UN-GO 8話感想の答え合わせと1話の事件捏造について
因果論を観たことで、8話で謎だった事柄が色々と明らかになったので、考察の答え合わせというか修正をやってみたいと思います。
それと、ずっと疑問だった1話の事件についての考察なども。
※episode:0 因果論のネタバレ注意
【大野妙心】
大野妙心(実際は世良田蒔郎)こそがラスボスなのかと、書きましたが、なんと彼は既に死んでいたとは。
EDに登場しているのは、単に結城新十郎(まさか偽名だとは)の過去に大きく関係しているからなんでしょうか。
こうなると、OPにもEDにも出ていない新キャラがラスボスになるとは思えないので、海勝会長がラスボス的ポジションになってくるんでしょうね。
【別天王】
因果論の感想でも書きましたが、彼女が大野の新興宗教の教祖だったとはなあ。
神そのものを教祖として表に出すとは世良田も中々大胆です。
8話で『しかし、この作品もピングドラム並みにリアルとファンタジーの境界が不明瞭です。因果の能力やベッテンノウの存在は受け入れられてるんですね』と書いたことについても、映画で納得できました。
虎山検事や速水課長は、大野妙心の不思議な能力を目の当たりにしていたからこそ、「超常の力」の存在を認めていて、別天王や因果の能力をすんなり受け入れていたということのようです。
その別天王は大野のところに戻ったわけではないことが分かりましたが、ではまた別の人間に取り憑くことにしたんでしょうか。
だとしたら、なぜ自称・小説家に見切りを付けたのかな。因果に御魂を吸われたのが原因?
そもそも、彼女が人間に取り憑いて、彼らに力を貸している理由が分からないんですよね。代わりに別天王は何を得ているのでしょう。
速水は別天王が消えたことを海勝会長の仕業だと疑っていましたが、既に別天王を手に入れたのならば小説家の独房にやってくる必要はないわけで、彼女の失踪に海勝は関与していないと思います。
世良田死後に一人(一柱?)町を歩く別天王を、監視カメラ越しに見ている時の物欲しげな眼差しからして、別天王を我が物にしたいとは考えていそうですけどね。
速水がなぜ海勝を疑っているのかは、次回以降かな。
【疑問】
ただ、なぜ電撃で別天王の幻術が解けたのかは疑問です。
神の力とはいえ、電撃のショックがあれば解けてしまうんでしょうかね。
まあ映画でも因果の「質問」で新十郎が「目の前にあるもの」を強く意識することにより幻術が解けましたから、完璧なものではないということかな。
【なぜ加納信実殺人事件を捏造したのか】
さて、感想でも度々書いてきた「1話の事件を捏造することにより、海勝にどんなメリットがあるのか」という疑問について。
どうしても気になって、自分なりに考えてみました。
まず、あのまま加納夫人を加納社長犯人として告訴していたらどうなっていたか。
加納夫人が夫を殺したとなると、彼女が動機を法廷などで話さなくとも世間は「加納社長の嫌疑を隠蔽する為だろう」と見るでしょう。
とはいえ、それに関しては検察としてはどうでもいいことです。もとより加納社長の罪を追求する立場にあったわけですから。
問題となるのは、では、その後これまで通りに加納社長や小野議員、神田国際通貨銀行日本支部代表の汚職疑惑について捜査を進められるのか、ということです。
連合調整部は加納社長への捜査を入り口として、小野・神田にまで手を伸ばそうとしていました。
その加納が死んだとなれば、もはや捜査は行き詰まってしまう、と考えるのが自然でしょう。
つまり、小野・神田を告発するのは非常に難しくなります。
ならば、ここは復興支援金の着服疑惑を「無かったこと」にして、小野議員や神田代表に恩を売った方が得策であると海勝は判断したのではないでしょうか。
たしかに、SPが加納社長殺害の犯人となると、「夫人の言うように加納社長の疑惑は政府の陰謀だったんだ」という噂が広がってしまうことになります。
そうすると、加納を捜査していた連合調整部への世間の心証は悪くなるでしょう。
しかし、そうだとしても、このまま支援金着服疑惑の捜査に失敗して何も得ぬまま終わるよりは、小野と神田に恩を売っておいた方がメリットがあると考えたのではないでしょうか。
5話でも事件を通して島田白郎に恩を売ろうとしていましたしね。
こういったことは海勝のお家芸なのでしょう。
また、そもそも加納社長への捜査には、海勝会長は消極的でした。
加納社長は友人だからと、虎山検事の要請を断る様子が作中で描かれていましたよね。
おそらく前述のような計算以外にも、 加納社長(と夫人)の名に泥を塗りたくないという感情が働いたのだと思います。
6話でも友人である矢島の子供達を保護し、矢島夫人の罪を隠蔽したように、海勝は身内贔屓なところがありますから。
加納社長が夫人によって殺害されたことを看破し、ならばと彼らの「醜聞」を隠蔽する方向へと舵を切ったのだと考えられます。
このシナリオならば、加納社長は英雄のままで、加納夫人は夫の仇を討った悲劇の女性として世間に認識されることになりますから。
連合調整部の捜査を止める権限はなくとも、事件を利用し、前述のような「小野達に恩を売る」という計算を検察に突きつければ、友人を「守れる」と思ったのでしょう。
と、以上のようなことが正解かどうかは分かりませんが、自分の頭ではここが限界です。
ともかく、今後新たな情報が出てこない限りは、上記のように脳内補完しておこうと思っています。