ドンキホーテ・ファミリーは百獣海賊団の下部組織だったんじゃないかという話。
※以下、ネタバレ注意
百獣海賊団とドンキホーテ・ファミリー。
この2つの組織は単なる取引相手というだけではなく、同一の組織だったのではなかろうか。
根拠の一つとして、両者共にトランプに関係した通名を使用していることが挙げられる。
もちろん、エースがかつて率いた一味の名前が「スペード海賊団」だったように、トランプに由来する名称この2つの組織特有のものではないとはいえ、わざわざ関係の深い組織同士で共通する名称を使っているのは、何かしらの意味があると考えた方が自然だろう。
もし、ドンキホーテ・ファミリー幹部の通名が百獣海賊団由来のものだとすれば、ローが加入した16年前よりも以前から彼らは関係が深かったことになる。
当時のファミリーは北の海を拠点としていたとはいえ、悪魔の実の取引すら行い、北の海の闇とも深く関わり、既に海軍本部大将から目を付けられていた。
まだ今ほど巨大な勢力ではなかったであろう百獣海賊団と繋がりがあっても何ら不思議ではない。
ドンキホーテ・ファミリーが百獣海賊団の下部組織であったとすれば、一つ謎が解けることがある。
それはドフラミンゴの「若様」という敬称だ。
若様という敬称は、名家の跡取り息子に対して使われるのが一般的である。
その意味では、天竜人であったドフラミンゴがそう呼ばれていても不自然ではないようにも思われるかもしれない。
しかし、ドンキホーテ・ファミリーは最高幹部も含め、あくまでもドフラミンゴ個人に仕えているのであり、先代のホーミングに対しては何の義理も持っていない。
また、ドフラミンゴ自身も父親のことを憎んでおり、己が父の後を継ぐ存在であることを強調するような呼ばれ方を好むとは到底思えない。
ドフラミンゴが若様と呼ばれているのは、ドンキホーテという「家」とは無関係だと考えるべきだろう。
では、彼は一体いかなる理由で若様と呼ばれていたのか。
未だ作中でも明かされていない大きな謎であるが、これは実はカイドウとの関係から発生した敬称だと考えれば筋は通る。
ここで言う「若」とは、いわゆる「若頭」のことではないだろうか。
つまり、ドフラミンゴはカイドウから将来の跡継ぎとして見定められた、百獣海賊団のNo.2と言える海賊だったのである。
それならば、ジャックがゾウへの襲撃を中断してまでドフラミンゴ救出に急ぎ、また、センゴク元帥・藤虎・おつる中将がいることが分かってなお、命懸けで奪還を試みたことにも説明がつく。
カイドウとも「最強の海賊団を作ろう」という夢を語り合っていたらしく、これなど完全に単なる取引相手の領分を越えている。
自身も百獣海賊団の当事者でなければ、この台詞は出てこないはずだ。
要するに、ドフラミンゴは百獣海賊団の将来の跡継ぎと見込まれて(まさにドフラミンゴがローを将来の右腕と見込んで鍛えたように)「ジョーカー」という特別な名を貰い受け、百獣海賊団の若頭であると同時に、二次団体としてドンキホーテ・ファミリーを運営していたわけである。
そう考えれば、ピーカの兜とキングの仮面の外観が似ていることも偶然では片づけられまい。
コラソンが死んだ13年前から、ドレスローザを乗っ取るまでの3年間に、上部組織の最高幹部であるキングへの敬意を込めて、現在のような兜を誂えたと見れば面白いのではなかろうか。