ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

ONE PIECE 第1085話『ネフェルタリ・コブラ死す』【週刊少年ジャンプ27号(令和5年)】感想

 やっぱドーム内のカメコを壊して回ってる人影ってサターン聖じゃない?

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※以下、ネタバレ注意

第1083話

neoamakusa.hatenablog.com

第1084話

neoamakusa.hatenablog.com

【コブラ王を殺害したのはイム様ではない】

 Twitterを見る限り結構誤解している人がいた(というか私も最初誤解してた)んだけれど、コブラ王を刺した矢印みたいなのを出したのはイム様ではないだろう。
 イム様はコブラ王の正面にいるが、あの矢印のような攻撃はコブラ王の左側から来ていた。
 つまり、五老星の誰かによる能力である。
 能力の内容も、五老星が全員ゾオン系らしいことを考えると、実際には矢印ではなく尻尾だと思われる。

 五老星の中の誰がやったかも概ね見当がつく。
 その後のサボとコブラ王への攻撃にも矢印のような尻尾がつかわれており、この際に描かれた丸っこいシルエットの人物が実行犯だ。
 そして、サボ達が逃げる際に描かれたシルエットの並びは、最初に五老星が整列していた時の順序に対応していると考えられる。

 つまり、サボ達に対して矢印攻撃をしかけたのは、コブラ王の左側真ん中に立っていた五老星(通称:『ダンディさん』)であろう。

 2度の攻撃とも彼の仕業であるのみならず、サボがイム様に向けて「王手飛車」を撃った際には1人だけイム様を守る位置に移動し、炎を防いだ(というか食った)から、一番行動的な五老星と言えよう。
 外見からすると五老星の中では肉体年齢が一番若いようだから、有事の際には自分が率先して動くようにしているのかもしれない。
 年上想いな人だ。

 

【五老星も不老】

 五老星も全員能力者……しかも全員ゾオン系?
 更にはサボを傷付ける程の武装色の持ち主と。

 サボはバスティーユ中将相手に無傷で完封しているくらいだから、サボに傷を負わせてる時点で、少なくともその辺の中将よりは強いってことになるんだよね、五老星(のダンディさん)は。

 五老星はベガパンクと謁見した約30年前から容姿が変わっていないことから、彼らもオペオペの実の不老手術を受けているのは間違いなさそうだが、一方で、1037話のこの台詞からジョイボーイがいた800年前にはまだ生まれていなかったことが分かる。

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 一般天竜人が戦闘能力はからっきしなのに対して、五老星がここまで強いのは、世界政府が現在の規模となるまでの間に、170ヶ国以上を加盟させる為の、天竜人すら前線に出ねばならないような過酷な征服戦争の歴史があっただからなのだろう。
 安寧の時代に生まれた今の天竜人とは潜って来た修羅場が違うわけだ。

 さて、さめさんのこの最もな疑問についてであるが、「五老星はこの800年の間に、イム様が厳選に厳選を重ねて、政治を任せた天竜人」である事こそがその理由であろう。
 五老星(それぞれの時代で名称が違いそうだが)の1人に選ばれるということは、今後何百年にも渡って政治の実権を握ることになる。
 イム様としては慎重に慎重を期して選抜するだろうから、彼女(?)彼女に認められる為には相当の年月をかけて実績を残す必要があっただろう。
 この時点で若くして不老手術を受けるのは難しい。

 また、もし仮に若いうちから認められていたとしても、今度は不老手術の実行が問題となってくる。
 不老手術はオペオペの実の究極の技であり、能力を極めた人物が、しかも命を引き換えにしないと行えない。
 オペオペの実の能力者を手元に置き、かつその人物に能力を極めさせ、さらに自ら命を差し出させなければならない
 めちゃくちゃにハードルが高いのである。
 下手すれば何十年経っても実現できなくてもおかしくはない。

 五老星がかなりの年輩になってから不老手術を受けたのは、上記のようなやむにやまれぬ事情があったと推察できる。

 

【最初の20人】

 ほほー。イム様は最初の20人の1人だったのね。
 これは意外。てっきり最初の20人を全員配下に置いていたものとばかり。

 「連合国」自体が最初からイム様が治める国を中心としたものだったのか、あるいは最初の20人とは対等な関係であったけど、その中で唯一不老であった為に、後世の天竜人に崇められるようになり、世界政府の指導者となっていったか。

 イム様が「最初の20人」だとすると、彼女もかつてはどこかの国の女王だったことになる。
 今も存在する国なら、世界政府加盟国の中でも特別な待遇を得ていてもおかしくはないが、今のところ思い当たる国は無いかなあ。

 

【ビビを捕えさせた人物】

 これはおそらくイム様の仕業だろう。
 リリィ女王がDだったことにショックを受けていたようだし、イム様はおそらくリリィに対して特別な感情を抱いており、先祖にそっくりなビビのことを手中に納めようとしたのでは。

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 イム様がルフィや黒ひげやしらほし姫の写真をビリビリにしてたのも、「憎きDの末裔の海賊共と、ジョイボーイとつるんでた人魚姫の末裔だから」以外に特に理由は無い気がしてきた。

 200年前まで魚人が魚類に分類されていたのも、加盟国民となった後も魚人の奴隷取引は黙認されているのも、イム様の魚人島(ひいてはジョイボーイ)に対する恨みが原因なのかもしれない。

 

【ワポル】

 コブラ王の不幸を喜ばないワポルを意外に思われる読者も多いかもしれないが、アイツはああ見えて意外と知己に対しては寛容だったり、優しいところもあったりするのよね。
 ヒルルクのような下賤の身、それもただの犯罪者に対しては冷淡でも、同じ王としてコブラにはある程度の敬意は持っていたのだろう。
 あくまで奴なりに、ではあるが。

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【リリィ女王のミス】

 Dの名を持つ者がアチコチに出てきているのも、リリィ女王の「ミス」が原因とのことだが、Dの一族の末裔が現在その名を名乗ってる事と各地に散ったポーネグリフは直接関係は無いから、女王のミスとは、『ポーネグリフを世界各地に運ぼうとするDを名乗る人々を取り逃がした』辺りだろうか。
 ジョイボーイの仲間達の残党を掃討するのがリリィ女王の役割だったのに、逃がしてしまった(実際にはわざと逃がした)ものと考えられる。

 

【Dの一族とは何か】

 アラバスタ王国は連合国の一員として900年前から巨大な王国と戦争を続けていた。

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 100年間、スパイとして潜んでいたとはさすがに考え難いから、ネフェルタリ家は最初からDの一族だったわけでは無いはず。
 おそらく、リリィ女王の代でDを名乗り出したのだと思われる。

 つまり、『D』とは連合国と戦争していた「巨大な王国」そのものに起因するのではなく、大戦末期に「巨大な王国」に誕生したジョイボーイの『仲間内の合言葉』みたいなものだったのではないか。
 敗戦を悟り、ポーネグリフと共に世界に散る際、同志の証としてDの名を子孫に伝えた、と。

 近年になってDの名前が各地に湧き出てくるようになったのは、おそらく本来『D』は元々どこの家庭でもトラファルガー家と同様に「隠し名」だったからだとすれば筋が通る。
 800年が経ち、「隠し名にすべし」という家訓が忘れられた一族の末裔が、堂々とDを名乗るようになったわけだ。

 Dの一族が巨人族など多人種に渡るのも、それが血縁関係ではなく「同志」の証だからなのだろう。

 

【隠し撮りは世経の仕業?】

 サボがコブラ王を殺害した『ように見える』写真について、世経の仕業だと考えている人も多いようだが、さすがにイム様が姿を現すかもしれない虚の玉座の間で盗撮を許すほど政府も愚かでなかろう。

 また、もし世経関係者による隠し撮りだとしたら、その写真を新聞にデカデカと掲載した時点で、モルガンズ達もイム様という最重要機密を知ったことが政府に知られてしまう
 こんな悠長に構えていられるはずがない。

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 つまり、あの電伝虫は世界政府が最初から備え付けていたものと見るべきだ。

 おそらく経緯としては、

備え付けの監視用電伝虫で撮影

可能であればコブラ王の殺害の事実自体を葬るためモルガンズに揉み消し命令

失敗。殺害報道を止めることは諦める

次善の策として、撮影しておいた写真を世経に政府が提供し、サボに罪を着せる

 といったところか。

 パンゲア城はイム様の居城にも関わらず、衛兵達の会話を見る限り、城の人員の大半はイム様の存在を知らないようだ。
 余計なものを見た人間がいないか、城中にカメラを設置して常に監視してるのだろう。
 最悪の職場だ。

 

【コブラ王殺害報道】

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 ↑の会話を振り返ってみて、「ガッツリ出航前、というかレヴェリーの最中に起きとるやんけ」と思わずツッコんでしまったが、ガープの台詞は単に「レヴェリー解散後にコブラ王が殺害された」と捏造して海兵達には伝えられたということなのだろう。

 当然と言えば当然だ。
 レヴェリー中はコブラ王は自らの意志で「欠席」してることになっているのだから、その前に殺害されていてはツジツマが合わなくなってしまう。

 モルガンズがコブラ王殺害の事実を掴んだのは、海兵からリークを受けたからかな。
 いや、海兵とは限らないか。
 マリージョアの衛兵や役人にも、コブラ王殺害の報告は受けた者がいたはず。
 その中に、世経に情報をリークしては金を貰ってる奴がいるのだろう。

 もっとも、サイファーポールが情報操作命令を持ってくる辺り、モルガンズに情報が漏れるのは政府も織り込み済みのようではあるが。

 そもそも情報隠蔽に寄越したのが一般サイファーポール1人の時点で、政府もそんなに本気でコブラ王の死を隠そうとしていたわけではなさそうだ。
 「一応、隠蔽命令は出しとくけど、情報操作に便利なモルガンズを殺すくらいなら報道されても別に良いや。上手いことサボに罪をなすれる写真撮れたし」くらいに構えていたのかもしれない。

 さて、ワポルはもまたリーク情報があると言って世経に拾われたわけだが、果たしてどこまで世経に「リーク」したんだろうか。
 イム様の存在という激ヤバ情報まで知らされているにしては、世経の面々があまりにも呑気だから、イム様のことは伏せて「ビビが政府に拉致された」くらいで留めたのかもしれない。

 おそらくワポルは1人でイム様のことを抱え込んでる気がする。

 

【藤虎対緑牛】

 ああー! なるほど!!!
 当時から引っ掛かってはいたんだよね。
 いくら革命軍のサボと軍隊長とはいえ、海軍大将の藤虎がこんな怪我を負わされる程に強いのか……? と。

 革命軍相手ではなく、その後の緑牛との喧嘩で負った傷だったのか、これって。

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 それにしても、本当に自由だなこの人は。
 サカズキ元帥とも普通に会話してるから、特にお咎めなしだったようだし。

 まあ、サカズキ元帥としても、天竜人の奴隷なんかどうだっていいし、そんなことで海軍大将を罰してられるような余裕は無いってことなんだろうけど。

 ↓のSS書いてる時に「藤虎なら革命軍が優勢になったらそうするだろ」と予想して、勝手に裏切り者扱いしたことを多少は後ろめたく思ってたのだが、その後ろめたさも完全に吹っ飛んだよね。

 藤虎はいずれ必ず裏切る。

#ONEPIECE #ひばり コビーの結婚挨拶 - 改悛の小説 - pixiv

 

【元帥とイム様】

 サカズキ元帥はイム様の存在を把握しているわけだが、まだ大将だった頃から知っていたのか、元帥へと昇進して初めて聞かされたのかはちょっと気になるところ。

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 どの程度の地位の人間までがイム様のことを教えられているのだろう。

 ローとの会話からすると、センゴクさんはDについてもある程度詳しく知っているようだし、五老星が「コイツならイム様のことや歴史の真実を教えても秘密を守れる」と認めた人間しか元帥にはなれないのかもしれない。

 政府上層部が青雉ではなく赤犬を次期元帥に推したのも、その辺の信頼感の差が理由だったりして。

 

【ワンピ読者の変遷】

「ロギアとか反則だろこんな能力……最強じゃん。パラミシアとゾオンとかゴミ」

「覇気? じゃあ覇気使い同士なら特殊能力があるパラミシアがロギアより上だわ……ゾオン(笑)」

「カイドウもルフィも五老星もゾオン系とか、ゾオン系を優遇し過ぎ」

 

【ノース4国連合独立問題】

 レヴェリーで独立問題が議題にあがっていた『ノース4国連合』って、ジェルマの『四国斬り』の被害国だろうか。

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ノースにある4ヶ国が『四国斬り』によりジェルマの属国に

ビッグマムの茶会の一件でジェルマが世界政府から除名

属国が4国連合を結成し、世界政府に主権回復を求める

 みたいな経緯?

 ノース4国連合がジェルマの属国だった場合、現在はどういう扱いになってるんだろう。
 独立が議論されているということは、ジェルマに征服された現在でも天上金を払える経済力はあるってことだから、政府が暫定的に直轄領としているのかもしれない。

 

【その他】

・最初イム様の能力はハガレンのプライドみたいなヤツなんだと思い込んで読んでた(だとしたらカゲカゲとモロ被りになるんだけど)。
・尾田先生のシルエット癖がイム様と五老星変身後の姿と同時に出たせいで混乱を生んでるところはある。

・何の動物の能力なのか全く判らないけど、ダンディさんがこういう丸っこいシルエットになってるのはなんか面白いな。
・「ガルルルル」という鳴き声や、サボの炎を呑み込んだ姿を見る限り、牙の生えた猛獣のようではあるが。
・あんな尻尾持ってる猛獣……思いつかない。
・和服ガンジーの能力はシルエットを見る限り、ヒトヒトの実の幻獣種かなー。神仏系かも。
・板垣退助の能力は『トリトリの実(幻獣種)モデル:朱雀』と予想。
・サターン聖とヒゲオヤジの能力に関しては全く何も浮かばない。

・ってかダンディさんは尻尾(?)で攻撃するなら別に銃を取り出す必要なくない?
・銃はあくまで分かりやすい脅しの道具として見せただけ、もしくはイム様の怒りを感じ取ってより速く痛みの激しい殺し方を選んだのかな。

・原作最終章で伝説の強いジジイ五連発が待ってるのなら、そりゃ映画でくらい可愛い女の子を出したくなるよね、尾田先生も。

一番歳上の五老星と一番若い五老星の間で数百歳差はありそう

・イム様も「始まりの20人」だったとして、もし彼女の一族の末裔もマリージョアにいれば、他の天竜人よりも特別扱いされてそうなもんだが、その様子は無いよね。
・ひょっとすると、イム様の他の一族は既に滅んでいて、天竜人は18氏族しかいないのかも。
・あるいはフィガーランド家がイム様の一族だったりして。
・天竜人の中でも特別だからこそ、海賊となったシャンクスがああいう待遇を受けているみたいな。
・フィガーランド・イム……まあ、語感的には無くはないか。

・イム様が言うように、現在『D』を名乗る人物はその由来を全く知らない「抜け殻」ばかりであり、黒ひげのような人物もいるってのがミソだよね。
・『D』の名には意味があっても、その意義が先祖から子孫に伝わってないのであれば全く無価値な名前に過ぎない。

・藤虎はたしかに海軍視点でめちゃくちゃ迷惑なんだけど、現在の海軍はマリージョアに侵入した上、加盟国上位50ヶ国のうち8ヶ国で体制転覆を成功させた革命軍にすら兵を向ける余裕が無いので、藤虎を排除する選択肢は皆無。

・Q:なぜCP9でもそんなに能力の高くなかったメンバーまでCP0になっているのか?
・A:FILM REDで谷口監督が勝手にカリファやブルーノまでCP0っぽく描いてしまったから。