ウンマ王妃の庇護下にあるのなら行きずりの女との子ではないはず。
【非嫡出子】
↑の記事等で現在の「ベンジャミン」の人格がハルケンブルグ第9王子と主張する中で、「ハルケンブルグの高潔な人格を考えると、正式な妻ではない女と子など作るだろうか?」という趣旨の疑問を受けた。
確かに、彼の性格からすると責任もとらずに軽い気持ちで子作りなどしないだろう。
だが、「結婚しなかった」のではなく、「結婚できなかった」とすれば話は変わってくる。
カキン王族として、相手の女性との結婚が許されなかったわけだ。
その原因として真っ先に考えられるのは、相手が外国人だった場合である。
【異人の妻】
ハルケンブルグ第9王子の私設兵や支援者には外国人も多く含まれている。
その中の1人とハルケンブルグ第9王子が恋に落ちたとしても不思議はない。
しかし、閉鎖的な国家であるカキン帝国は当然、王室に外国人を迎えることはあるまい。
それ故、公的な婚姻関係を結ばぬまま子をもうけ、愛する我が子が政敵に狙われぬように信頼するウンマ第1王妃の庇護下に置いたわけである。
【不敬罪の利用】
ベンジャミン第1王子の肉体で王位を勝ち取ったハルケンブルグ第9王子はおそらく、そのまま我が子を「ベンジャミンの子」として宣言するつもりと考えられる。
新たな王と、その母であるウンマ第1王妃が公的に認めてしまえば、誰もそれに疑惑をかけることなどできはしない。
母親は侍女の誰かとでもすればいい。
貧しい村娘だったオイト第8王妃でも正妻になれるのだから、外国人や不可触民でなければ血統には問題はないはずだ。
万が一、DNA鑑定でもされればバレてしまう?
そこでモノを言うのが不敬罪なのである。
国王「ベンジャミン」として我が子を王室に一度迎えてしまえば、不敬罪がある限り、誰もそれに反証することはできない。
「王などいらぬと、王になってから言え」とは現国王ナスビーの言葉だが、ハルケンブルグ第9王子は理想国家を築くために、カキン王室の異常性の象徴たる法までも徹底的に利用し尽くすつもりのようだ。
とはいえ、外国人の血を勝手に王統に引き込もうとしているわけで、やっぱりハルケンブルグ第9王子はとんでもない男である。
王制を廃止しようとしてるのだから、今更ではあるが。