尾田先生によるミスリードに次ぐミスリード。
レヴェリーの最中、「ある海賊について」五老星と会談するために権力の間へと赴いたシャンクスらしき人物。
フィガーランド・シャムロック聖の存在が明らかとなった今、普通に考えればこの人物もまた彼だということになるのだが、どうやらこちらはシャンクス本人だったようだ。
上からの司令でシャムロック聖は「帰る」ことになったとキリンガム聖が述べたのを受けて、ソマーズ聖は聖地にシャムロック聖がいるべきだと語った。
つまり、神の騎士団もまた他の天竜人たちのように普段は聖地マリージョアに常駐していることになる。
しかしながら、そうだとすると↓のナス寿郎聖の言葉と矛盾してしまう。
神の騎士団の団員達も聖地マリージョアにいるのなら、同じ土地にあるパンゲア城に来たことに対して、「わざわざここまで」という台詞は出てこないからだ。
レヴェリー中に五老星のもとを訪れた男はシャムロック聖ではない。
ナス寿郎聖が「わざわざここまで」と言いたくなる程、遠い場所にいる人物、つまりはシャンクスその人だったのである。
シャンクスの傷を見せないことで、「別人ではないか?」と読者の疑惑を呼び、シャムロック聖を登場させて「ああ、シャンクスは五老星と繋がってなどいなかった」と思わせた上でやはりシャンクスだったと明かす、尾田先生による二重ミスリードというわけだ。
一度はシャンクスも聖地マリージョアへ帰還し、その際に何らかの方法で天竜人の身分を証明したことはシャムロック聖の口から語られた。
更に、彼があっさりと弟だと認めたことからしても、聖地においてシャンクスは今でも天竜人として認識されているものと考えられる。
再び下界に降りてからも、シャンクスは五老星と連絡を取り続け、裏で繋がっているのだろう。
海賊として裏の世界から海の秩序を保つ役割を期待されているからこそ、レヴェリーという多忙な最中の来訪でも、五老星からこれ程に歓迎されたわけだ。
というか、改めて考えてみると、シャムロック聖が下界のことを「薄汚れた」と評しているのに、神の騎士団が聖地以外に常駐しているはずがない。
前話までは「神の騎士団は聖地以外の場所に常駐しており、だから神々の地が革命軍に襲撃された際にも出てこなかったんだな」と考えていたのだが、実際には彼らが神々の地防衛の為に出撃しないのは別の理由によるものだったようだ。
おそらく一般天竜人の護衛など衛兵や海兵の仕事であり、神の騎士団はそんなことでわざわざ動員されたりはしないのだろう。
むしろ、聖地が襲撃されたからこそ、もっとも重要な存在であるイム様を守る為にパンゲア城周辺を守るのが彼らの任務なのだと考えられる。