虎杖だけ生かしときゃいいんだオラ!
ガッデム! 五条は獄門疆に封印してやるっつってんだろがオラ!エー!
I am Naitsusha! I am Yagaだオラ!エー!
※以下、ネタバレ注意
【楽巌寺 嘉伸】
既に明らかな事ではあったけど、やはり楽巌寺学長は悪い人間ではなかったな。
こうなると、彼が虎杖を殺す為とはいえ、無関係な伏黒や釘崎さんまで死地に追いやったとはちょっと思えないよね。
少年院の一件が保守派の画策だというのは五条先生の被害妄想で、実際には(偽)夏油の協力者が伊地知に命じてやらせたことだった、と。
協力者というかまあ夜蛾だけど。
結局のところ、第18話の感想で 書いたように初登場時の五条先生とのやり取りは、
「はて、その節とは(心当たりはいっぱいあるけどどれのことじゃろ?)」
「とぼけるなよジジイ。虎杖悠仁のことだ。保守派筆頭のアンタも一枚噛んでんだろ」
「(は? あれワシじゃねえし。何やコイツ決めつけやがって腹立つわあ)やれやれ最近の若者は……」
とうのが正解だったわけか。
交流戦で虎杖を謀殺しようとしていたのは事実だが、(33話の感想で言及したけど)楽巌寺学長自身が語っているように、もし宿儺が暴走するようなことがあれば多くの無辜の民が犠牲になりかねないのだから、この判断には正当性があるよね。
しかも、宿儺が暴走した場合の対応策は「担任である五条悟が何とかする」である。
これはあまりにも心許ないだろう。
まず、万全の宿儺は呪術全盛の時代の呪術師が総力を挙げても敵わなかった程の強さであり、例え一部の力しか取り戻していなかったとしても、五条先生が勝てる保証はないのだ。
そして、そもそも抑止力となるはずの五条先生が信用できない。
この男ときたら、呪術協会上層部が「塞き止めていた力の波」が押し寄せる事によって、呪術師のみならず呪霊すらも強化されつつある状況を喜んでいたのである。
それはつまり、五条悟の中での優先度は、
「呪術師の進化>呪霊による犠牲者の減少」
であることを意味する。
もし仮に宿儺が暴走して無辜の民が危険に晒されたとしても、一般人の犠牲を許容してでも虎杖救出を試みようとする可能性は大いに考えられる。
楽巌寺学長が虎杖を始末しようとするのも、無理からぬ話であろう。
【五条 悟】
そしてこの男よ。
マジで一体どんな過去があったのか知らないが、上層部への不信感でもはや疑心暗鬼になってるよね、この人。
楽巌寺学長が真っ当なご老人だと判明した今、五条先生の学長に対する振る舞いを見返すと、信じられないくらいの無礼さで眩暈すらしてくる。
そりゃあ、嫌われる訳だわ。
頭おかしいもん、完全に。いや、今更の話だけど。
思えば0巻(呪術高専)の時も、折本里香の完全顕現の落ち度(しかも実際には故意に五条先生が顕現するよう誘導している)を糾弾する上層部にめちゃくちゃ失礼な態度を取ってるんだよね。
しかも、この人達は五条先生の「乙骨の死刑を猶予し、高専に預ける」という建言を受け入れているのだから、楽巌寺学長ら保守派よりも五条に好意的なのである。
そんな上役達にすら馬鹿にしたようなこの態度。
何というか、死柄木じゃないけど「子供大人」なんだよなあ。
自身の絶大な力を背景に、大抵の事は脅迫で思い通りに動かすことができるから、「対話」や「議論」といったものを軽視する傾向にあるよね。
楽巌寺学長との関係にしたって、それこそ炭治郎のように、「宿儺は暴走させない。もし暴走したら必ず自分が始末し、責任を取る」と真摯に訴えていればきっと状況は違っていただろう。
だが、彼は最初から上層部の老人達を「若い芽を摘もうとする悪党ども」と決めつけて、端から喧嘩腰の態度しかとれない。
言うなれば五条先生という人間は、ネットで「高齢者は若い世代から搾取している!」と世代間闘争を煽ってるような、よくいる未熟な若者に過ぎないんだけれど、その気になれば全てをぶち壊しにできる圧倒的な暴力を所持してるのがタチが悪い。
パンダ曰く、楽巌寺学長も「上層部」に数えられる人間ではあるようだが、現実には彼の思惑とは外れて、五条先生の提言通り「虎杖の死刑執行猶予」の案が通っているわけで、学長の率いる「保守派」は協会の主流派ではないのだろう。
「五条の我儘」に屈した上層部主流派は(気の毒に)五条本人からも嫌われているが、それと同時に保守派から見ても「腰抜け」に映るのかもしれない。
あと、五条先生ってどうもやっぱりその他大勢の命を軽視しているところがあるよね。
夏油のように「非術師は皆殺し」なんてことは考えないにせよ、「優秀な呪術師が育つ為ならば、有象無象の犠牲は仕方がない」という価値観が滲み出ている。
そうでなければ、下手すれば多くの人間が危険に晒されることを承知の上で、折本里香を完全顕現させたり、虎杖に宿儺の指を気軽に与えることなど出来やしない。
もちろん、呪霊が強化されている状況を喜ぶことも。
普通の呪術師にとって、目的はあくまでも「呪いから世の中を守る」ことであり、「強い呪術師を育てる」ことはその手段に過ぎないはずだ。
だが、五条先生の中では「強い呪術師を育てる」ことそのものが目的と化しており、1人だけ「魔術協会から来たんかお前?」と言いたくなるようなメンタルをしている。
やはり、この五条 悟という男こそがこの呪術廻戦という作品のラスボスになるのではないかと、そんな気がしてならないのであった。
(【呪術廻戦】五条悟ラスボス説)
【夜蛾 正道】
今夜の主役はお前じゃ夜蛾コラァッ!!
グダグダグダグダ良い話風に語ってやがったが、結局宿儺を復活させる為に虎杖に手を出させないようにしたいだけだろうがコラ!
あと言ってる内容も漠然としてていまいち入って来ないんだよコラ!
その他大勢が死ぬかもしれない問題は、学生が後悔を積み重ねる云々の話じゃ解決してねえだろうがコラ!
完全に心にも無い言葉で楽巌寺学長を説得してるから何だかよく解んない内容になっちゃってんだろがコラ!
少年院の件では伏黒と釘崎をあわや惨殺される一歩手前まで追い込み、今回の襲撃も東京校はともかく宿儺と接触が無い京都校の生徒は普通に花御さんに殺されてもおかしくなかったんだぞコラァッ!!
己の目的の為に見殺しにしようとした生徒達が、束の間の青春を謳歌する姿を見て、お前は何も感じないのか!?
生徒の命を何だと思ってる!? お前の血は何色だ!?
答えろ! 夜蛾ッ!!
夜蛾あああああァァァッ!!
【その他】
・「学生時代の不完全燃焼感は死ぬまで尾を引く」
・これ、五条先生と(故)夏油に刺さりそう。
・ガッツリ引きずったまま大人になっちゃった五条や夏油よりも、案外東堂の方がまともな人間になるかもね。
・慣習を軽視し、話し合うことも無く一方的に破っていくという全くらしい振る舞い。
・釘崎はん、最近妙に乳が強調されてません?
・真依ちゃんの反応、最初はスッとぼけてるだけかと思ったんだけど、「次から次へと」が西宮の事を指しているとしたら、もしかして本気でピッチングマシーンの存在を知らずにメカ丸が操ってると思ってる?
・「まがりなりにも高専生かよ」は、一般的に高専は理系のイメージが強いから、ピッチングマシーンの仕組みも解らないのはどうなんみたいな意味合いかな。
・呪術に囲まれて育ったお嬢様育ちだから、機械に弱いという設定はいかにもありそうだしね。
・本編ではあんま印象無かったけど、真希さんもやっぱ何か東堂に迷惑かけられてきてるのか。
・今どうにか封印しようとして頑張ってます。
・先週の話だけど、宿儺の指が盗まれたことについて、「虎杖に食わせるため」という所に五条先生が辿り着けていないのにちょっとビックリした。
・少年院の一件を保守派の仕業と決めつけたのもそうだけど、虎杖が宿儺の器となったことは「謎の呪霊と呪詛師の組織」とは全く無関係だと今でも思ってるのね。
・まあ、経緯が経緯だし、仕方がないが。