ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

映画『ブリッジ・オブ・スパイ』感想

 いやあ、面白かった。
 特にスピルバーグファンというわけでもないのだけど、やはり天才なのだと改めて思わされたなあ。
 新年一発目からこんな傑作が見られて大満足。
 
 100点満点中90点


※以下、ネタバレ注意
 トム・ハンクスは安定の演技なのだけど、ルドルフ・アベル役のマーク・ライランスがまたいい味を出していた。
 後半からはドノヴァン弁護士によるベルリンでの交渉に舞台が移るので、2人の交流にそれほど多くの尺が割かれているわけではないのに、信頼関係やお互いへの尊敬がしっかりと伝わってきたのはさすが。

 当初は、ドノヴァンの子供たちが学校で虐められるといったエピソードも入れて、もっとドノヴァンの葛藤に焦点を当ててくると予想していたのだが、その辺りは割とあっさり流してきた印象。
 しかし、これが大正解で、必要以上に暗くなり過ぎることなく、重いテーマながら終始爽やかな気持ちで鑑賞することができた。
 合間合間に挟まれるユーモアもキレッキレで、劇場から度々笑いが漏れていた程。

 アベルKGBから抱擁されることなく後部座席に座らされる場面は心憎い。
 最後に字幕で彼の疑惑が晴れたことがわかったときはホッとさせられる。


 東ドイツソ連の意向とは独立した行動を起こしていたのは意外。
 てっきり、完全な傀儡国家なのかとばかり思っていた。もっとも、今作の舞台はドイツ分割直後くらいだろうから、ここからだんだん主権を失っていくのかもしれない。

 東ドイツ兵がナチスドイツ時代の軍服をそのまま着ていたのにもちょっと驚いた。