まあ、実際に「武神」の座を継ぐ天竜人が出るのは数百年に一度なんだろうけど。
【司法機関?】
天竜人殺害未遂犯の逃亡を助けたミョスガルド聖を処刑したことから、『神の騎士団』を天竜人の罪を裁く司法機関だと捉えている読者が見受けられる。
しかしながら、サカズキ元帥は『神の騎士団』の介入によって事態がややこしくなったと語っていた。
つまり、罪を犯した天竜人の処遇に『神の騎士団』が関与するのは、あくまでイレギュラーなことなのである。
当時の感想でも書いたが、ミョスガルド聖を処刑したのは、ガーリング聖の個人的な動機によるものだろう。
【神の騎士団の役割】
では、一体神の騎士団とは何の為に存在する組織なのか?
名称からすると、天竜人を護衛する機関のようにも思えるが、神々の地が襲撃された際にも彼らは出動しておらず、天竜人を守るのが役割ではないことがわかる。
長らく存在理由が不明だったのだが、今回のくまの回想でそれが示唆されたように思う。
おそらく彼ら『神の騎士団』は五老星の後任候補を育てる為の組織なのだ。
【普通の感覚】
『神の騎士団』の構成員は一般天竜人のようなマスクは付けていない。
「~だえ」といった口調も使わず、服装も比較的(あくまで比較的)普通である。
これら全て、「下々民とコミュニケーション可能な人格」を作る為の措置ではないだろうか。
天竜人が下界でマスクを着ける文化は、近年に発生したものと思われる。
同様に、奇妙な口調や服装、髪型といったものも、天竜人の神格化が進むにつれて作られたもので、五老星が生まれ育った時代には存在しなかったのだろう。
だから五老星は一般人と大差無い言動と服装をしている。
イム様も五老星も、天竜人を徹底的に甘やかす方針のようだから、彼らがどんな文化を造ろうと、干渉したりはしない。
天竜人がどんなに堕落しようが、訳の解らぬ思考に染まろうが、自分達が世界政府の運営を握っていれば問題無いからだ。
だが、もしも五老星の身に何かがあった場合には?
不老手術で半永久的に生きられるとしても、不死ではない。
今後、欠員が出ない保証は全く無いのである。
その場合、現代に生きる天竜人の中から後任を選ばざるを得ないわけだが……もしも、天竜人全員がバカばかりになっていたら、政治を任せるどころではない。
原則的に現代の天竜人の文化に干渉しないとしても、最低限、五老星の代わりが務まる天竜人がいなければ、万が一のときに世界政府が崩壊してしまう。
その為の「保険」が『神の騎士団』が設置されている理由ではないだろうか。
【新たな科学防衛武神】
サターン聖はこのエッグヘッド編で死ぬんだと思う。
これでもかとばかりに「倒すべき敵」としての因縁を積み上げているし、エッグヘッド事件の結末が世間に与える『思いもよらぬ衝撃』も、「五老星の崩御」なら納得がいく。
エッグヘッド編の後、『神の騎士団』の中からサターン聖の後任として新たな科学防衛武神が選出されることになると予想している。
フィガーランド・ガーリング聖がそうなるかもと思ったが、科学者であることが必須ならば、サターン聖と同じジェイガルシア家の天竜人が登場するかもしれない。
【狙われるロー】
さて、五老星は全員がオペオペの実の能力による不老手術を受けているものと考えられるが、新たな五老星が選出されるのであれば、その人物にも手術を受けさせる必要が出て来る。
これまで世界政府はさほどオペオペの実に執着していなかったが、こうなっては話が変わる。
海賊団の崩壊で失意にあるローに、追い討ちとばかりに政府の執拗な手が迫ることになりそうだ。