※以下、ネタバレ注意
ヤマカムさんの『ワンピース』、プリンちゃんが告げた「さよなら」という記事を読んだところ、その中にホーミーズに関して作中の描写に反するのではないかと思われる記述が含まれていたので、個人的に考察してみたい。
ヤマカマさんは記事の中で、
>ビッグマムは念波でホーミーズたちの情報を共有できるようなのでルフィたちの行動が筒抜けになってたようですね。なぜ全てが筒抜けになっていたのかずっと疑問でしたが、国中のいたるところにいる「ホーミーズが見た」→「念波でビッグマムに筒抜け」でFA。
と書いているのだが、これはどうやら事実ではなさそうである。
なぜなら、ビッグマムとその側近のホーミーズは、クラッカーがルフィに一晩も手こずっていたことを全く知らなかったからだ。
この会話を見れば解る通り、848話で「念波」を受信していた帽子のホーミーズすら、この時点でクラッカーの勝利を揺ぎ無いものとして確信している。
迷いの森の戦況を知っているのなら、こんな風に悠長に構えていられるはずがない。
つまり、帽子のホーミーズが受け取った念波が、仮に全てのホーミーズが使えるものだとしても、少なくともビッグマムの居住する「ホールケーキ城」とホールケーキアイランドの「南西の海岸」まで届かない、ごく短い距離専用のものだと考えるべきだ。
だとすれば、ヤマカムさんの言うような「ホーミーズが見た→ビッグマムに筒抜け」という図式は成り立たない。
ビッグマムがルフィ達の動きを把握していたのは、ホーミーズの監視とは別の手段なのだろう。
また、同記事では、
>プリンちゃんに教えてもらった「南西の海岸」で待ち伏せされてたのも、ゼリーのニトロと絨毯のラビヤンが念波でビッグマムに伝えたと。プリンちゃんは悪い子じゃない!
という考察もされているが、これもまた可能性は低いと言わざるを得ない。
もし、ニトロやラビアンがビッグマムに密告したのなら、プリンがルフィ一行と接触したことも伝わっていなければおかしい。
「南西の海岸にルフィ達が向かっている」と話せば、なぜニトロ達にそんなことが分かるのかを当然相手は疑問に思うはずだろう。プリンのことを隠したままルフィ達の行先だけ伝えるなど不可能だ。
しかしながら、実際には【ONE PIECE考察】ビッグマムにルフィ達の情報を漏らした者とは?で書いたように、ビッグマム達はプリンとルフィの関係を全く把握していない。
すなわち、ニトロとラビアンはプリンがサンジを南西の海岸に連れて行くとルフィ達に約束したことを、ビッグマムに報告していないということを意味する。
これは同時にプリンが密告者という線も消えるということだから、「プリンちゃんは悪い子じゃない」という点は間違っていないが、それはニトロやラビアンも同じなわけだ。
結論として、ホーミーズの情報共有能力はそれほど万能ではなく、また、ホーミーズは命令されれば逆らえずとも、必ずしもビッグマムを最優先して動いているわけではない、ということが言えるだろう。