改めてみると逆転裁判4もそんなに悪くなかった。
4の印象が悪い最大の原因は、ナルホド君がやさぐれていたせいだろう。しかし、そこを覚悟したうえで全編見直してみると、意外と4も面白いじゃないかと思えた。
さすがは巧舟シナリオだけあって小ネタは豊富で笑えるし、この辺は逆転検事の脚本では敵わないなと改めて感じさせた。
ただ、あくまでも「当時の印象よりは良かった」というだけで、ナルホド君のことを除外したとしても、逆転裁判1~3までと比べると、やはり一枚も二枚も落ちる。
(やさぐれナルホド君を抜かした場合)最大の難点は、ライバルである牙琉検事のキャラだろう。
彼は最初から「真実を明らかにする」ことを信条としており、「何がなんでも有罪を勝ち取る」という姿勢だった過去のライバル検事とは一線を画する。
しかし、これがよくなかった。
逆転裁判シリーズの面白さの一つは、真犯人や生意気な証人、そして検事をやり込めることにある。
だが、牙琉検事は勝ちに拘っておらず、それどころか最初から真相を見通している場合すらあり、こちらが状況を引っくりかえしても、ほとんど動揺しない。
身内が真犯人だった3話や最終話などで多少は動揺する場面もあったが、それも長くは続かず、すぐにこちらに協力してくる。
そのせいで、『逆転』のカタルシスが得られないのだ。
真犯人を追い込む爽快感がその分をカバーしてくれるのなら、それもありなのかもしれないが、残念ながら4ではそれはできていなかった。
余裕面の牙琉検事を残して、もやもやした気分のまま終わってしまう。
検事シリーズではその反省もあってか、ライバルを敵対的なキャラに戻していたが、それが正解だろう。
その他にも、「みぬく」の面倒くささや強引さ。クライマックスでのエセ裁判員制度による不条理。浅すぎるラスボスの動機と間抜けな自滅。理解しがたいザックの行動。唐突で説明不足なラミロアさんの過去。など、悪い部分は多々あるが、この牙琉検事の問題がなければ、随分と印象は変わっていたんじゃないだろうか。
逆転シリーズで最も重要なのは、やはり解決後の爽快感なのだと思う。
というわけで、簡易的に4を振り返ってみたところで、5のプレイに入りたい。
5の感想は1話ごとに書いていこうと思っている。