Dの一族に惑わされて、その発想に至らなかった。
※以下、ネタバレ注意
【聖地の麦わら帽子】
聖地マリージョアの地下遺跡にある巨大な麦わら帽子。
かつてレッドライン上にルナーリア族が「神の国」を築いたという情報と、キングの身長を見て、この麦わら帽子はかつてこの地にいたルナーリア族の物ではないかと予想はしていた。
だが、ひょっとしたらただのルナーリア族ではなく、ジョイボーイの物だったのではないかという可能性にようやく最近思い至った。
(改めて考えると、この情報もラフテルに書かれていたものをロジャーから聞いたんだろうな、白ひげは)。
【神の国の滅亡時期】
私は「神の国」は800年前に滅ぼされた「ある巨大な王国」よりも更に前の国だと思っていたんだよね。
もっと言えば、「神の国」を滅ぼした勢力が新たにレッドライン上に建国した国家こそが「巨大な王国」と予想していた。
しかし、実際には世界政府(を後に設立した20ヶ国の連合国)が900年前から戦っていた「巨大な王国」こそがルナーリア族の「神の国」だったと考えた方が収まりは良いよなあ。
【Dの一族≠巨大な王国国民】
なぜこれまでその発想に至らなかったかと言うと、「巨大な王国」の末裔と考えられてきたDの一族に普通の人間が多かったからである。
Dの名を持つ巨人族も存在するとはいえ、末裔の多くが普通人種ならば、当然「巨大な王国」は基本的には普通人種の国家のはずだと思い込んでいたわけだ。
しかしながら、リリィ女王の手紙が明かされて、「Dの一族」が血縁集団ではなく、『ジョイボーイの同志の証』だと判ってきたことで話は変わった。
「Dの一族は『巨大な王国』の国民とはまた別」であり、あくまでもジョイボーイに協力する「外国人」だとすれば、「巨大な王国」が普通人種の国とは限らなくなる。
900年前から連合国と戦争を繰り広げた「巨大な王国」はルナーリア族の国家であり、ジョイボーイはその王だったのではないだろうか。
【神の国の歴史】
連合国にアラバスタ王国やワノ国も含めた多数の国家が集った以上、おそらく900年前の開戦時には、連合国側にこそ大義があったと考えられる。
即ち、ルナーリア族の「神の国」は900年前までは他人種を差別・奴隷化し、搾取してきたのではないだろうか。
その超大国による世界支配に、20の国の王達が反旗を翻した。
しかし100年に及ぶ戦争の果てに、ルナーリア族側にジョイボーイという1人の人物が誕生する。
そして彼は、他人種を支配してきた「神の国」を変革し、ルナーリア族によって搾取されてきた人々を「解放」した。
それだけに留まらず、更にジョイボーイは新たな世界の有り様を提唱する。
そんなジョイボーイの理想に、ミンク族や敵国ワノ国の石工・光月家、更には連合国の王の一角たるリリィ女王ら、「神の国」の枠を超えて世界中から大勢の人々が賛同し、同志となった。
【滅亡】
だが、当初「圧政者の打倒」を掲げて100年続いた戦争は、神の国が変わろうとも終わることはなく、むしろリリィ女王以外の連合国の王達はジョイボーイの理想を恐れ、「神の国」も、その王たるジョイボーイの同志達も徹底的に滅ぼすことを決めた。
かくして戦争は連合国の勝利で終わり、19人の王達はルナーリア族を駆逐したレッドラインの新たな主となり、世界政府を設立。
「神の国」に代わる新たな世界秩序の構築を目指した。
一方、ジョイボーイの同志達はリリィ女王の手引きのもとポーネグリフを抱えて世界中に逃れた。
ワノ国では光月家が謀叛を起こして新たな将軍となり、ワノ国を鎖国。
リリィ女王ら一部の人間は自らの名にジョイボーイの同志の証である「D」の文字を加え、それを隠し名として密かに子孫に伝えた。
しかし、それから800年経った今、彼らの子孫の中にはDの持つ意味はおろか、それが隠し名であることも忘れた人物が出現するようになる。
彼らは堂々と「D」を含む名を名乗り、やがてDの一族と呼ばれるようになった。
【麦わら帽子】
そう考えると、ロジャーが麦わら帽子を被っていたのも偶然などではなく、Dの一族たるゴール家に、ジョイボーイの麦わら帽子の逸話が伝わっていたからだと考えられそうだ。
Dの持つ意味が失われた後も、麦わら帽子を被る習慣だけはゴール家に残り続け、それが巡り巡ってルフィへと渡されることになったのだろう。
【白い翼】
ジョイボーイがルナーリア族だったとすれば、ニカの覚醒フォルムになった際には黒い翼が白く変わることになる。
ルナーリア族の巨大な翼が白くなれば本当に天使のような風貌に見えたはずだ。
イム様がモデル:悪魔のゾオン系能力者だとすると、両者の戦闘が実現していれば非常に面白い構図になっただろうから、今から回想が楽しみである。