ま、そういうことよね。
正直な話、言及するかどうか最後まで迷ったのだけれど、まあ、言っておくのが誠実さというものだろう。
結局のところ、今回から描かれる「ifルート」とやらは、うるかちゃんが成幸くんに告白せぬまま旅立った事で、彼が<主流>たるうるかちゃんへの好意に「もし自覚しなかったら」という内容だ。
先週までの内容を読めば解るように、成幸くんがうるかちゃんに救われ、彼女の存在を励みに生きていた過去は、確定したものである。
<主流>であるうるかちゃんルートにおいては、これまでに築かれてきた過去の交流を背景にして二人は結ばれたわけだが、「傍流」である残り4人のヒロインのルートは、明らかにその過去をムリヤリ封じ込めた内容となっている。
今回の理珠ルートが「うるかが告白せず、海外に行った」状態で始まった事こそがその証左であろう。
一度うるかちゃんが成幸くんに告白してしまえば、そこで勝負は終わってしまうのだ。
そう、筒井先生は「どのルートが本当かは読者次第」などと言っていたが、本当に誰が本命か解らないように描くのなら、三番手として登場したうるかちゃんENDを一番最初に描く訳が無い。
先生お得意の八方美人っぷり(人たらしっぷり)が言わせた、いい加減な一言であろう。
故に、私はこのぼく勉の「ifルート」について不満を言っているうるか派の気持ちが全く理解できない。
所詮は「if」、つまりは「傍流」なのである。
既に<主流>を目にした我々こそが、「傍流」に熱狂する彼らのことを温かい目で見てやるべきだ。
おそらく、各ヒロインの「傍流」はせいぜい2、3話で終わる事だろう。
しかしながら、ぼく勉という物語の結末が怠慢のifで締められるとは、到底考え難い。
最後の最後に、<主流>であるうるかちゃんとの後日談がさらっと加えられる。
『ぼくたちは勉強ができない』という作品は、そうして傍流を見せながらも、最後まで主流に寄り添いながら終点を迎えると、私は確信している次第である。