昨日の記事の続き。
↑の記事で、「バルサミルコ兵隊長と入れ替わったハルケンブルグ第9王子は、そのままベンジャミン第1王子をも乗っ取り、特殊戒厳令を発令した」ことを解説した。
その中で自分でも引っ掛かっていたのが、「もし、バルサミルコと入れ替わったのがハルケンブルグ第9王子じゃなかったらどうするつもりだったんだろう」という疑問である。
『少年は残酷な弓を射る』はハルケンブルグ第9王子にしか使用できないから、バルサミルコ兵隊長として近付いてベンジャミン第1王子を乗っ取る作戦がとれなくなるからである。
しかし、よくよく考えてみると、そもそもハルケンブルグ第9王子が現段階で事を急ぐ必要は無いのである。
ハルケンブルグ陣営に何らかの時間制限があったわけでもない。
緊急事態が起こったから焦って動いているのではなく、バルサミルコ兵隊長の入れ替わりにハルケンブルグ王子が選ばれるという『幸運』が起きたからこそ、一気にベンジャミン王子乗っ取りによる特殊戒厳令発動と、王子皆殺しを実行に移しただけなのだろう。
仮にバルサミルコ兵隊長と支持者の誰かが入れ替わっていたら、ここまで事態を動かすことはできないから、次の一手はもっと遠回りなものになっていたはずだ。
ベンジャミン第1王子のブレーンであり、要を無力化したことで良しとして、じわじわとベンジャミン陣営を切り崩していったと考えられる。