今の夏油は真っ赤な偽物で、呪術協会上層部と通じてるという話。
【関連】
※以下、呪術廻戦・高専とついでにガンダムUCのネタバレ注意
私がこの考えに至ったのは、第25話での彼の振る舞いを見てからである。
夏油 傑という男は、呪術師のことを人間を超えた高位の生物だと考えており、非術師を皆殺しにすることを目的としていた。
反面、同胞である呪術師のことは大切に思っており、例え敵であろうともなるべく殺さないよう気を遣う性格である。
にも関わらず、里桜高校の事件では、『呪霊の分際で』大事な呪術師を弄び殺害しようとする真人の計画にニヤつき、呪術師が殺されようとしているのにほとんど関心を示さずに退散している。
これは、夏油の思想と反するものであり、彼の行動原理を揺るがしかねないものだ。
思うに、本物の夏油はやはりあの時、五条先生の手によって亡き者にされており、今いる彼は夏油を騙る偽物ではないだろうか。
夏油を崇めるが故か、単に彼の名を利用しようとしているだけなのかは分からないが、この人物は夏油と思想を一にはしておらず、その為あっさりと呪術師を見殺しにするという行動に出たのだ。
例えるならば、アーロンとホーディのようなものだ。
ホーディはアーロンを尊敬し、その後を継ごうとしていたものの、例え対立するものでも同胞には決して手を出さないアーロンの信念は軽視した。
この偽夏油もホーディと同じく、多少呪力を持っただけの吉野順平が殺されようとも、何とも思わないような人間なのである。
デスノートのニア風に言えば、チープ夏油とでも呼ぶべき存在だろう。
では一体、このチープ夏油は何者なのか。
彼の姿は非術師の目にも見えているので、考えられるとすれば、「整形」「夏油の死体に呪霊が取り憑いている」「夏油の形をした人形に呪霊が取り憑いている」といったところだろうか。
正体が呪霊だとすれば、「呪霊の分際で」と見下すような発言をしていたことから、自身も呪霊だという自覚が無いことになる。
夏油の怨念から発生し、そのまま彼の死体に宿ったことで自分が本物の夏油 傑だと思い込んでいる一般呪霊というのも考えられる(少し違うがネウロのHAL-Ⅱのように)。
また、あるいは生きた人間が肉体改造で夏油の姿を真似ているとすれば、真っ先に思い浮かぶのは彼の部下たちだ。
元々夏油の目的に共感していたのだから、彼の遺志を継ごうと考えることは大いにあり得る。
もしくは、夏油とは関係の薄い人間が、彼のネームバリューを利用しようとして騙っているのかもしれない。
ここで思い出して欲しいのは、少年院での一件である。
あれはチープ夏油が宿儺の実力をみる為にわざと引き起こした事件だった。
しかし、少年院に宿儺(の器の虎杖)を向かわせたのは他でもない呪術協会の上層部(と伊地知)だ。
協会上層部の動きが無ければチープ夏油の目的は達せられない。
他の呪術師が派遣されて、貴重な指を一本失って終わっていただろう。
このことから、呪術廻戦の雑感想まとめや第18話『底辺』の感想で書いたように、チープ夏油と協会上層部(の一部)は協力関係にあると考えられる。
何が言いたいかといえば、チープ夏油を作り出したのは呪術協会ではないかということだ。
ジオン共和国の閣僚がネオ・ジオンをまとめる目的でシャアを模したフル・フロンタルを生み出したように、「呪術師による世界の支配」という夏油の思想に密かに共感する(あるいは全く別の策謀で)協会上層部の人間がチープ夏油を造り、駒として動かしているというのはどうだろう。
いずれにせよ、今回の行動でチープ夏油は馬脚を現した感はある。
特に夏油の親友であった五条先生には、夏油を騙るなど決して許せないことだろうから、ろくな死に方はできなさそうだ。
※追記
チープ夏油の正体は夜蛾学長が作った呪骸ではなかろうかと考えるようになった。