一気にルフィとの因縁度合いが深まった。
114巻のSBSにおいて、『シャクヤクの物語があった事で、なぜ九蛇の皇帝候補であったハンコックと姉妹が、一体誰に狙われ奴隷にされたのか見えてきた気がしますね』との尾田先生のお言葉があった。
即ちこれは、ハンコック達を奴隷にした天竜人は、ゴッドバレー事件と深く関わっていることを示唆するものである。
まず、真っ先に浮かぶのは当然のことガーリング聖であるが、彼はシャクヤクを「奴隷」ではなく「妻」にしようとしていた。
もし、彼がシャクヤクのリベンジを果たさんとしたならば、少なくとも三姉妹の中でハンコックだけは「妻」となっていたはずだ。
となるともう、候補は一人だろう。
そう、ソマーズ聖である。
彼はゴッドバレーにおいても、誰もが魅了されたシャクヤクに対して『やだね……てめェの価値をわかってる女は……可愛げがなくてよォ!!!」と嫌悪を露わにし、死の恐怖に震える姿を『見ろコイツの顔……!! やっと〝希望〟が消えたぞ!!』と嘲笑っていた。
ガーリング聖が美しく気高いシャクヤクを自身の隣に飾ろうとしていたのに対して、ソマーズ聖は逆に彼女を貶めんとしていたのである。
ソマーズ聖がハンコックの飼い主だと考えると、納得のいくことがある。
ゴッドバレー編以降の回想の中で、フィッシャータイガーによる聖地襲撃が描かれた際に、ハンコックの奴隷時代の描写も挟まれたのだが、そこでの彼女は極めて不潔な環境下に置かれていた。

どうやら後ろ手に縛られているようで、皿の上の水か食べ物も犬食いを強いられていたようだ。
しかしながら、ハンコックの美貌を考えれば、彼女の奴隷としての役割は当然のことながら性奴隷だったはずだ。
世界貴族ともあろうものが、性奴隷をこんな不潔な状態に置くだろうか。
あまりにも不衛生であり、性交の際にどんな病気をもらうか判ったものではない。
実際、チャルロス聖やミョスガルド聖父子などは、奴隷の女達をある程度綺麗に着飾らせていた。


その美しさに目を付けて性交を目的とした奴隷ならば、彼女らのように遇するのが普通の感覚だろう。
ソマーズ聖は天竜人の中でも普通の人間ではない。
美しく、そして気高い女性を穢し、貶め、心を折って従属させたいという欲望を抱いている異常者だ。
シャクヤクを逃したガーリング聖は諦めた。
だが、ソマーズ聖は自身に恥をかかせたシャクヤクに執着し続け、しかし彼女を庇護するロジャー海賊団には敵わず、代替として九蛇の皇帝候補を標的にしたのである。
ハンコック達にとっては、美しい者を「妻」として求めたガーリング聖に狙われていた方がまだマシだっただろう。
彼の下ならば、名誉天竜人としてそれなりの待遇が与えられる。
いや、なんなら一般天竜人の性奴隷ですら、恵まれた身分だと言えるかもしれない。
少なくとも彼女達には、それなりに清潔な環境が用意されるはずだからだ。
ソマーズ聖はただ性交を求めるだけでなく、ハンコック達を徹底的に嬲り、貶め、屈辱を与えた。
地獄そのものの聖地マリージョアの中でも、そこは更なる地獄の底だったと言えるだろう。
その情報を知った上で第1175話を改めて読むと、ルフィがソマーズ聖をボコボコにする場面に対する見方もまた変わってくるようだ。
どうせまた復活してくるだろうから、願わくばより一層の報いを与えてやって欲しいところである。