灼眼のシャナIII -Final- 第3話 「旅立つために」
展開遅っ。
そしてなんと単調な1話。
今週は原作の29ページ分しか進んでいません。
いや、たしかに原作も悠二が徒然と今までを振り返りながら御崎大橋に向かうところなんですが、もっとサラッとしています。
アニメはフレイムヘイズ側の対応と、回想シーンに長く尺をとっていますね。
ただでさえ尺が圧倒的に足りないだろうに、これでいいのか……?
回想は原作未読で1期2期を忘れている人の為でしょうが、それにしても余計な部分が多すぎたような。
【坂井悠二】
今週はあんまり書くことがないな。
原作では、悠二は電車で佐藤とすれ違った時に、その存在に気づいています。
といっても、相手が佐藤だと気がついたわけではなく、正確には「気配察知」の自在法が向かってくる電車で行使されていることに気がつきました。
佐藤がマージョリーからもらった栞ですね。
悠二はその相手がフレイムヘイズでも〝紅世の徒〟でもないことも気配から分かったので、外界宿の連絡員の人間だろうとあたりをつけました。
彼からしてみれば、まさかこんなところで外界宿の人間とすれ違うとは予想もしておらず、自身の気配を隠す必要がない、それが抑止力にもなると考え、小細工抜きで来たことが裏目に出てしまった形になります。
こちらの真意を見極めるまでフレイムヘイズ達は迂闊に手を出してはこないだろうと予測はしていたものの、時間は出来るだけ欲しかったので、連絡員からの不用意な事前連絡でいたずらに警戒心を煽られるのも面倒だと思い、すれ違いざまに「始末するか」と一瞬考えていました。
しかし、『祭礼の蛇』の意思と一つになり、〝徒〟の気配を出しているとはいえ、どちらにせよ今の自分の姿(坂井悠二のまま)を見れば、フレイムヘイズらは当面静観の構えをとるはずであり、むしろ、連絡員を始末したことが万が一にも知られれば、遭遇即開戦という事態となり、欲する猶予を自ら捨てることになってしまう、と思い直します。
それに、悠二が鋭敏な知覚能力を持っていると知っているシャナ達は、眼前を通り過ぎる連絡員を見逃した、と理解するはず。
連絡員からの急報は逆に、当面危害を加える気はないというアピールにもなる。やはり、連絡員は放っておいた方が良い、と思考として付け加えて。
ただし、上記の理屈は後付けの節があり、人間を始末したくないという悠二の感情が先にきているようでもありましたけどね。
【フレイムヘイズ陣営】
佐藤が直接マージョリーに知らせず田中を介したのは、逃げ腰の田中を発奮する為ですね。
最初は自分の家に電話をしようとした(マージョリーは佐藤の家に住んでいるので)ところで思い直し、田中にかけています。
それを受けて田中は(ビビりながらも)、佐藤家に向かいつつ、携帯電話で佐藤家に電話をかけます。
アニメでは電話をせず直接口頭で伝えているので、不自然になっていましたね。マージョリーが携帯電話を所持しているのでなおさら。
そうそう、原作ではフレイムヘイズ達は携帯電話を持っていません(たしか。少なくともマージョリーは)。
でも考えてみると、たしかに携帯電話は所持していた方が便利ですから、これについてはアニメの方が理にかなっていますね。
携帯電話は使わずに(おそらく自在法か直接迎えに行ったかで)、フレイムヘイズ(と田中、吉田)は佐藤家の庭に集結し、フレイムヘイズは『襲来した〝徒〟』の監視、田中と吉田さんは玻璃壇(はりだん)の監視にあたることが決定されました。
吉田さんの決意表明も、原作ではここでのシーンです。
それ以降は悠二の独白が続き、御崎大橋の主塔上で対面するまで、フレイムヘイズ達の動きは描かれません。
あ、あと細かいところですが、アニメでは悠二は梯子を使って登っていたのに対して、原作では壁面を歩いて上っていますね。
原作の方が悠二の変貌が分かりやすいと思うのですが、何で改変したんだろうか。
今週は以上かな。
最初に書いたように、ほとんど話が進んでいないので、補完できる部分もあまりありませんでした。
それと、シャナ最終巻を読み終えました。
「終わってしまったんだ」という虚脱感がありますね。
しかし、思っていた以上に外伝・番外編で描かれた話が使われていました(しかも重要な部分で)。
この辺はアニメでどうするんだろうなあ。