去年の36・37合併号の第1089話にて海面上昇が描かれた際に書こうとして放置してた記事を、第1113話を受けて完成させた。
※以下、ネタバレ注意
【沈みゆく世界】
リリィ女王の手紙の中に、五老星*1の唸り声で隠されてしまった『~ゆく世界に夜明けの旗をかかげ』という文章があった。
私はこれを「滅びゆく世界」ではないかと予想していたのだが、第1089話の内容を読む限り、どうやらパンナコッタさんの「沈みゆく世界」という予想が当たっていそうな雰囲気になってきた。
リリィ王女の手紙、「沈み」ゆくとかどうだろうな~って思ってる
— お腹パンパンナコッタ (@baumukuu) June 11, 2023
海面上昇とか
確かに、そちらの方が「夜明け(=日が昇る)」というDの一族のスローガンとも掛かっており、スマートではある。
【Dの一族の目的】
もし、パンナコッタさんの予想が正しいとすれば、Dの一族の目的とは世界の海面上昇を防ぐ、のみならず、海面の水位を下げることにあったということになるだろう。
クローバー博士曰く、世界政府やその前身である連合国は、Dの一族の母体と思しき「巨大な王国」の思想を恐れたとのことだった。
となると、世界政府はその海面上昇阻止によって発生する現象を容認できず、Dの思想を徹底的に消し去ろうとしたわけだ。
ワンピース世界はかつてはこれほど数多の島々に別れてはいなかったことが示唆されているが、例えばそれもまた海面上昇で陸地が沈んだ結果であり、Dの一族はその陸地が繋がった状態にまで海面を引き下げようとしていた、というのはどうだろう。
これまで海で隔てられていた隣国と陸続きになるということは、移民問題や新たな紛争を勃発させかけない。
例え海面上昇が防げたとしても、その副作用を恐れる国々があっても不思議ではない。
【巨大な王国≠Dの一族】
もっとも、連合国の目的が最初から「海面下降の阻止」にあったとは考えていない。
900年前に栄華を誇った「巨大な王国」と「20ヶ国による連合国」は100年にも渡って戦争を続けていた。
もし、海面上昇に関する意見の違いが争いの火種であったのだとしたら、100年もの間、20もの国々が団結を保てたとは到底考え難い。
アラバスタ王国のリリィ女王がそうだったように、海面上昇問題の解決を主張する勢力に共感する国が100年の間に出現して、連合国は瓦解していたはずだ。
おそらくは、900年前に勃発した「巨大な王国」と「連合国」との戦争の原因は、海面上昇とはまた別の理由だろう。
100年に及ぶ戦争の果てに、巨大な王国に誕生したジョイボーイが「海面上昇問題の解決と、その後の未来」についての解決策を提示し、それにリリィ女王のような後の「Dの一族」や光月家、ミンク族といった人々が味方となったものと思われる。
【むしろ海面上昇を望んでる?】
と、ここまで考えていてふと思ったのだが、ひょっとすると世界政府は「海面下降の阻止」どころか、むしろ積極的に海面を上昇させようとしているのではないか?
ウラヌス使用の目的は大量破壊で海面上昇はただの二次的な現象なのではなく、海面上昇こそが目的であり、それに伴う破壊こそが「ついで」に過ぎないとしたらどうだろう。
ナス寿郎聖とピーター聖の『いずれその力が自在に使えたなら』『永い戦いが終焉を迎える』という台詞を見たときには「Dの一族やポーネグリフをウラヌスで消して回るのか……? 非効率すぎない?」と疑問に思ったものだが、海面上昇を強制的に完徹することを指しているのだとすれば、納得できる。
それにしても、海面を上昇させてどうしようというのだろう。
【宇宙進出が目的?】
陸上に人を住めなくする理由としてまず思い浮かんだのがこれだった。
なんとなれば、尾田先生はガンダムが好きだからだ。
つまりは、ガンダムの悪役たちのように「海面上昇で地球上に人を住めなくして強制的に人類を宇宙へ移住させる」ことが目的なのでは、と。
しかし、これはちょっと考え難いだろう。
ワンピース世界の宇宙は、エネルやツキミ博士のロボット達のように、月までなら比較的簡単に行くことができる。
だが、世界政府が宇宙開発を行っている形跡は全くない。
宇宙どころか、空島ですら完全に統治を放棄しており、手つかずのままだ。
世界政府は宇宙に関心が無いのである。
【巨大な橋】
長らく謎だったイーストブルーのテキーラウルフや、光月おでんがロジャー海賊団での冒険中に目撃したグランドラインの巨大な橋は、海面上昇に備えた施策だったと考えられる。
異常な高さなのは、島の高地を繋ぐ橋だからなのだろう。
つまり、世界政府は海面上昇によって陸地の多くが沈んだ世界に、その後も住み続ける計画を立てていることになる。
聖地マリージョアのような一部の高地以外は海に沈んだ世界にしたいのだろう。
【世界政府の目的】
以上を踏まえて考えても、一体なぜ陸地を海に沈めようとしているのかはさっぱり想像がつかない。
人間の数が多すぎるので、一部の人類だけが生きる世界にしようという選民思想的な計画なのだろうか……。
しかし、それなら五老星たちが世界全体の統治に腐心していることとそぐわないんだよなあ。
センゴクさん辺りは世界の真実をある程度は知ってそうだったから、彼らが世界政府のこの「国是」を把握しているのだとすると、海軍元帥を納得させるくらいの大義名分はあることになるけど……。
*1:当時は五老星と考えていたが、実際にはこのシルエットの正体はイム様だったようだhttps://neoamakusa.hatenablog.com/entry/2024/03/24/232958