まさに愛の成せる奇跡。
第201話の感想はこちら。
鬼化して理性を失っていた炭治郎に、今週ようやく本来の彼の意識が覚醒し始めた。
ここで重要なのは、なぜ彼が意識を取り戻すことになったのか、である。
鬼を人間に戻す薬が効き始めたのは、最後のコマの「ドクン」からであろう。
しかしながら、針を刺した瞬間、まだ薬がまだ身体に回ってさえいない段階で、既に炭治郎は反応し、呆けたかのように動きを止めて、直後には意識を取り戻しかけている。
その「きっかけ」として考えられるのは一つしかない。
そう、カナヲちゃんの声を聞いたことで、炭治郎は心を取り戻したのだ。
冨岡さんや伊之助や善逸、そして禰豆子の声さえも炭治郎の耳には入らなかったというのに、カナヲちゃんの声だけは届いた。
それだけ彼女の存在が炭治郎の中で大きかったわけである。
そもそも、炭治郎はカナヲちゃんに一目惚れならぬ二目惚れしている。
カナヲちゃんが炭治郎に恋愛感情を抱く前から、炭治郎は彼女に恋をしてしまっていたのだ。
かつて、カナエさんは「きっかけさえあれば人の心は花開くから大丈夫」「好きな男の子でも出来たらカナヲだって変わるわよ」と語っていた。
彼女の言う通りに、カナヲちゃんは炭治郎に恋をしたことで変わったわけだが、今回同じことが炭治郎にも起こったのである。
兄弟子や戦友や肉親ともまた違う、 愛する女の声が、鬼に染まりつつあった炭治郎の心を花開いた。
まさに鬼滅の刃のメインヒロイン、栗花落カナヲの面目躍如と言ったところか。
ああ、私は嬉しい。
2人の愛が凍り付いていたお互いの心を溶かし合ったのである。
これ程に美しい物語が他にあろうか。
ああ、素晴らしい、素晴らしい、素晴らしい。
あ、ちなみにカナヲちゃんの生死に関しては全然心配していません。
1人でも鬼として人を殺せば即地獄行きという死生観である以上、炭治郎に誰も殺させる訳がないですからね。
カナヲちゃんだけでなく、他の誰も炭治郎の手で死ぬことはないでしょう(鬼舞辻無惨に与えられた傷がもとで冨岡さんが逝ってしまうとかはあるかもしれませんが)。
ただ、失明だけは不安だけど……。
ご都合主義でもなんでも良いから、せめて片目だけは視力が回復して欲しいなあ。