※以下、ネタバレ注意
==== 【アルミン】
明らかにもう笑いを堪えてるよね。
直前のジャンの言葉で正気に戻って、エレンの言葉の行動が真意では無いことに気が付いたというのもあるだろうけど、イェレナの披露した『ご宣託』のあまりのバカバカしさから、エレンがジークに本気で肩入れしている訳がないと確信したわけだ。
安心と、イェレナへの嘲りから思わず吹き出してしまったのを必死に誤魔化す為に泣きの演技を入れたのだろう。
さて、問題はここからだよね。
「エレンはわざとアルミンやミカサに辛く当たって見せた」事にさえ気が付けば、エレンの真意が「自分(とイェーガー派)が汚名を被る為に、大切な者たちを遠ざけようとしている」事にあることまで読み切るのはアルミンならば容易だろう。
すなわち、エレンの真の目的について やヒストリアが身籠ったのは、エレンの子供であるで詳しく書いたように、「世界の憎悪の対象をイェーガー派のみに向けさせることで、地鳴らしのカードをチラつかせながらも、エルディア王国と国際社会を和平にまで持ち込む」という計画だ。
エレン自身は一度地鳴らしを発動させた後は、悪役を演じたまま誰かに食われて死ぬことを想定していると思われるから、アルミンや仲間達の手によってその自己犠牲からエレンが救われることを期待したい。
【イェレナ】
急激に存在級位が凋落したな……。
底意の知れない女だった時は不気味な雰囲気だったけれど、全てが語られてしまうと、もはや道化にすら見えてくる。
アルミンが思わず笑ってしまうのも無理はない。
もっとも、「マーレに侵略された周辺諸国を『地鳴らし』の脅しで救いつつ、かといってマーレに報復するわけではなく、更に危険極まりないユミルの民を民族浄化する」というのは、彼女の立場からすればそう悪い選択という訳では無い。
無い、のだが。そもそも、その計画の必要不可欠な要素であるエレンが賛同しているとは到底考えられないというのが、イェレナが哀れに見えてしまい原因であろう。
【ピーク】
彼女としては、ヴィリー・タイバー……というよりマガト隊長の計画を信じたということなのかな。
パラディ島に「悪魔」の役割を押し付けつつ、自分達は「良きエルディア人」としての立場を確保し、そして今後マーレを牛耳るであろうマガト隊長ならそれを後押ししてくれる、と。
ただ、どうだろうな。
彼女が指さした「仲間」。
これがエレンをも指しているってことは考えられないかなあ。
ピークは非常に聡明なので、エレンがパラディ島も含めた全エルディア人と世界の和平の道を模索していることを、この時点で既に感じ取っていたみたいな。
うーん、さすがに高望みか。
【ジーク】
はてさて、エレンがジークを最初から裏切り、利用していると仮定して。
エレンの思惑通りに始祖の力を使うには、彼を無力化するか、協力させるかしなければならない訳だが、そこに関しては最終的にジークは弟に従ってくれるのではないかと睨んでいる。
ヒストリアが身籠っているのがエレンの子供だとすれば。
それは即ち、ジークの甥なのである。
そしてエレンが、ジークの憎んで止まない(あるいは、クサヴァーさんによって憎まされてしまった)グリシャとは違い、我が子の未来の為に戦っているのだと知らされれば。
果たして彼は、甥の未来を奪う世界を実現する意志を持ち続けられるだろうか。
私は非常に怪しいと思っている。
つまり、エレンがヒストリアの子供の出生の秘密を隠しているのは、悪名を被る自らとの親子関係から切り離すという狙いもあるだろうが、それと同時に、兄であるジークに対する致命的な切り札として伏せているからだろうと考えられるのだ。
【その他】
・ミカサが傷つけられるのを見ていなくて冷静だったのもあるだろうけど、一番エレンのことを理解しているのがジャンというのがベタながらも熱いよね。
・ジークとイェレナの真意を聞くまでもなく、この時点で既にオニャンコポンはハンジさんの間諜となってるようで。
・この様子だとやはりグリーズは「エルディア人を安楽死させる」ところまでは聞かされていたんだろう。
・ただ、ニコロから毎晩サシャの話を聞かされるストレスは解らないでもない。
・ポッコおるやん。