Fate/Zero 1、2話の感想とも言えぬ感想
原作既読でstay nightもプレイ済みです。
stay nightのアニメは出来が悪かったと聞いていたので、クオリティの高さに驚きましたが、製作会社が違うんですね。
そして、監督はなんとあの喰霊-零-の監督さんだと……! そりゃ、クオリティ高いわ。
喰霊-零-大好きです。
感想に関してですが、もちろんZeroのネタバレはしません。
ただ、stay nightについてはZeroそのものがあれのネタバレに等しいというのもあるので、作中で触れられていることについてはネタバレするかも。
原作既読者としては非常に楽しめましたが、未読の人はどうだったんだろうなあ。
まあ、設定や世界観は何となく把握してるくらいで問題ないかもしれないですね。
以下、感想と言うよりは、おそらく今後も作中で触れられないであろう補足などを書いていこうと思います。
【切嗣】
この人の印象としては、
序盤:普通 → 中盤前半:嫌い → 中盤以降:視点を変えたことで好きに
こんな感じだったかな。
まあそういった自分の切嗣への好感度の変遷については、該当するシーンに至った時にまた書きます。
この人も現時点では謎めいた人物ということで問題ないでしょう。
過去の経歴、今に至った契機、彼とアイリの目的などはおいおい語られると思います。
【言峰】
彼が所属する「聖堂教会」というのは、カトリック教会(さすがに作中で明言はされませんが)の部署の一つで、主に裏の仕事を請け負うところです。
彼ら一部の聖職者は、魔術師が使う「魔術」とはまた別種の不思議な力を使え、それで戦闘を行ったり出来るんですね。
魔術協会(欧州を中心とする魔術師最大の組織)と聖堂教会は、停戦状態にあります(裏で小競り合いはやっているようですが)。
両組織は決定的な利害の対立がないので、現代では闘争は起こっていません。
魔術師の目的は「根源の渦」への到達、対して教会の目的は神の教えを広めることで、これらの目的は対立するものではないそうです。
【遠坂時臣】
この人の目的は、「根源の渦」への到達だけです。正統な魔術師の目的を貫いていると言えます。
根源の渦とは、単純に言えば、万物が湧き出でた場所、だったかな。
いわゆる神秘主義的な概念でしょうか。
魔術師は古来よりそこに到達することこそを悲願としており、魔術の研究を行うのも、そこに近づく為だそうです。
ただ、今までに到達できた人間がいない(いても帰ってこない)ことから、近年では魔術協会で権力を握ったり、強大な魔術を実現することで名誉を得ることを目的とする魔術師がほとんどで、今でも魔術師の正道を歩む時臣のような者は少数派だとか。
作中でも触れられていましたが、200年前、「聖杯」作り出した遠坂、マキリ(現在の間桐)、アインツベルンの御三家は、元々は根源の渦に到達することを目的としていました。
しかし、どの家が聖杯を使うかで揉めたか何かで、聖杯戦争へと発展していったそうです。
それ以外にも聖杯戦争には理由があるのですが、これについては今後作中で触れられると思います。
しかしながら、時が経つにつれて、遠坂家以外の二家はだんだんと目的が歪んでいったようです。
いや、アインツベルンはだんだん歪んでいったというか、200年前に聖杯を作り上げる以前の800年間も、聖杯をずっと求め続けていました。
その長い年月で完全に聖杯だけを目的とした怪物一族となっていたそうなので、アインツベルンに関しては200年前から既に歪んでいたと言うべきでしょうね。
なので、この200年で歪んだと言えるのはマキリだけかな。
ちなみに、聖堂教会は、魔術師の求める「根源の渦」は所詮は魔術師の概念でしか無く、神とは関係のないものという立場で、無関心を貫いているそうです。
これが魔術協会と聖堂教会が決定的に対立していない理由であり、言峰の父親が遠坂に協力する理由でもあります。
「根源の渦とかどうでもいいけど、悪意のある奴の手に聖杯が渡ったら厄介だから遠坂に協力するわ。そのあとは勝手に根源の渦でもどこでも行けば?」みたいな感じかと。
遠坂時臣が教会や言峰父と交流があったのも要因ではあるそうですけどね。
【間桐ゾウケン】
ゾウケンという爺のことを、カリヤおじさんが(嫌みで)「お父さん」と読んでいましたが、本当の父親ではありません。
何を隠そう、この爺こそ200年前に遠坂、アインツベルンと共に聖杯を作り上げた人物なのです。
つまりは、200年以上前から生き続けているというわけですね。
こいつの長寿のカラクリは、他人の肉体を分解し、それをゾウケンの「魂の設計図」に合わせて再構成することで、肉体を維持しているんだったと思います。
しかし、その魂の方が年々劣化してきており、肉体がきちんと再構成できなくなってきているとか。
そのことに焦り、真の不老長寿を実現する為に聖杯を欲するようになったみたいです。
200年前は「根源の渦」に到達する為に聖杯を求め、その聖杯を手に入れる為に生きながらえてきたわけですが、今となっては生きながらえることそのものが目的化しているんですね。
完全に目的と手段が逆転してしまった爺です。
なんか元々はドイツかどっかの生まれだそうです。
で、200年前に日本に移住してきて、家名も「マキリ」から「間桐」に変更したのですが、日本という土地がマキリの血に合わなかったらしく、年々子孫の魔力が弱くなっているとか。
【間桐カリヤ】
間桐家の次男坊。
長男(現当主。形だけですが)の魔力が非常に弱かった為、カリヤおじさんが本来は当主となる予定だったのですが、間桐の家とゾウケンに嫌気が差して、魔術師の道を捨て出て行ってしまいました。
本当の父親は別にいますが既に死んでいます。
ゾウケンは200年前から身分を偽りつつ間桐家に君臨し続けており、今はカリヤの父親ということになっているというだけです。
おじさんが出て行ったことで養子として貰われてきたのが、桜です。
1話から皆さんお分かりのように、カリヤは遠坂葵のことが好きです。
彼女はまた別の魔術師の家(2話で葵と凜が避難しようとしていた家ですね)の生まれで、その関係で昔から顔なじみだったとか。
しかし、彼女は遠坂の家に嫁いでしまったわけですが、それからもずっと彼女を思い続けていたのでしょうね。
彼女の子供である凜と桜のことも昔から可愛がっていたそうです。
その桜がよりにもよって間桐の家に、しかも自分の代わりとして養子となり、あのような惨い扱いをされているとなれば、そりゃもう堪らないでしょう。
本編とは関係ないですが、OPのカリヤおじさんがなんかやたら面白い。
なんでしょうね、一人だけあまりにも不幸過ぎる姿からなのか、思わず笑っちゃいました。
ケイネス・エルメロイの威風堂々としたカットの直後にゴミ捨て場のカリヤおじさんとか、スタッフも狙っているとしか思えない。
桜に関してはstay nightの方で自分に消えないトラウマを残してくれたなあ……。
マジでゾウケン(+ワカメ)には殺意を抱きました。架空のキャラがあんなに憎らしく思えるとは。
ゾウケンほどイヤな奴はいないな。
『フラクタル』感想とかでも触れましたけど、桜ルート以来あの手の話が完全にダメになってしまいました。
まあ、その桜のことも、とあるバッドエンドで嫌いになりましたけどね。
おそらくプレイ済みの方はどのバッドエンドの話かすぐに分かると思いますが、いくらなんでもあれは無いわ。
【キャスター】
「恐怖というものには鮮度があります」
こいつもなあ。最初は期待していたキャラだったんですけどね。
stay nightの個人的な不満点の一つとして、魅力的な悪役がいない、ということがありました。
麻婆も小物王も、悪役としては個人的にいまいちで、そこがプレイ後の最大の不満でした。
なので、Zeroを読み始め、上記のキャスターの台詞を見た時に「これだ! こういう悪役がほしかったんだよ!」と感動したものでしたが……。
結果的には彼も麻婆達と同類でしたね。
まあ、これも該当のシーンになったら書こうと思います。
2話については、被害者の少年の断末魔がちょっと長すぎましたね。
あそこは一瞬で終わらせるべきだったと思います。そこが今のところアニメでの唯一の不満かな。
リュウノスケはどうでもいいです。
さて、このくらいでしょうか。
2クール分割というところが不安ではありますが、是非ともこのままのクオリティをお願いしたいです。
3話も楽しみ。