UN-GO 第11話 「私はただ探している」(最終回)
あ、悪が栄えたままじゃね……?
【海勝麟六の目的】
イカレてやがる。
これまで散々捏造や陰謀を繰り返してきた動機が「日本の独立の為」とかならまだ容赦も出来ようものを、よりにもよって「いつか国境などなくなるという夢を見ている」だと……。
電力事業国有化を潰そうとしているのは、太陽熱発電事業を他国で展開する為。
マイクロウエェーブ送信の技術開発によって、それを各国に送る。
速水の言うように「電力を他国に頼るなど」ですよ。
まあ速水の場合、はお前はそんなこと言えるような立場じゃないだろと言いたいですが。
戦争に協力していたのも、日本が敗戦し、賠償として各国に技術提供を申し入れる羽目になることを見越してだったとは。
何という売国奴。というか狂人だな。
【戦後賠償】
この「賠償」というのもよく分かりませんけどね。
日本が戦っていたのはテロ勢力なわけで、一体どこの国に賠償するんだ?
そのテロ勢力を支援してきた某国家なんでしょうか。
しかしなあ。敗戦といっても国土を占領されたわけでも、条約に署名したわけでもないでしょうし、一体どういう経緯でテロ支援国家相手に賠償することになるんだ。
というか今の政府には「連合国」とやらがバックについているはずで、この連合国がそんなこと見過ごすわけが……。
もしかして、自分が勘違いしていただけで、戦争の相手はこの連合国なのか?
某紛争国家への大規模派兵を決定したことで、この「連合国」を敵に回し、この連合国がテロ勢力を日本国内に送り込んだ、ということ?
しかし、内戦状態にあるような国家を含む「連合」が日本に傀儡政権を作るほどの力を持っているのだろうか。
そもそも、実際に戦っていたのはテロ勢力相手なんだから、それを支援していた国々に賠償なんてする必要がないよなあ。
「事実上の」賠償というだけ、とか?
んー。この作品の世界情勢は現実と全く違うみたいですね。もし戦争の相手が連合国だとしたら、この連合国にアメリカは含まれてないってことだしなあ。
「戦争」の具体的な中身が明らかにされていないので、よく分かりません。
【速水】
しょーもなっ。
まさかこんなどうでも良い理由で事件を起こしているとは思わんかった。
虎山検事の気を引きたいが為にとか。
これなら水野や倉満議員の方が動機としてはよほどマシだわ。
国益の為に海勝を失脚させようとしていたわけですし(実際海勝は国を売り渡す真似をしていますし)。
まあ、その為に海勝に反対する政治家や評論家を殺したのは色々とダメ過ぎますけどね。
海勝に化けた速水を暴く中で新十郎が「案外抜けてるんだなあ、警察庁」と言ったことから「ん? そうか、警察庁が海勝を排除しようとして、そして速水に実行させたわけか!」と思った自分がバカだった。
「これまで間抜けな行動をしていたのは見せかけで、本当は警察庁からこういう陰謀工作を任せられるほどの腕利きだったんだな」とすら思ったのに、やっぱり最後まで間抜けなキャラでした。
【真相】
別天王の能力に気を取られすぎていて、海勝爆死がこういうトリックを使ってるとは全く思ってなかったぜ。してやられました。
運転席にいた水野が既に死んでいたということは、あの車は自動運転だったのかな。
まああの世界なら自動運転くらい開発されていてもおかしくはないか。
曲がり角で不自然に止まって再発進したのもそのせいだったのね。
しかし、死体が本当に身元不明の者だったとは。行き倒れとかある世界観なんだ……。
先週、風守が言いかけた監視カメラに映ってた後ろ姿はADのものだったのか。ADの格好とは気づかなかったのでただ変装で帽子被っていただけだと思ってました。
速水、倉満、水野がグルということ自体はまあ先週の段階でだいたい明かされていましたね。
別天王の持ち主が水野というのは分かりやすすぎたのでミスリードかと思っていたんですが、そのままでした。
速水もフルサークルのメンバーなのかな、と思っていたんですが、彼だけ完全に私欲で動く犯人だったとは。
あと、水野の部下である三原保太郎が海勝に協力していたとは想像もしていませんでした。
しかし、水野は「検察か海勝の個人的な記録にでもアクセスしないかぎり知るはずのない事件」のことをあんな風に新十郎に語っていたのか……。何という無能。そりゃ部下にも怪しまれるわ。
【別天王】
神ではなく、御魂のなり損ないの言霊。
世良田や因果が勝手に神だと思いこんでいただけだったのか。
とはいえ驚異的な力を持っているのは事実ですが。
御魂のような存在だったから、冒頭で因果にその一部を与えていたのね。
「声をきかなかったり姿も見えなかった者に対して幻想を共有させることはできない」そうですが、しかしじゃあ因果論の屋台街での出来事は……。
世良田の声をあの場にいた全員が聞いてはいないよなあ。自分の思い違いなのかな。
因果の中で「生きよ、堕ちよ」と囁き速水を救ったのは、彼に情が移っていたんでしょうか。
【最終話】
正直な話、数々の悪行を犯した海勝会長と虎山検事は打ち倒されて終わってほしかったです。
巨悪が残ったまま終わってしまったのでいまいち釈然としないものが。
海勝梨江も結局はそんな父親を受け入れるんだ……。
最後の事件もあまりにも犯人の動機がしょーもなさ過ぎて拍子抜けさせられました。
海勝の死の偽装は完全意表を突かれましたが、犯人自体は分かりやすすぎたので驚きもなかったですしね。
戦争の詳細や世界観も、もうちょっと教えてほしかったなあ。
今のままだと全く訳が分からないですから。
まあ、とはいえ全体的に見れば面白かったですし、話もよく出来ていました。
特に、5話は神回だったと思います。
スタッフの皆さんお疲れ様でした。
出来れば戦争の詳細、海勝との全面対決などを描いた2期が欲しいところですけどね。