一番人道的とも言う。
※以下、1117話『も』までのネタバレ注意
【五老星の強硬派と穏健派】
↓の記事で、オハラへの対応を決める際に五老星の中ではサターン聖を筆頭とする「オハラの市民ごと全員抹殺すべし」派と「オハラの市民は避難させるべき」派の対立があり、後者の意見が通ったのではないかと書いた。
無関係な一般市民の避難を優先した以上、五老星の過半数は「穏健派」に属するわけだが(サターン聖1人だけが全員抹殺派だった可能性もあるが)、その中でも最も穏健派なのがウォーキュリー聖なのではないかと考えている。
【人命への価値観】
人間を「虫」呼ばわりするサターン聖やマーズ聖。
それに対して、ウォーキュリー聖はイム様からルルシア王国へのウラヌス(仮)使用を命じられた際に、その地に多くの人がいることを忠言している。
最終的には受け入れたとはいえ、少なくとも五老星が「創造主」として崇拝するイム様に意見する程度には、顔も知らぬ民草の命を気にかけているわけだ。
これはサターン聖とマーズ聖の人命に対する態度とは大きく違う(そう考えると、オハラ市民の抹殺を主張したもう一人の強硬派はマーズ聖かもしれない)。
オハラの処遇を検討した際にも、市民の避難を主張したと考えるのが自然だろう。
【種族間の和解】
また、頂上戦争の戦後処理においても、ジンベエが七武海から離反したことに対して、三大勢力の均衡が崩れることよりも、種族間の和解の象徴が喪われることをまず残念がっていた。
魚人族・人魚族との和解はウォーキュリー聖にとっては大きな関心事なのである。
200年前の巨大ロボによる聖地襲撃をきっかけに行われたと思しき魚人島との国交樹立も、ウォーキュリー聖が主導して実現させたのかもしれない。
人種差別を是正しようとする、政府の中では極めてリベラルな人物と言えるだろう。
【真面目な性格】
個人的にはウォーキュリー聖はよく怒っている印象だったから、むしろ強硬な人物かと何となく思っていたのだが、これも改めて考えると真面目さの裏返しかもしれない。
青雉のような勝手な人間が許せないのだろう。
彼が元帥に推薦された際には、先頭に立って反対したとしてもおかしくない。
【敵に対する思いやり】
サボがこれから消えるルルシア王国にいると報告を受けた際にも、不俱戴天の敵であるはずの革命軍参謀総長の運命に思いを馳せ、やるせない表情をしていた。
冷淡だった他の五老星とは一味違う反応である。
尾田先生がウォーキュリー聖をどういう人物として設定しているかが伺い知れるというものだ。
【女性への態度】
極めつけはこれだ。
ヨークから通信があった際に、マーズ聖が彼女のことを「お前」呼ばわりしていたのに対し、
ウォーキュリー聖はヨークを「君」と呼んでいる。
ウォーキュリー聖の紳士な一面が垣間見える。
政治姿勢と同じく、私生活でも女性に対しては穏やかな態度で接する人物なのだろう。