いちご100%では西野、ニセコイでは千棘、NARUTOではヒナタ、進撃ではヒストリアを推し、およそラブコメにおいて常に勝利と共にあった私が言うのだから間違いない。
※少し追記しました。
※以下、2~5派の読者は絶望に咽び泣いてしまうかもしれないので注意
「真の花嫁」とはすなわち、フータローと最終的に結婚するあのヒロインのことである。
彼女の正体を考察するにあたり、最も役に立つのはやはり、8巻でのキスシーンだろう。
この時、フータローとキスしたヒロインが真花嫁であると明言されているからだ。
つまり、フータローを(結果的に)押し倒したヒロインが誰かを推測していけば、自ずと結婚相手の正体にも辿り着けることになる。
まず、真っ先に候補から外れるのは二乃である。
彼女は他の姉妹と違い、フータローへの好意を直接的に伝え、今後も積極的にアピールしていくと公言している。
もし彼女がキスをしていたら、正体が自分であることを明らかにし、フータローを振り向かせる材料として使っているはずだ。
さらに、9巻でのバイト中に春休みの旅行を思い出す場面では、「色々あったけど、私がリードしてる……はず」と、まるで春休み中の出来事は自分に不利に働いたことばかりだったかのように独白していた。
リードしているかどうかも自信なさげで、明らかにキスまで持ち込んだ人間の反応ではない。
二乃派にはやや気の毒ではあるが、彼女はもうこの時点で敗北が決定しているわけだ。
長い間ご苦労様でした。
さて、次に可能性が潰えるのが四葉と五月だ。
これはキス直前の真ヒロインの行動から判断できる。
明らかにキスを迫っているというか、それ以外に解釈できない体勢だろう。
つまり、実際にキスにまで至ったキスキスうるせえなのは、フータローがすっ転んだことによる偶然の出来事だったとしても、彼女自身は最初から抜け駆けでキスをする為にフータローの所に1人向かったわけだ。
未だフータローへの好意を胸に秘めたままの四葉や五月はこのような行動を取るはずがない。
というわけで、悲しいかな、この2人も敗北決定である。うっうっ……もうね、涙がね、止まらないねえ。
さて、残るは一花と三玖のみ。
このどちらかが真の花嫁ということになるが、ここまでの描写で、私はこれは一花だと確信している。
この時点での三玖は、フータローが自分を見分けてくれたことで、あくまでも「フータローに好きになってもらえる自分になる」ことを新たな目標に据えた。
自分を磨く事でフータローを惹きつけようという長期的な視点を持つようになったわけだ。
独断で教師と生徒の関係を終わらせようとした焦りから脱却した直後に、皆に隠れてこっそりとフータローに近づき、あまつさえキスを強請るなどするだろうか?
三玖の性格を見る限り、考えられないと断言できる。
そう、簡単な話だったのだ。
あの時点で、抜け駆けしてフータローとキスをしようなどと目論みそうなのは姉妹のうち一体誰か?
言うまでもなく、旅行を通して「他を押し退けてでもフータローを手に入れる」決意をした一花だ。
彼女こそが、この作品の真のヒロインであり、フータローの将来の花嫁となる女なのである。
どうやら読者の中には、彼女が三玖に変装した状態で自身の好意を伝え、更に三玖にはフータローへの恋愛感情が無いかのように偽装した件に対して憤っている人間も多いようだ。
もし、一花が最終的に勝利すれば、彼らは怒りを爆発させるかもしれない。
だが、あんなものは大したことではないだろう。
恋とは競争なのであって、多少ライバルを出し抜いたとしても、責める方がおかしな話だ。
むしろ、そうまでしてもフータローを手に入れたいという想いの表れであり、微笑ましいものではないか。
加えて言えば、フータローと姉妹たちの「教師と生徒」という関係性のことを思えば、妹を陥れた事実すらも一花に優位に働くと言えるかもしれない。
少女のかわいらしい過ちとはいえ、妹を蹴落として騙し討ちのような手を取るのは褒められたことではない。
だからこそ、フータローは、彼女に教え、正しい道へ導いてやろうとするだろう。
彼はもはや姉妹たちの勉学のみならず、人生そのものにもコミットしようとしている(将来の目標まで見つけようとするなど)。
春休みの旅行をきっかけに一花(=真の花嫁)のことが特別になっていったのも、一花が五姉妹の中で最も「手のかかる生徒」になったからこそであろう。
まあもっとも、一花をバッシングしている一部読者たちは、フータローとは違って、少女の不器用な行いも受け入れられない器の小ちゃな坊や達だからこそ、大局を見失い、負けヒロインなんかを推してしまうのかもしれないが……。
そういう意味では、勝利陣営であるわれわれ一花派は、敗北者たちのルサンチマンを寛容の心で受け止めてやるべきなのかもしれない。
五等分の花嫁が終盤に近付き、一花の勝利が見えてくれば、ネット上には怨嗟の声が溢れるかもしれないが、一花派の諸兄には是非とも、負け犬共の吠え面を思いながら、温かい目で見てやって頂きたい。
好きなヒロインが常に勝利してきた私には想像もつかないが、推しヒロインが破れ果てるというのはきっと辛いことなのだろうと思う。