輪るピングドラム 第23話 「運命の至る場所」
難解。そして分からないことが多すぎる。
【荻野目桃果】
運命を乗り換える呪文を使い、サネトシを世界から追放しようとするも、サネトシにシールを貼られたことで呪文は半分で終わってしまう。
どうしてサネトシの企てを知ったのか、とかは、時籠さんが死にかけてることを知っていた時にも説明されなかったので、深く考えるべきじゃないのかな。
一度サネトシのテロが成功した歴史を経験して、それを阻止する為に戻ってきたとか? ううん。
それとも後述するように、運命日記に書かれていたことが未来予知なのだとすれば、それで知っていたとか。
13話で匂わされていましたが、やはり帽子様の正体はモモカだったようです。正確には呪文を唱えたことでモモカが2つの帽子に別れたものの一つですが。
帽子様とモモカの性格が違うのもその為かな? でも、ヒマリに取り憑いている時の帽子様と、今週喋った帽子様も性格が違うよなあ。本来のモモカに戻ったのだろうか。
さて、モモカから別れたもう一つの帽子は、マリオに取り憑いていたやつでしょうね。
しかし、マリオの命はサネトシが握っている様子でした。なぜでしょう。
これはおそらく、13話で描かれた中央図書館 空の穴分室で走り回るモモカのような少女が関係しているのではないかと。
つまり、モモカの片方はサネトシによって握られてしまったのではないかと思います。今週サネトシが言っていたように「呪いの中に閉じこめ」た。
それにより、サネトシは自分の魔法に加えて、モモカの力も使えるようになり、その力でマリオを生き返らせたのではないでしょうか。
【渡瀬眞悧】
ペンギン帽子になったモモカに対して、二匹の黒兎に別れたサネトシ。
じゃあ、今のサネトシは何なんだという疑問が浮かびますけどね。これは分かんないです。作中で説明もされない気がする。
自分のことを呪いのメタファーだとか言っていましたが、どういう意味だろうね。
あの世界の呪い(透明になった子供達とか)を彼一人に表現したということでしょうか。これはサネトシというよりスタッフの意図としてですが。
作中の設定としても、サネトシにはそういう透明な子供達の怨念が宿っているんじゃないかと。
黒兎達の「僕は何者にもなれなかった」「いや僕はついに力を手に入れたんだ」「僕を必要としなかった世界に復讐するんだ」「やっと僕は透明じゃなくなるんだ」という台詞からもそれが伺えますよね。
サネトシ自身は、鷲塚先生の助手をやっていたように「透明」になっていないですから、「ある朝、気がついたんだ。僕はこの世界が嫌いなんだって」の「ある朝」、子供達の呪いに取り憑かれたのではないかと。
【ピングフォースは何がやりたいの?】
そこでサネトシは、世界を壊し、子供ブロイラーも壊そうとし、それに高倉夫妻らが賛同、組織化していったのだと思われますが……。
しかし、彼らは具体的にどういう計画を持ってるんだろう。
地下鉄や国会議事堂など主要機関をテロで爆破しようとしているのは分かりますが、それがどう「世界を壊す」ことに繋がるんだ。世界=現在の日本社会なんだろうか。
でも、あの程度じゃ社会を壊すことも出来ないと思うけどなあ。
具体的な計画があるわけではなく、単に狂信的な思想に染まって、狂ってしまっているんでしょうか。
サネトシ自身はただ暴れたいだけで。
そうすると、理不尽で不公平な世界も終わらず、新しい世界なんて来ないですけど、カンバはどういう風に納得してるんだろ。
【運命日記】
日記のどこかに運命の乗り換えをする呪文が書かれている。
モモカが呪文を唱える姿からは、全ページに少しずつ書かれているように見えましたが。
完全な形にならないと呪文は見えないみたいですが、その完全な日記を何年も見てきたリンゴは、日記に呪文など書かれていなかったと言う。
夏芽さんが手に入らなかった半分を「肝心」と言ったのは、自分が入手した方には呪文が書かれていない為、もう一方に書かれていたんだと誤解したからみたいですね。
しかし実際はどちらにも呪文は書かれていなかった。
今週でどちらの日記も焼失してしまいましたが、帽子様(ももか?)はどうするんでしょう。
というか、これまでずっとモモカが実行してきた日記の内容は結局何だったんだろう。
『ここに世界の運命を書く。ここに書かれた未来が真実になるとき、わたしの大切なものは永遠になるだろう』という文言も謎だし。
日記の内容自体は単なるモモカの妄想で、意味はないとか?
ああでも、時籠さんがリンゴをレイプしかけた時に「全てはモモカの日記に記されていた通り」とか言ってたよなあ。
「あなたにはモモカになってほしいの」という台詞からして、日記の本来の内容は「モモカがゆりと肉体関係になる」ということなのだと思いますが。
ううん、多蕗の子供を妊娠するというのもだけど、そんなことを小学生時分のモモカが書くか?
それともモモカの願望が書かれていたわけではなく、「モモカがサネトシと共に消えなかったら訪れていたはずの未来」が書かれていたのだろうか。
つまり、予知であってそこにモモカの意志は介在していなかったと。
その予知通りの未来になれば、世界が壊れることもないから、『ここに世界の運命を書く。ここに書かれた未来が真実になるとき、わたしの大切なものは永遠になるだろう』という文言を残した、とか。
別にリンゴに自分の代わりをやらせるつもりはなく、訪れるかもしれない未来をただ書き残しただけのことなのかな。結果的にその未来は訪れなかったけれど。
つまり、運命日記の内容は、「あったかもしれなかったモモカの幸福な未来」だったのではないかと思います。
だとすれば、そのままモモカが大人になっていれば多蕗と結ばれて、一方で時籠さんとも関係を結ぶという波瀾万丈な人生が待っていたことになりますが……。
テディの爆発でリンゴがほぼ無傷だったのはご都合主義なのか、日記の加護とかなのか。
【夏芽冠葉】
ショウマを本物の銃で撃つようなことはしなかったものの、「ずっとこうしてやりたいと思ってた」というのは本音も入っているんでしょうね。
ヒマリはショウマを運命の人だと思っていたので、カンバはショウマに嫉妬していたんでしょう。
そういえば、ヒマリはいつショウマに関する記憶を失ったんだ?
彼女だけは自分が本当に高倉家の人間だと思いこんでいたようでしたが。
子供ブロイラーから救われた時か、それとも高倉家に引き取るにあたって両親が「忘れ玉」を使って記憶を消したのか。
どちらにしても、ヒマリがショウマを運命の人だと思っていることをカンバは知ることができないよなあ。記憶を消したのはもっと後なのかな。
マサコから「世界も運命もフーディーニの魔法で変えることなんて出来ない」と言われていましたが、フーディーニが何か分かりません。なので検索。
神話の妖精か何かだと思っていましたが、どうやらアメリカの奇術師みたいです。
サネトシを奇術師に例えたわけか。
ラストにショウマと同じく箱(というか檻)に入っていたことが判明。
仲良くなったきっかけはこれだったのか。
しかし、これは一体何が起こってるんだろう。何かの比喩なのか、それとも企鵝の会の儀式とかなのか。
【あと1話】
果たして数多く残った謎はどれくらい解明されるのか。
せめて第36次南極環境防隊衛とピングフォースの関係、爆弾テロを通してどうやって世界を変えるつもりなのか、くらいは明かして欲しいところですが。