんだよね。
ここから、村人達が決して排他的な訳ではないことが読み取れる。
ま、結局のところ子育て家庭への地域の助け合いというのは、多かれ少なかれプライバシーが侵されたり、面倒な気遣いや狭い人間関係が付きまとうのよね。
赤飯の差し入れは、子育て家庭に対する協力の意思表示でもある。
そういった「旧弊」を気持ち悪いと拒絶し、取り除いてきた結果が、孤立と無関心の蔓延る現代社会の惨状なわけで、感情的にこういった文化を否定することは賢明な態度とは言えない。
芥見先生も当然それが解っているからこそ、野薔薇のものの見方が正しいわけではないことを、彼女自身も自覚しているような描き方をしたのだろう。
故郷を単に閉鎖的で陰湿なものとはせずに、よそ者を受け入れる度量の広さや、近所の子供への気遣いという「気持ち悪い」風習が残っている『プラスの面』を描くことで、バランスを取ったのはやはり偉い。
んで、そんな村からあれだけ嫌われてるってことは、沙織ちゃん家のスピリチュアルママってのはよっぽど……と連想もできる。
・幼い野薔薇の目には沙織ちゃんがイジメられたように写ったが、実際にはヤバい母親が原因だと示唆。
・それはそれとして揉めた家に嫌がらせをする村の陰湿さ。
・同じく都会から来たふみちゃんの家に温かく接する程には優しい。
・娘が初潮を迎えたお隣さんに善意で赤飯を持ってくる都会人には拒否感ある文化。
と、まあ、随所に田舎に対する憎しみが籠められてはいるものの、精一杯バランスを取ろうとしてるのは感じられるので、1巻で野薔薇嬢の田舎ヘイトを聞いた時には予想もしなかったくらいのフェアな内容にはなっていると思う。
ふみ視点で語られたせいでゴチャゴチャし過ぎた感もあり、最初は「なんかボンヤリした回想だな」という感想だったけど、よくよく噛みしめてみれば、色んな情報が組み込まれていて、中々上手い回想であった。
【釘崎一族】
ふみちゃんによる「母親の影響」という分析や、幼少期からのこの口の悪さを考えると、どうも釘崎母は日頃から村への不満を汚い言葉で口にしていて、野薔薇嬢はそれを聞かされて育ったようだ。
彼女は呪術高専に来た時には既に術式をものにしており、1巻を読む限り村にいた頃から呪霊退治の経験もあったようだから、釘崎家自体が呪術師の家柄なのだろう。
父親は村に根付く釘崎家の人間で、母親は村の外から嫁いできたのかもしれない。
さて、そうすると気になるのが「東京の高校に通うことについて祖母と揉めていた」という件である。
呪術高専への入学に反対していたのだとすれば、釘崎家は高専を運営する関東の呪術師とは距離を置き、東北地方を縄張りとして独自に呪霊退治を行ってきた家柄なのだと考えられる。
釘崎祖母からすれば、「釘崎家は独立独歩の精神で代々東北を守ってきたのに、なぜわざわざ高専なんぞに通って、東京の呪術師達の管理下に入るのか」という思いだったのかもしれない。
きたる真人との最終対決で、このお祖母ちゃんが孫の仇を討ちに東京へと乗り込んでくる胸熱展開をちょっと期待したい。
というか、お祖母ちゃんに限らず、釘崎一族全てが真人の天敵なのだから、囲んで共鳴りでフルボッコにするところを見たい。
釘崎祖母「共鳴り」
釘崎父「共鳴り」
釘崎兄「共鳴り」
釘崎姉「共鳴り」
釘崎伯父「共鳴り」
釘崎叔母「共鳴り」
釘崎従兄弟「共鳴り」
真人「ぎゃああああああ」
【妹】
野薔薇がこのまま死ぬとこの辺回収するキャラがいなくなるので、
— ニド (@2ewsHQJgnvkGNPr) October 12, 2020
・生き残って脳損傷による人格変容と隻眼による距離感喪失で距離無視釘打ちしてくる野薔薇ネキ
・見た目だけはマジでモデルにスカウトされるレベルだけど人格がクソすぎて野薔薇が東京に出る遠因になった妹が出てくる
さあどっちだ
野薔薇ちゃんの回想に出てきた家は釘崎の分家で、本命の術式継いだ妹は本家の方にいたんだよ…!#ろくろを捏ねる手つき
— ストール燃やすシア (@sia_kikyou428) October 12, 2020
佐木兄弟か?
— 今はただ 君に感謝を (@no_work_no) October 12, 2020
釘崎本家を継いだ野薔薇の妹の釘崎白百合が新しいヒロインとして登場したら荒れるだろうな。
まあでも、野薔薇嬢って呪術師の家柄にしては何だか異様に育ちが悪そうだったし、妾腹って設定はちょっと本当にありそうな気はするのよね(加茂パイセンとちょっと被るけど)。
野薔薇嬢は釘崎家の庶子と判明。
↓
釘崎本家を継ぐ腹違いの妹、釘崎白百合が登場。
↓
自分と違い、村からも家からも飛び出した姉に対し、侮蔑と羨望と嫉妬と憧憬を抱いていた。
↓
姉を守れなかった虎杖に激重感情をぶつけてくる。
……あるな。
【ナナーミー・デント】
ほほお、「どうせ生きてんだろ」感満載だった漏瑚さんの攻撃だったけど、思いの外しっかりダメージはあったようで。
あの大火傷は、七海さんの死の前フリとしてもさることながら、ヒロインである真希さんの容態を急激に気にせざるを得なくなる憎い手である。
とはいえ、しかし、真希さんの顔に火傷させる……? マジ……?
いや、さすがに……。
あの人、花御の一撃も筋肉で防ぐくらいだし、今回も皮膚がめっちゃ強かったで何とかならんかな。
ヒロインが顔を大火傷は重すぎるぜ。
ここ1年くらいの呪術廻戦はキャラの生死においてだいぶ温い印象だったけど、ここに来てグンッと緊張感を引き上げられてしまった。
これで真希さんが死んでいたら、さすがに笑うしか無い。
あ、直毘人ジイちゃんはどうでもいいです。
思ったより弱かったし。
【真人ェ……】
え、 真人マジで何してたの……?
もしかして本当にただ虎杖のこと見つけられずにウロウロしてただけ……?
しかも、二人がかりで虎杖探してたのに、脹相にも漏瑚にも負けていることになるよね。
本当にダメな奴だなお前は。
「まさか、さすがにそんなはずは無い。ニセ夏油の真意を探る為に、虎杖を探すフリをして仕掛けを行ってたとかに違いない……」などと信じていた私がバカだった。
【魂への攻撃】
真人は他の呪霊と違って魂への直接攻撃を受けると、どんなに呪力差があっても大ダメージを受けるのか……。
通常攻撃でも呪力が尽きるまでダメージ受けるとアウトっぽいし、何か特別な存在のようで、逆に他の呪霊よりも不利だよね。
>「血液や切断された腕に釘を刺すと本体にもダメージを与えられる共鳴りを、真人の肉体に使用することで魂にも攻撃可能」
ぶっちゃけ、そうはならんやろ……感はちょっとあるものの、まあこのマンガは割とそういう解法多いしな、で納得してる。
そもそも私は真人の「魂に攻撃受けなければ平気デース」という特性も未だにずっとピンと来てないのよね。
じゃあ逆に他の呪霊に共鳴りを使うと、体と魂の2倍ダメージを食らうのかと言えば、そういう訳ではないだろうし、なんやよく解らん理屈。
【自殺防止装置】
「人を助けろ」「大勢に囲まれて死ね」は、いずれこうなることを見越しての虎杖の自殺防止用のキーワードだったようですね、やはり。
元々そのような人格になるよう条件付けはされていたんだろうけど、虎杖が「生」に拘っても自然に見せる為に用意された「物語」が『祖父の遺言』というわけだ。
虎杖と自分は同じだと真人が語っていたが、確かに、目的も持たずに呪霊の本能のまま暴れてるだけの真人と、あらかじめ設定された呪骸としてのプログラムに従って活動している虎杖はある種、同じとは言える。
というか、真人自身も自分がペラッペラだという自覚はあったのね。
【五条悟】
「反対押しきって虎杖に宿儺の指食わせたろ」
↓
大量虐殺
「ま、何とかなるか。期待してるよみんな」
↓
後輩と教え子死亡
五条悟、圧倒的最強キャラなのに本編での目立った実績が花御の討滅だけなので、どうしようみたいな。
「宿儺が指を探すレーダーとなる」って話も大嘘だったし、内通者探しも肝心の上層部に潜む人間に辿り着けてないので、結局なんの役にも立ってないからね。
これを機に五条が己のいい加減さを反省して成長する話になるんだろうか。
【その他】
・野薔薇嬢の死体晒すより、醜い造型にして「イヤアアア」とか言わせた方が虎杖のメンタル揺らせそうだけど、なんか意外と温いですね、真人。
・順平をカバに変えたのも、宿儺に順平を治すよう虎杖が頼む状況を作って、宿儺有利の縛りを結ばせる為だったし、真人はあんまり精神的に嬲る事について熱心じゃないのかも。
・真人の改造人間は硝子でも元に戻せないけど、七海さんが受けたみたいな魂への干渉に伴う傷はどうなんだろう。
・少なくとも止血が出来るのは間違いないとはいえ、歪められた部位そのものは戻せないんだとしたら、野薔薇嬢は死なないにしても、顔に大きな傷が残る恐れも?
・真希さんも火傷を負ってるかもしれないし(こっちは生きてさえいれば硝子の治療で痕を残さず治せそうだけど)、何ともうら若き乙女に優しくないことで。
・>虎杖と真人の死闘の前。呪詛師戦後の釘崎にはある思いがあった。
・あの宿儺に殺された呪詛師、せっかく名前付けられたのにまだ煽りで呪詛師としか呼んで貰えてなくて笑った。
・教師ディスとか高齢者ディスなんかも「そういうスタンスと思わせておいて」という逆転現象があったので、田舎ディスに関してもやってくれるんじゃないかと、ちょっと期待してたので満足。
・1巻のモノローグと、「当時の私は~思い込んでいた」を踏まえると「村人の価値観にも正当性はあったが、釘崎野薔薇はその枠組では生きられない人間だった」みたいな所に着地しそう?
・OPでロリ崎野薔薇と映ってんのが「沙織ちゃん」なんですかね。
・大人だったのか。てっきり同級生かと思ってたけど、確かに「越して来た」としか言われてないな。
・あの年齢だと親の都合とかではなく、自らの意志で村に来たっぽいし、屍鬼の結城夫妻みたいなヤベエ奴で、村人から疎まれてたのかもしれない。
・と予想してたんだけど、概ねその通りになったわね。
・ヤベエ奴だったのは沙織ちゃんではなくてその母親だったけど。
・齢6つにしてこの口汚さ……。村がどうとかより、シンプルに育ちが悪いのでは……?