総じて面白かった……けど、ちょっと納得できない部分もあるかな。
逆転裁判6 第3話『逆転の儀式』中途感想はこちら
逆転裁判6 第2話『逆転マジックショー』感想はこちら
※以下、ネタバレ注意
何だろう、あんまり祭司に同情できない。
被告人に罪を着せようとしながら、情状酌量の余地ありというのは逆転シリーズでも指折りに印象的な某真犯人と同じはずなんだけど、印象が全く違う。
これは、マルメル・アータムが計画的過ぎるのと、他人に罪を着せる葛藤がほとんど見られないことが原因だろう。
祭司が申し訳なさそうにしている姿を描くと真相が分かり易くなってしまうと考えたのしれないが、あんなに強気で真宵ちゃんを糾弾したり、果ては高笑いまで浮かべられると、最後の謝罪でも本当に心から反省しているのかどうか疑わしく思ってしまう。
加えて、某真犯人があまりにも救われないまま終わったのに対し、マルメルは妻と綺麗な別れまで与えられていて、どうにも犯した罪との釣り合いが取れていない感じ。
ううん、話自体はよくできているとは思うんだけど、最後の感動的な演出はいまいち心に響かなかったというのが正直な感想だ。
妻を守るために2年も面倒を見てきた何の罪もない真宵ちゃんを陥れようと企てるとか、とても徳の高い僧侶とは思えない。
まあ、刃物でもない銅像の羽に自ら腹を突き刺して失血死するとか常人には到底無理だから、その辺りはマルメルの凄さが感じられたが(竹光で切腹した千々岩求女ほどではないけど)。
【鳥姫の正体】
中途感想での推理は丸っきり外れていて、まったくお恥ずかしい限り。
特に、鳥姫の正体がオガムだというのは、彼が拾われたのも鳥姫が出現しだしたのと同じ2年前だという、「いっそあからさま」なヒントがあったのにどうして予想できなかったのか自分でも驚いている。
素性を誤魔化している=反体制派としか思わなくて、秘密警察という発想がなかったんだよなあ。
いや、正確には彼が鳥姫という可能性も考えたのは考えたのだが、サーラが悪女だという思い込みに引っ張られて、「もしオガムが鳥姫ならば、それを殺したサーラは革命派ということになるが、彼女が善玉として扱われている革命派のはずがない」とすぐに頭から捨ててしまった。
しかしながら、オガムがなぜ身元不明者として祭司のもとに転がり込んだのかとか、アジトを突き止めていたにも関わらず事件後に警察が動いていないことに関して一切説明がないのはちょっとご都合主義的に感じた。
祭司夫妻を怪しんだ上層部の命令で懐に飛び込み、彼らが革命派だという証拠を掴もうとしていたのかもしれないが、だとしたらその辺りのことに触れてほしかったし、仮に怪しんでいたのだとしたら、アジトが聖域にあることまで割れているのであればいつでも逮捕できたんじゃないの? という疑問もある。
国民の尊敬を受ける夫妻であるから、もっと決定的な証拠を得るために泳がせていたと脳内補完できなくもないが、だとしたらサーラ・アータムの居場所も把握せずにアジトの調査に入るとか不用意にもほどがあるしなあ。
【サーラ・アータム】
完全に豹変すると思ってました。
逆転検事1・2でもこんな風な「事件の一部に関与しているからプレイヤーに怪しまれるものの、実際には悪女ではない」キャラがいたけど、今回も釣られてしまったや。
タクシュー時代の悪女キャラの印象が強すぎるんだよなあ。
逆転検事以降のスタッフはまさにこの印象を意図的に利用している気がする。
彼女は革命で体制を引っ繰り返したら、ナルホド君と真宵ちゃんを解放するくらいのつもりでいたのだろうか。
【綾里真宵(28歳)】
発売前は「タクシュー以外にナルホド君と真宵ちゃんのコンビなんて描けるのか……」という不安しかなかったけど、どうして、どうして中々違和感なく描けていた。
ちょっとこれはびっくりしたなあ。
私はタクシュー信者だというわけではないんだけど、それでもやはりタクシューの掛け合いは誰にも再現できないとは思っているから、まさかこんなにしっくりくるとは想像もしていなかった。
レイファ様とのやり取りで、成長した真宵ちゃんの大人らしい部分も描けていたし、真宵ちゃんのキャラには全く文句が無い。
本当によくやってくれた。
ただ、そうか……。真宵ちゃん28歳かあ……。
これは6のスタッフのせいではないんだけど、正直なところ28歳の真宵ちゃんを見るのは複雑な気分である。
3をクリアしたときには、何となくナルホド君と真宵ちゃんがその後結ばれるんだろうなと思っていたから、真宵ちゃんがアラサーになっても少しもそういう関係になっていないのが、なんか、こう……。
うーん、言語化し難いんだけど、「もったいない」という気分になってしまう。
まあ、これは説明しても分かってもらえない感覚なんだろうけど。
【ギャグ】
マルメル・アータムの霊媒は心から面白かった。
真宵ちゃんが男を憑依した場合のことはたしかにちょっと興味があったし、なぜか髪型は変わらない倉院流霊媒道の設定をハゲネタに絡めて使ってきたのも上手い。
上手い、のだが。その後のシリアス展開を考えると、ミスマッチだったのは否めないなあ。
祭司が細君と最期の別れを交わす場面なんか、どう考えても笑ってしまうだろう。
いや、分かる。霊媒を使ったギャグも、祭司の愛と自己犠牲の詰まった事件の真相も、どちらもやりたかったのは分かるのだ。
しかし、だとしても、致命的に噛みあわなかったと言わざるを得ない。ビジュアルがあれでは心から曇りなく感動できた人はいないと思うなあ。
【その他】
被告人に罪を着せようとしながら、情状酌量の余地ありというのは逆転シリーズでも指折りに印象的な某真犯人と同じはずなんだけど、印象が全く違う。
これは、マルメル・アータムが計画的過ぎるのと、他人に罪を着せる葛藤がほとんど見られないことが原因だろう。
祭司が申し訳なさそうにしている姿を描くと真相が分かり易くなってしまうと考えたのしれないが、あんなに強気で真宵ちゃんを糾弾したり、果ては高笑いまで浮かべられると、最後の謝罪でも本当に心から反省しているのかどうか疑わしく思ってしまう。
加えて、某真犯人があまりにも救われないまま終わったのに対し、マルメルは妻と綺麗な別れまで与えられていて、どうにも犯した罪との釣り合いが取れていない感じ。
ううん、話自体はよくできているとは思うんだけど、最後の感動的な演出はいまいち心に響かなかったというのが正直な感想だ。
妻を守るために2年も面倒を見てきた何の罪もない真宵ちゃんを陥れようと企てるとか、とても徳の高い僧侶とは思えない。
まあ、刃物でもない銅像の羽に自ら腹を突き刺して失血死するとか常人には到底無理だから、その辺りはマルメルの凄さが感じられたが(竹光で切腹した千々岩求女ほどではないけど)。
【鳥姫の正体】
中途感想での推理は丸っきり外れていて、まったくお恥ずかしい限り。
特に、鳥姫の正体がオガムだというのは、彼が拾われたのも鳥姫が出現しだしたのと同じ2年前だという、「いっそあからさま」なヒントがあったのにどうして予想できなかったのか自分でも驚いている。
素性を誤魔化している=反体制派としか思わなくて、秘密警察という発想がなかったんだよなあ。
いや、正確には彼が鳥姫という可能性も考えたのは考えたのだが、サーラが悪女だという思い込みに引っ張られて、「もしオガムが鳥姫ならば、それを殺したサーラは革命派ということになるが、彼女が善玉として扱われている革命派のはずがない」とすぐに頭から捨ててしまった。
しかしながら、オガムがなぜ身元不明者として祭司のもとに転がり込んだのかとか、アジトを突き止めていたにも関わらず事件後に警察が動いていないことに関して一切説明がないのはちょっとご都合主義的に感じた。
祭司夫妻を怪しんだ上層部の命令で懐に飛び込み、彼らが革命派だという証拠を掴もうとしていたのかもしれないが、だとしたらその辺りのことに触れてほしかったし、仮に怪しんでいたのだとしたら、アジトが聖域にあることまで割れているのであればいつでも逮捕できたんじゃないの? という疑問もある。
国民の尊敬を受ける夫妻であるから、もっと決定的な証拠を得るために泳がせていたと脳内補完できなくもないが、だとしたらサーラ・アータムの居場所も把握せずにアジトの調査に入るとか不用意にもほどがあるしなあ。
【サーラ・アータム】
完全に豹変すると思ってました。
逆転検事1・2でもこんな風な「事件の一部に関与しているからプレイヤーに怪しまれるものの、実際には悪女ではない」キャラがいたけど、今回も釣られてしまったや。
タクシュー時代の悪女キャラの印象が強すぎるんだよなあ。
逆転検事以降のスタッフはまさにこの印象を意図的に利用している気がする。
彼女は革命で体制を引っ繰り返したら、ナルホド君と真宵ちゃんを解放するくらいのつもりでいたのだろうか。
【綾里真宵(28歳)】
発売前は「タクシュー以外にナルホド君と真宵ちゃんのコンビなんて描けるのか……」という不安しかなかったけど、どうして、どうして中々違和感なく描けていた。
ちょっとこれはびっくりしたなあ。
私はタクシュー信者だというわけではないんだけど、それでもやはりタクシューの掛け合いは誰にも再現できないとは思っているから、まさかこんなにしっくりくるとは想像もしていなかった。
レイファ様とのやり取りで、成長した真宵ちゃんの大人らしい部分も描けていたし、真宵ちゃんのキャラには全く文句が無い。
本当によくやってくれた。
ただ、そうか……。真宵ちゃん28歳かあ……。
これは6のスタッフのせいではないんだけど、正直なところ28歳の真宵ちゃんを見るのは複雑な気分である。
3をクリアしたときには、何となくナルホド君と真宵ちゃんがその後結ばれるんだろうなと思っていたから、真宵ちゃんがアラサーになっても少しもそういう関係になっていないのが、なんか、こう……。
うーん、言語化し難いんだけど、「もったいない」という気分になってしまう。
まあ、これは説明しても分かってもらえない感覚なんだろうけど。
【ギャグ】
マルメル・アータムの霊媒は心から面白かった。
真宵ちゃんが男を憑依した場合のことはたしかにちょっと興味があったし、なぜか髪型は変わらない倉院流霊媒道の設定をハゲネタに絡めて使ってきたのも上手い。
上手い、のだが。その後のシリアス展開を考えると、ミスマッチだったのは否めないなあ。
祭司が細君と最期の別れを交わす場面なんか、どう考えても笑ってしまうだろう。
いや、分かる。霊媒を使ったギャグも、祭司の愛と自己犠牲の詰まった事件の真相も、どちらもやりたかったのは分かるのだ。
しかし、だとしても、致命的に噛みあわなかったと言わざるを得ない。ビジュアルがあれでは心から曇りなく感動できた人はいないと思うなあ。
【その他】
・「見た目は大人っぽくなったけど、中身は変わってないみたいだ」
・え、ってことはナルホド君はマヨイちゃんの見た目が大人っぽくなってからは全く会ってなかったってこと?
・と思ったら2年間だけなのね。マヨイちゃんはクライン王国の2年で急に大人っぽくなったのか。
・外国にいって、急に大人っぽく……。信じて送り出した(ry
・と思ったら2年間だけなのね。マヨイちゃんはクライン王国の2年で急に大人っぽくなったのか。
・外国にいって、急に大人っぽく……。信じて送り出した(ry
・「そのようなアレは困る」。名言きました。
・5のココネちゃんもだけど、長い時間気絶しすぎだろ。
・聖域に立ってるレイファ様の後ろ姿を見て、ビキニみたいなの着てる変態のオッサンだと本気で思った。
・レイファ様いいキャラしてんな。
・ナルホド君が3までのように白目剥くようになった改良は素晴らしい。
・ああ、なるほど。インガ法務大臣は信仰と無縁なのか。
・悪徳権力者が最初からずっと登場してるのは逆転シリーズでは初かな。
・女王も見た目はかなり怪しいんだけど、インガ大臣に利用されているだけってことになりそう?
・ああ、なるほど。インガ法務大臣は信仰と無縁なのか。
・悪徳権力者が最初からずっと登場してるのは逆転シリーズでは初かな。
・女王も見た目はかなり怪しいんだけど、インガ大臣に利用されているだけってことになりそう?
・うーん、ダッツと祭司が内紛を起こした可能性はあるんだから、そこに突っ込まないのはちょっと。
・有罪のまま審理が終わるのは斬新。
・ドゥ、ドゥルクの息子……。そうきたか。正直、4で語られたオドロキ君の出生についてよく覚えてないけど。
・たしか、ラミロアの最初の夫との間に生まれた子で、夫の死後は親戚に引き取られたんだっけ?
・つまり、オドロキ君の実父はドゥルクの親族であるクライン人だったのかな。
・たしか、ラミロアの最初の夫との間に生まれた子で、夫の死後は親戚に引き取られたんだっけ?
・つまり、オドロキ君の実父はドゥルクの親族であるクライン人だったのかな。
・おい、戻るときはちゃんと真宵ちゃんの服戻せよ。
・いまさらだが、霊媒すると刺青も再現されるのか。
・ほお、革命派も始祖を信仰してはいるんだな。
・「死ぬ前の記憶ははっきりしている」とレイファ様に教えられる件、回想し過ぎというかナルホド忘れ過ぎだろ。
・革命派を恐れてた割にはマルメルが革命派と分かっても聴衆はあんまりショック受けてないな。
・尊敬されていた鳥姫の正体がマヨイちゃんとされても大してリアクションなかったし、マヨイちゃんが霊媒できたことへの反応も薄い。
・尊敬されていた鳥姫の正体がマヨイちゃんとされても大してリアクションなかったし、マヨイちゃんが霊媒できたことへの反応も薄い。
・祭司の最初の証言を全ゆさぶりと気づかずにライフ減らしてしまった。
・「真宵ちゃん、あんな姿に成りはてちゃって」。笑った。
・殺害後にアジトの目覚まし時計をオフにした可能性はあるでしょ。
・オガムのことも霊媒すりゃいいだけじゃね、と思わざるを得ない。
・託宣のときからおかしいとは思ったんだよなあ。自分からダッシュして刺されにいってるようにしか見えなかったし。てっきり、グラフィックの荒さのせいだとばかり。
・まあ言い訳でしかないんだけど。
・「システムか革命か」という二択が極端すぎる。
・中野剛志風に言えばその二つの間には無限のバリエーションがあるわけで、無理矢理どちらかを選ばせるのはおかしい。
・中野剛志風に言えばその二つの間には無限のバリエーションがあるわけで、無理矢理どちらかを選ばせるのはおかしい。
・ま、革命派もクライン教自体は信仰しているし、レイファ様には敬意を払っていたから、落としどころとしては間を取る形になりそう。