じゃないと説明が付かない気がする。
※以下、109巻のネタバレ注意
【スパンダインの権力】
109巻のSBSにて、エニエスロビー壊滅後のスパンダムは、スパンダインの権力でCP0長官に出世したことが明かされた。
これは言うまでもなく異常な人事である。
失態の責任をルッチ達に押し付けたとしても、あの一件でスパンダムは何の功績も挙げていない。
結局、古代兵器プルトンの設計図は焼失し、ニコ・ロビンも取り逃がしてしまった。
つまり、スパンダインには既に、「その気になればいつでも息子をCP0長官にできるだけの権力があった」ことになる。
にも関わらず、2年前までスパンダムをCP9長官に留めておいたのは、強引な人事で敵を増やすことはできるだけしたくなかったのと、「古代兵器の設計図入手」の成果を掲げて華々しくCP0長官の座に昇任させたかったのだろう。
しかし、任務は失敗し、本拠地のエニエスロビーは壊滅。
優秀なエージェントもいなくなった今、もはや息子をCP9長官のままにしておいても得る物は無いと判断したわけだ。
天竜人直属であるCP0長官の人事すらも簡単に動かせるスパンダイン。
一体どんな立場にいれば、そのような強大な権力が得られるだろうか?
これはもう、天竜人以外には考え難いだろう。
【名誉天竜人】
つまり、サイファーポールでの地位を極めたスパンダインは、その功績の報酬として天竜人の位を賜ったというわけだ。
下々民が天竜人になれることは既に描かれている。
チャルロス聖は第一~第五夫人を離縁する際、「下々民に『戻す』」と命じた。
天竜人の妻である間は、下々民出身の者でも天竜人になれるのである。
また、ステリ―王は天竜人になろうとしているし、ヨークもまた五老星と天竜人となる取引を行い、五老星は取引通りにヨークを助命しようとしていた。
世界政府には、天竜人の意向次第で下々民を新たに天竜人とする制度が存在するわけだ。
いわば、名誉天竜人といったところだろうか。
【コング総帥】
スパンダインの他にもう1人、名誉天竜人ではないかと睨んでいるのがコング全軍総帥だ。
彼の執務室は聖地マリージョアに与えられている。
ほとんど名誉職であろうとはいえ、海軍を含めた世界政府全軍を統括する立場ならば、地上にいる方が連携は取れやすい。
軍の中核たる海軍本部が位置するマリンフォードにいても良いくらいだ。
にも関わらず、移動に手間のかかる聖地マリージョアに常駐しているのは、彼が天竜人の立場を得ているからと考えればしっくり来る。
オハラ事件後にCP0長官となったであろうスパンダインの件も考えると、一定規模の政府機関の職を極めた人物は、その褒賞として退任後に天竜人の位を賜る仕組みになっているのかもしれない。
無論、与えられるのと同様に、天竜人の意向次第で簡単に奪われもするのだろうが。
スパンダインが権力を失ったのも、天竜人の地位を剥奪されたからなのだろう。