ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

週刊少年ジャンプ28号(2017年)【ONE PIECE】感想

第868話 KXランチャー
 先週に引き続き、どうもミスリードの臭いがする。
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第867話『HAPPY BIRTHDAY』感想はこちら
週刊少年ジャンプ27号(2017年)感想はこちら

※以下、ネタバレ注意
>食人
 冒頭からリンリンが人を食べたかのような描写が続いているものの……怪しい。非常に怪しい。
 何しろ具体的なことが何一つ描かれていない。

 無論、普通に考えれば「敢えて直接的な描写は避けている」と読み取れるわけだが、食人以外のことが起きたということも十分考えられる。

 島から逃げ帰ったエルバフの戦士が目撃したものが、例えば単純に「リンリンがマザー・カルメルを殺した場面」だったとしても、特に違和感はない。
 カルメルは巨人族にとっても「聖母」なのだから、それを殺したとなれば嫌悪されるに十分な理由だし、リンリンに敵わないことを痛いほど知っているエルバフの戦士が一目散に島から逃げ出したことも理解できる。
 この島はどうやら後にホールケーキアイランドとなるようだから、彼が二度と島へ来ることが無かったというのも当然の話だろう。

 また、ビッグマムを最初に手配したのがサイファーポールというのも意味深長だ。
 もし、マザー・カルメル失踪にCP-0が関わっていないとすれば、彼らはリンリンを政府に引き入れようとすらしないまま手配したことになるが、散々カルメルからリンリンの素質を聞かされているのにそんなことがあり得るだろうか?
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 むしろ、CP-0は一度リンリンとの接触を試み、撃退されたからこそ彼女を危険視し、手配したと考えた方が自然だ。
 そう、先週から主張しているように、やはり誕生会はマザー・カルメルと世界政府の策略で、その裏では児童売買の取引が行われようとしていたのである。

 羊の家がある島に、CP-0は堂々と世界政府の旗を掲げて出向き、カルメルと商談を行っている。
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 つまり、この島は当時世界政府が簡単に行き来できる地域にあったことになるから、子供達の受け取りもわざわざ別の場所を用意する必要はなかったわけだ。
 

 ビッグマムが食人を犯したのだとすれば、おかしなことは他にもある。
 巨人の国エルバフの王子ロキ。彼がビッグマムの娘ローラに求婚し、そしてそれをエルバフの戦士達も祝福していたことだ。
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 確かに、「誰から生まれようとも人間みな海の子」かもしれない。
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 だが、いくら一目惚れしたとはいえ、食人という人類最大の禁忌を犯した女の娘と王子との結婚を、エルバフの民が祝福するなど、まず考えられまい。
 人を食べた女の血が王家に入ってくるのだ。この嫌悪感に抗うことなど不可能と言えよう。

 しかし、ビッグマムが犯した(と巨人族が認識している)罪が単に「殺人」だけならば、その娘との結婚にさほど抵抗を抱かないのも理解できるし、時が経ち、ビッグマムのことを赦す気になっても何ら不思議ではない。

 
 以上のことから、私はやはり先週と同じく「ビッグマムは食人などしておらず、自分や羊の家の子供達を拉致しに来たCP-0を返り討ちにした」と予想する。

 ただし、事件を目撃した巨人の反応からすると、どうもカルメルを殺したのは世界政府ではなくリンリン自身なのかもしれない。

 また、羊の家の子供達も特にリンリンによって政府から奪還されたりはしていないようで、たかたかさんの「お茶会の名有り出席者=羊の家の子供達」説もちょっと怪しくなってきたかな……。

 まあ、もっともこれに関しては海賊団を結成してから子供達の情報を入手して解放した可能性も残っているし、自力で政府の手から逃れた子供達が自分からビッグマムのところへ行ったのかもしれないか。

総料理長シュトロイゼン
 お前がリンリンを悪の道に引き込んだんかい!
 ドフラミンゴで言えばトレーボルのような存在か。

 もっとも、リンリンの場合は若様と違い心優しい子供だったのだから、カルメルを失った後に出会ったのがシュトロイゼンでなければ、リンリンはもっとまともな形で「平和と平等」の道を生きられたかもしれない。

 とはいえ、ビッグマムとシュトロイゼンの関係性は好きだなあ。
 裏では主と対等の人物が、公の場では従者として振る舞う関係性が個人的にツボなんだよね。
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 そして、リンリンの危機に際して思わず素の言葉遣いが出てしまうとか、堪らんです。
 単なる色物キャラだったのに、一気に魅力的になった。

>作戦失敗
 これは予想してなかったwww

 まさかこれ程完膚なきまでに大失敗するとは。てっきりルフィかサンジが止めに入るものとばかり。
 やはり四皇は策を弄してもなお、まだまだルフィ達には届かぬ位置にいるということか。

 そして、ここからどうなるのかもさっぱり予想がつかないなあ。
 頭目形態に逃げ込ませようとしているならば、少なくともしばらくの間は将星を含むビッグマム海賊団に袋叩きにされても耐えられるということなのか。
 相手の攻撃力に関係なく防御できる効果があるのかな。

 ベッジの体内に鏡さえあれば麦わらの一味は脱出できるとはいえ、ルフィ達はそんなことをする人間では無いし、果たしてどう打開するのか見当もつかない。

>その他
・何が「というわけ」なんだ……。先週までの昔話とファンの船がついてきていることに繋がりが全く見られないのだけど……。

・先週私は羊の家の面々はエルバフ以外の巨人国に移住したと勘違いしていたのだが、彼らが移住したのは無人島(シュトロイゼンはいたけど)かどこかで、家の建造に手を貸していたのは送り届けたエルバフの戦士達だったんだな。
・この島が後のホールケーキアイランドだとすれば、エルバフ(ウォーランド)はトットランドから近い場所にあるのか。
・なるほどね、「同じ目線」の由来はそういう曲解か……。