ヘボ監督の何気ない言葉がえらい四葉の人生に影響与えてますね。
五等分の花嫁 第86話『シスターズウォー エキシビションマッチ』感想はこちら
※以下、ネタバレ注意
【手本】
「みんなのお手本になるんだ」という台詞のきっかけはサッカーだったんかい!
そもそもは零奈を一花や五月とミスリードする為に考えられた台詞なんだろうけど、さすがに強引すぎやしないか……(笑)
もっとも、四葉は学級委員長に立候補したりと、他者の先頭に立ちたいという欲求が強いところがあるから、サッカーの事とはいえ「手本」と言われたのがよほど嬉しかったのかもしれない。
一方で、冒頭の「瓜は五つに切っても同じなのかな」と言っているときの不安そうな表情からすると、この時点で自分が他の姉妹とは違うという自覚があったようだ。
はぐれた時の葛藤を見ても、どうやら「自分だけ落ちこぼれている」という負い目を抱えながら姉妹一緒に行動することを苦痛にも感じていたようで、まさかこの頃からずっと劣等感に苛まれているとは思わなかったなあ。
【リーダー】
四葉が幼い頃から姉妹の手本を志向する一方で、かつては最も甘えん坊だった五月が、現在では「母親」の役割を果たそうとしている。
姉妹のリーダーを務めようとした人間が二人もいることになるわけだが、皮肉なことにみんなのまとめ役としての存在感は五月の方が示していると言えるだろう。
手本になろうとしながら、実際には一人だけ落第して他の姉妹に迷惑をかける落ちこぼれのまま。
望んだリーダーの座は五月に奪われている。
この事実は四葉にとって大きなストレスとなっていたはずだ。
そんな暗い感情を内に抑え込みながら、姉妹の誰よりも他者に優しく接し、みなの潤滑剤となるべく己を殺してきたわけである。
そりゃ、心も歪むわな……。
(参照: 中野 四葉、全ての黒幕説【五等分の花嫁】)
【長女】
今回のお話は、かつて四葉が語った幼少期の一花のジャイアンっぷりが描かれた回でもあった。
とはいえ、その一方で「リーダーだった」とも言われていたように、自分勝手で強引というよりはむしろ、優柔不断な姉妹が答えを出せない中でビシッと決断する感じだよね。
いつまでもお母さんから離れない五月のことを引き離したりと、まさしくこの当時の一花は姉妹のまとめ役だったのだろう。
現在では四葉や五月がリーダーであろうとする一方で、一花は長女として振る舞うことを止めてしまっているが、これも何かきっかけがあったのかな。
今後は自己を抑圧し続けている四葉の救済に主題が置かれるものと思われるが、やはり第86話の感想でも書いたように、一花が昔のように先頭に立って、長女として四葉に手を差し伸べる展開になるんじゃないかな
【その他】
・「ヘボ監督」と言われて真っ先に二乃の名前を挙げたということは、この頃から二乃が一番口が悪かったんだろうな。
・五月はここからどうして身内にまで敬語という口調になったのかと思ったら、お母さんの真似だったのね。
・私が覚えてないだけで、とっくの昔に説明済みの設定かもしれないが。
・四葉が京都で学業成就のお守りを買ったのは、この頃から姉妹の頭が悪かったからでもあるだろうけど、ヘボ監督の台詞が心に残っていたからなんだろう。
・学校の勉強が全てではないし、何とか四葉が得意とする運動で生き甲斐を感じられるようになれば良いんだけど……。
・フータローはおそらく、そちらの方向で模索してるよね。