ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

【呪術廻戦】田舎ディス・高齢者ディスは芥見先生の呪いではない?

 わ、私は……。
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第31話『また明日』(週刊少年ジャンプ46号)感想はこちら

※以下、ネタバレ注意

 順平本人こそ最期まで理解しないまま逝ってしまったものの、「外村先生はそれほど悪い教師ではない=順平の見方はバイアスがかかったものだった」、という事実が明かされ物語に幕が引かれた。

 
第25話 固陋蠢愚の感想で書いたように、私はそれまで積み重ねられてきた田舎ディスや高齢者ディスの件で芥見先生の倫理観をこれっぽっちも信用していなかった為、吉野順平の教師に対する偏った考え方は、完全に作者が自分の呪いを代弁させているものと確信していた。

 これに関しては、私の不見識を改めてお詫び申し上げたい(まあ今でも虎杖が往来でズボン脱がして奪い去ったのはやり過ぎだと思うけどな!)

 
 さて、芥見先生の代弁かと思われた教師ディスが、実際には順平の狭隘な見方として描かれていたことが判明した以上、同じく作者の呪いとしてこれまで考えられてきた田舎ディス・高齢者ディスについても、実は作中是ではないと考えるべきかもしれない。

 つまり、順平が外村先生に対して一方的な見方をしていた事が描かれたように、呪術協会の「老害」を憎む五条先生や、「田舎」に毒づく釘崎さんも、単に偏った考えに凝り固まっていたに過ぎないことが、後々語られる可能性が生まれたわけである。

 悪役にしか見えなかった呪術高専京都校学長 楽巌寺 嘉伸も、実はそれほど悪い人間ではなかったことがいずれ明かされるのではないだろうか。
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 実際のところ、伊地知に命じて一年生達を上級呪霊が発生した少年院に行かせた上層部の人間真の目的は、五条先生が考えているような虎杖の謀殺などではなく、夏油(仮)と共謀して宿儺の実力を試す事だった事はほぼ確実と言っていい。
参照:
【呪術廻戦】ホンモノの夏油傑は既に死んでいる説

 少年院の件が楽巌寺翁の差し金というのも、現状では特に証拠が無いにも関わらず、五条先生が一方的に決めつけてかかっているに過ぎない(何しろ伊地知から実際に指示を出した人間の名前すら聞き出していない)。

 五条先生は圧倒的な戦闘能力の高さが故に、その言葉にも有無を言わさぬ説得力があるが、冷静になって見てみると、彼の振る舞いには危うい面が多々ある。
参照:【呪術廻戦】五条悟ラスボス説

 五条先生の呪術協会上層部に対する評価が正当だとは全く限らないのだ。

 若く才気に溢れた人物が、自分たちの行動の邪魔になる保守的な上の世代を憎み、「老人は悪だ! 組織改革が必要だ!」と鼻息荒く短絡的な行動に出るのは世の常であろう。
 そして、(基本的には)若いジャンプの読者が、五条先生のような人物に魅了されてしまうこともまた、致し方のないことである。

 芥見先生はそこまで見越した上で、社会の中間組織、あるいは共同体といったものが、それほど単純に善悪で割り切れはしないことを読者に伝える為に、呪術協会と五条先生の関係性を描いているのかもしれない。