ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

ジョイボーイの王国が遺した『思想』について【ONE PIECE考察】

 ワンピースの正体は全然分からないので、こっちを予想してみる。

 

 800年前に世界政府(の前身である連合国)に滅ぼされた巨大な王国。

 「ジョイボーイ」が王として君臨していたと思われるこの国(以下、『王国』と呼称する)の「思想」が、世界政府にとっての脅威になるとクローバー博士は予測していた。

 また白ひげによれば、ワンピースを誰かが発見する事で引き起こされる戦争を、世界政府は恐れているという。

 

 つまり、次回のワンピース発見と共に、王国の存在とその「思想」が世界に対して明らかとなり、それが原因で世界は二分され、世界大戦が勃発するものと考えられる。

 

 光月おでん曰く、その争いは大海を二分する程だそうだから、おそらくは世界政府加盟国すら分裂した戦争となるのだろう。

 

 一方で、ラフテルに辿り着いたロジャー海賊は、そこに遺されていたものを見て大爆笑している。

 だが、世界を二分するような思想そのものを知ったところで、ロジャー達のツボにハマるとは到底考え難い。

 

 おそらくは、王国が遺した思想と、ロジャー海賊団が面白がったジョイボーイが遺した物とは、密接に関わり合ってはいても全く別の事柄なのだろう。

  ラフテルにあったのは、王国の思想を全世界に知らしめる「ツール」であり、なおかつロジャー海賊団が思わず笑ってしまうような、そんな何かだったと思われる。

 

 ロジャー海賊団が何を見て笑ったのか?

 それについては全く何も思い浮かばない。

 それ故、今回は「世界政府に危険視されている王国の思想とは何か?」ということについて考察してみたい。

 

 ONE PIECEファンの間でよく言われているのが、一つには「民主主義」の思想である。

 なるほど、確かに世界政府そのものは明らかな専制政治を行っている。

 民主制の政治思想は危険だと見做していても不思議ではない。

 

 しかしながら、これについては絶対に違うと断言できる。

 

 何となれば、ドルトンが国民の投票でサクラ王国国王に選出されたり、ウォーターセブンにおいて市長選が行われていることを、世界政府は容認しているからだ。

 

 無論、世界政府レベルで民主制を実現しようなどという動きがあれば、政府はそれを弾圧するだろう。

 だが、加盟国やウォーターセブンのような直轄領において実現している時点で、世界政府は一定程度には民主制を容認しているのである。

 

 

 私がつい最近までぼんやりと考えていたのは、「バラバラになった島々を一つの大陸に繋ぐこと」であった。

 その名称からしても『ワンピース』の正体はバラバラの島を一つにする装置だという説が大昔から界隈では囁かれており、私もそれを何となく受け入れていたからだ。

 

 だが、光月おでんの回想を読んでから、どうもそれは無さそうだと考えを改めた。

 

 むしろ、世界政府の方こそが世界統一を志向してるように思えるのだ。

 テキーラウフルのような、島々を繋ぐ巨大な橋を建造し続けてることにしろ、そもそも世界政府を自称してることにしろ。

 

 ならば、その反対ならどうだろうか?

 つまり、ジョイボーイの王国の目的とは、「世界をバラバラにすること」なのではないだろうか。

 

 いわゆる民族自決というやつだ。

 

 ある国が他国を名実共に支配するのを止めて、各国の主権回復させようとした訳だ。

 これならば、世界政府が恐れるのも理解できる。

 

 もちろん、800年前にはまだ世界政府は存在していないが、その前身となった連合国を構成する20ヶ国が、この時点で既に150近くの国々を属国化している国際秩序だったとしたら?

 「民族自決」「各国の独立」を叫ぶ思想は到底受け入れられるはずがない。

 他国からの搾取で成り立つ己の権益を失う事になるからだ。

 

 最近では私は、いくつかの大陸にまとまっていた世界を、分散した島々へと変えたのは、ジョイボーイの王国なのではないかと思い始めている。

(関連記事)

第964話

neoamakusa.hatenablog.com

第972話

neoamakusa.hatenablog.com

 

 要するに、ONE PIECEの発見と共に引き起こされる世界大戦とは、 「世界政府の廃止(ないし権限の大幅な縮小)」を求める独立派 と、 「世界政府の存続」を求める既存派 との争いなのではなかろうか。

 

 これは、EUという中央に権限を集めた国家連合体が崩壊しかかっている現在の時流とも合致する。

 平等を謳いながらも、その経済力や政治力において加盟国間の上下関係があからさまなのも同じだ。

 

 尾田先生は20年前から既に、過剰に接合された国家の末路がどうなるかを見通していた。

 もし、そうだったとしても、あの方の超人的な構想力を考えれば、何ら驚くには値しない。