具体的にはジェイガルシア家の血筋なんじゃないかと。
※以下、1119話までのネタバレ注意
【ソラ王妃と海の戦士ソラ】
サンジの母であるジェルマ王国王妃の名はヴィンスモーク・ソラである。
ジェルマを悪役として描いた絵物語『海の戦士ソラ』の主人公と同名なわけだが、言うまでもなくこれが単なる偶然ということはあり得ない。
現状全く不明のソラ王妃の出自と大きく関わっていることは間違いないだろう。
私はこれについて「『海の戦士ソラ』の著者こそがソラ王妃の父親なのでは?」と考えた。
【ベガパンク説】
太古の昔、まだワンピースがWCI編だった頃に著者の正体として私が予想したのが、ベガパンクである。
『海の戦士ソラ』には合体ロボが登場するわけだが、それはベガパンクが若かりし頃に夢見た発明品だからだ。
自身が夢見るも、まだ実現できていない構想を、物語に託したのだと考えたのである。
更には、ジャッジ王とも旧知の仲であり、娘を嫁に出したとしても不思議ではない。
が、この期に及んで未だサンジに対して一言の言及も無いということは、残念ながらベガパンクの線は潰えたようだ。
【サターン聖が書いたのでは?】
ベガパンクではないとすれば、『海の戦士ソラ』の著者は一体誰なのだろう。
その人物は政府側の人間であり、なおかつ海兵を主人公として描くくらい海軍と関係が深く、また、現在のジェルマ66が再現したような装備を描写できる程に科学的な知識を持っている。
これはもはや、サターン聖以外にはいないのではないか?
科学者でもある彼ならば、ジェルマの先進的な科学力にも精通しているだろうし、「科学防衛武神」として海軍を管轄する立場である以上、海軍のプロパガンダに力を入れるのも理解できる。
だとすると、サターン聖の著書の主人公の名を付けられたソラ王妃は、サターン聖の子孫であるジェイガルシア家の人間という可能性がある。
【天竜人の降嫁】
私はジェルマ王国は800年前までジェイガルシア家に治められていたと推測している。
もし、これが正しければ、ジェイガルシア家からヴィンスモーク家への「降嫁」は、祖国の現王家との関係性を深める意図があったと考えられる。
いくら天竜人とはいえ無限に増やし続ける訳にはいかないから、ある程度本家から血筋の離れた庶流の中には、下々民へと臣籍降下する人物も出て来るはずだ。
ソラ王妃もその1人であり、政略結婚としてヴィンスモーク家へ嫁がされたのではないだろうか。
サターン聖は数百年単位で生きており、ジェイガルシア家にとってはもはや崇拝の対象だろう。
その偉大なる生ける父祖が書いた絵物語の主人公の名を、娘につける。
いかにも庶流に相応しい振る舞いだ。
天竜人にしてはソラ王妃はあまりにも優し過ぎるが、ドフラミンゴの両親のような例もある。
ジェイガルシア一族の庶流として不遇な扱いを受け、政略結婚の道具にまでされたソラは、その境遇が故に、一般的な天竜人とは価値観を逸することができたのかもしれない。