ある意味、ハウスマンが出て来たときよりも衝撃的だった。
※以下、先読みまでのネタバレ注意
【情おじさん】
マジかアンタ。
最初、本当に誰か分かんなくて、最初に脳裏によぎったのが「かっけん……? ロックヘイムに産まれたパラレルワールドの翔がおじさんになった姿……?」という訳の解らない想像だった。
情おじさんだと気付いた後は、キナモムムでのバンシーハーレムですっかり牙を抜かれて、レックスに対してビビりまくってるのかと思ったけど、積極的に近付いていこうとする姿勢を見る限り、どうやらそういう訳でもなさそう。
怖がっているわけじゃないなら、じゃあなぜ四つん這いに……と考えて、ハッとなった。
そうか、この人、ピュアに眠らされた3年前からずっと眠っていたんだ! と。
よく映画とかで冷凍睡眠してた人や何年も意識不明だった人が目覚めた直後に手足の筋力が弱って立てない描写があるが、あれと同じなわけだ。
ピュアとの決戦後におそらくアスが東郷主水に押し付けて、主水としては目覚められても面倒なだけだから、ネプリ液にでも放り込んでそのまま眠らせておいたのだろう。
で、状態復元期が来たことで、3年間眠り続けていた情おじさんもようやく目が覚め、手足プルプルの身体を引き摺ってここまで来たと。
か、可哀想……。
「バンシー相手に童貞を捨てて調子に乗ってたらどうしよう」なんて話をしてたのに、まさか起こして貰ってすらなかったとは。
38歳童貞から41歳童貞に変わっただけか……。
というか、ピュアのあの強制睡眠能力って、解除されないと永久に眠りっ放しなのね……怖。
まあでも、この3年の間に悪い意味で変わってしまった人間のことを思うと、何も変わっていないのはむしろ救いかもしれないが。
【交渉】
ところで、情おじさんは一体レックスの何の交渉をするつもりなんだろうか。
ソロモンヘイムに帰りたいから次元の扉を開けてくれ、とか?
だけど、東郷主水は次元の指輪を持ってるんだよね。
主水達がロックヘイムにいるのを知られた以上、帰すわけにはいかないと断られた(次元の指輪の所持を隠して、ハロウィンまで帰す方法が無いととぼけられた)のかなあ。
で、モンド東郷屋敷をうろついてる中で、メフィストフェレス君主陛下一行と遭遇するも、これにも断られ、レックスと交渉してこいと追い払われたとか。
もしだとすると、情おじさんの登場で毒気を抜かれたレックスが、彼を連れてソロモンヘイムに帰ってくれる流れになったりしたら、ハウスマン氏の正論パンチ交渉にも意味はあったと言えそうだけど。
【水の泡】
問題は次の章題なんだよね。
一体何が水の泡となるのか。
仮にレックスが『交渉』で大人しくソロモンヘイムに帰る流れになるとすると、『水の泡』の舞台は鮒界市になるのかな。
鮒界市篇最終章の題名も、『鮒界市立公園墓地の夕暮れ』だし。
レックスがやったことが「水の泡」になるのだとすると、彼が東郷情を伴って鮒界市に帰ってみると、シフトの空爆で鮒界市が壊滅している、とか。
結局、レックスは翔の遺言すら何一つ守れず、それはリース達も同じというオチになりそうな気がする。
何でそう思うかと言うと、草案では魚成勇があっけなく死ぬ予定だった点が引っかかってるんだよね。
3部のストーリーは既に決まっている以上、今後、勇は物語に関わらないわけで、それは彼がレックスとの戦いで生き延びる展開に変更されたとしても変わらないはず。
となると、結局は勇も死んでしまう何かが起こる、逆に言うと、どうせ鮒界市の人間は全員死ぬ展開が待ってるからこそ、レックス戦では生かしておいたんじゃないかと、そう思えてならない。
【その他】
・心の声でも敬語ってことは、ハウスマンはそれなりにメフィストフェレス陛下に対して心からの敬意を抱いてるのね。
・レックスが日菜子を殺そうとするのは自己満足もあるだろうけど、「万が一、ピュアによって日菜子が救われてしまったら、『翔も救えた』という事実を突きつけられる」から、それを恐れてもいるんだと思う。
・『召喚場08 終』に尾籠先生が書いていたこれ。
草案ではロックヘイム入りしたので、ここで鮒界市篇はお終い
次回より師匠国篇の予定でしたが鮒界市篇として続きます。
・当時は、「ってことは実際にはまだロックヘイム入りしてなくて、ここはメフィスト陛下の専有胎界?」という話をしてたけど、そうじゃなくて『ロックヘイム入りしたから、草案ではここで鮒界市篇はお終いで次回から師匠国篇の予定だったけど、やっぱり鮒界市篇に含めます』って意味だったのね。