何気に一番考えさせられた回かも。
【老舗旅館の跡取り】
こういう人を見ると、「罪と罰」に出てきたマダオの奥さんを思い出しちゃうんですよね。
良いところのお嬢さんだったのが、どこぞの馬の骨と駆け落ちし、捨てられて、その後マダオに拾われ、極貧に喘ぎながら死んでいくという女性でした。
罪と罰を読んで以来、今回の天城雪子のようなキャラを見ると「籠から出た後に、『馬鹿なことをしないで籠の中にいれば良かった』と後悔するんじゃないかなあ」と思うようになってしまいました。
まあ、雪子にしてもそれが怖くて籠から出る勇気が無かったんでしょうけどね。
器量好しで働き者の彼女なら、籠から出ても幸せになれるでしょう。多分。
いや、罪と罰の奥さんも器量好しで働き者でしたが、帝政ロシアと現代日本では事情が違うので。
しかし、雪子は本当に籠から出てしまうのでしょうか。
もし彼女が一人っ子だったとしたら、ご両親はさぞがっかりするだろうなあ。
伝統と血が途絶えてしまうわけですから。
あるいは、シャドウを受け入れ、籠からでる勇気は得たものの、あえて旅館を継ぐという選択をする可能性もありますね。
「旅館の跡取り」という立場を籠とはもう思わず、自分の意志で選んだ場所であると考えるようになるとか。
シャドウが「老舗旅館の伝統? 町の誇り? そんなものクソ食らえよ」みたいな台詞を言ったときに、それを否定していましたから、一方でそれらを大切に思う気持ちも抱いているようにも見えました。
【鳥籠】
ドレスを着ていた雪子のシャドウは、自由奔放に生きたいという願望の現れなんだろうか。
忙しくてTVも見られないでしょうから、TVを見たいという思いも表出しているのかもしれません。
回想で描かれた「金欲しい。バイトしようかな。めんどくさかったらバックれりゃ良いし」という会話してた女子高生があるいはモデルなのかな。
自分の仕事を辞められない彼女は、あの女子高生を羨ましく思ったのでしょうね。
自分では籠を出る勇気が出ない。
だから自分をそこから引っ張り出してくれる「王子様」が現れるのを待っていた。
いつも自分をリードしてくれる千枝こそがその王子様ではないかと期待していたのに、雪子が旅館の跡取りであることを「しょうがない」と言ったことから、それも諦めた。
この辺の心情は、高校生にして働きづめだった雪子の姿が長く描かれていたので感情移入できました。
小鳥が逃げ出した時、寂しさではなく悔しさを感じたというのはちょっと意外でしたけどね。
考えてみれば、「私とあなたは同じだね」という台詞からして歪んでいましたね。
旅館という籠に囚われている自分が、小鳥を籠に閉じこめていることに歪んだ悦びを得ていたのかもしれません。
あと関係ないですが、言葉の使い方を間違っているのを「千枝らしい」と言うのは本気で酷くないか。
遠回しに頭悪いと言ってるのと同じでは。
【アルカナ】
戦車のアルカナ、属するのは堅固のペルソナ。
で合ってるのかな。
アルカナが戦闘させているあれの種類のことで、ペルソナが属性か。
「ワイルド」のペルソナは、複数のペルソナを持つことができる効果があると解説され、今週、「堅固」のペルソナに属する戦車のアルカナで防御を行ったので、ペルソナとはすなわち能力の効果を表すんでしょうね。
アルカナとペルソナの違いが分かったところで考えると、「ワイルド」の効果の説明が、「複数のペルソナを持てる」というのはちょっと不親切だなあ。
「複数のアルカナを持てる」の方が分かりやすいような。
まあ、一つのアルカナには一つのペルソナ属性しか無いんでしょうから、アルカナを一つしか持てないということはペルソナも一つということなので、「複数のペルソナ」という説明でも間違ってないんでしょうけど。
そういえば、魔術師のアルカナを入手した時は何のペルソナに属しているか言われませんでしたよね。
逆に、ワイルドのペルソナは、何のアルカナか説明がありませんでした。
何か意味があるのかな。
あ、いや、魔術師のアルカナの時は「火(炎)のペルソナ」と説明された気もしてきた。 でも自信はないです。
自分の勘違いかも。
前回、千枝との絆を手に入れたことで、アルカナが増えました。
今回も雪子との絆によりアルカナが増えるんだろうか。
とはいえ、雪子の件に関しては、花村・千枝の時に比べて鳴上の絡みが少なかったので、「まだ雪子との絆を手に入れていない」という状況である可能性もあるのかな。
【犯人】
雪子の口から犯人の情報が少しでも手に入れば良いなあ。
まだ序盤も序盤なので、気を失っていたとかで何の手がかりも無しというパターンもありそう。
これまでの被害者は、山野アナ、山野アナの遺体の第一目撃者である小西先輩、山野アナが最後に目撃された旅館の娘である天城雪子の3人ですね。
一応、山野アナの事件に関係しているといえばしているんですが、とはいえ関係が薄すぎて犯人の動機や目的は全く見えてきません。
被害者の他の共通点と言えば「若い女性」ということくらいですが、まさか「若い女性をテレビ世界に放り込むのを快楽とする異常者」ってオチは無いだろうし。
いや、もう一つ共通点がありましたね。 どの被害者も「テレビに出ている」ことです。
しかも、2人は山野アナ事件に関わっての報道で、残る1人は山野アナ本人です。
何かしらの理由で山野アナをテレビ世界に放り込み死に至らしめた犯人は、その後、自身の起こした事件報道を楽しむ為に視聴し、取り上げられた若い女性を次のターゲットに選んだ、ということはありうるかも。
うーむ、「若い女性」に「山野アナ事件に関して取り上げられた」という条件が加わっただけで異常者には変わりないな。
何かしらの一貫した目的があっての犯行なのか、それともただの異常者による連続殺人なのか。
正直、2クール使って犯人が異常殺人者でしたでは拍子抜けなので、一見関係性の薄い事件も、調査していく中で隠された真実が見え始め、そしてついには犯人の目的と事件の全貌が……、という展開を希望します。
意味ありげに名前が出てきている「柊みすず」と「生天目太郎」も事件に関係していると思いますし。
でも考えてみると、テレビ世界に放り込むという犯行手段は、確かに足はつきにくいですが、被害者の生死に確実性が無さすぎる気も。
主人公達のようにクマに送り返されたらおしまいですし。
犯人はクマの存在を知らない?
そういえば、何でクマは主人公達には接触して、被害者たち3人には接触しなかったんだ?
単に鳴上達が運良くクマに会えただけでしょうか。
そもそも、クマって何者なんだって話ですね。
言動からして犯人ではなさそうですけど。
ああ、あと1話で書いた花村、里中、天城の誰かが犯人説は既に破綻しましたね。
まあ、OPによるとまだまだ仲間が増えるので、「仲間の誰かが犯人」という予想も捨てませんけどね。