「アクマの実」の能力による変身でルナーリア族『のような』外見になってるだけですね。
第1179話において、ついにシルエットではない姿を現したイム様は、褐色の肌に銀髪の男だった。
さらに、第1180話においては黒い羽根、しかも軍子宮に憑依していた時のコウモリのような羽根ではない、鳥のような羽根を生やしている。
これらは明らかにキングことアルベルが示したルナーリア族の人種的特徴であるが故に、イム様はルナーリア族なのだと理解した読者が多いだろう。
残念ながら、その理解は間違っている。
何となれば、第1179話の時点でイム様に黒い羽根は無かったからだ。
第1180話の飛行中の場面において突然に黒い羽根が生えてきたわけだが、その代わりに今まで羽織っていたマントが消えており、キリンガム聖救助のために着陸した際には再び羽根が消えてマントを着用している。
これが意味するところはつまり、マントが飛行の為に羽根へと変化していたのである。
そして、能力者が着用する衣服の変化は、悪魔の実の能力の特性の一つだ。
そもそも、上記の記事で書いた通り、現在のイム様は本来の姿ではないのは明らかである。
即ち、「褐色の肌」「銀髪」「黒い羽根」は全て『アクマの実』の能力による身体変化の影響だと理解すべきだ。
悪魔の実とはベガパンク曰く、人々の「願望」から発生したという。
同様にアクマの実もまた、当時の人々が思う「アクマ」を基に誕生したものだろう。
これらの情報から導き出される答えはただ一つ。
「アクマの実」が発生したのがいつだったにしろ、当時の人類の多くが『悪魔』と言われた時に頭に浮かべたのはルナーリア族だったのである。
故に、その人々の願望から生まれた「アクマの実」もまた、食べた人間をルナーリア族のような外見へと変身される能力となったわけだ。
白ひげやクイーンはルナーリア族のことを「大昔に『神』と呼ばれていた」と語っていた。
その順序こそ不明であるが、ルナーリア族は世界を支配して「神」と呼ばれた時期もあるが、人々から「悪魔」として蔑まれていた時代もあったのだろう。
いや、あるいは他種族に「神」と呼ぶことを強要する一方で、その強権ぶりから実際には「悪魔」と思われていた可能性もある。
「神」か「悪魔」か。
現在の第三世界を支配するイム様はまさにそれを象徴する存在だが、かつてはルナーリア族もまた、その狭間にいたのかもしれない。