ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

映画『犬鳴村』感想

 ホラー映画としては30点。ホラーの皮を被ったコメディとしては80点。

 Twitterで実況したり、ニコ動でコメ付きで見たいタイプ。

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【古い】

 とにかく、古い。古いわあ。

 ダムに沈んだ村という設定がもう古い。

 いや、多分これも意図的にやってるんだろうけどさ。

 

 呪い殺された連中の大半が溺死していることから、「ああ、まだ村人がそこに住んでるのにダムに沈められたってことなのか?」と思ってたら、死因は全く水と関係無い毒殺だし。

 ダムの設定が全然活かされてなくて衝撃を受けた。

 

 あと、ちょっとアナ雪2を思い出したり。

neoamakusa.hatenablog.com

 

【ひいおじいちゃん】

 一番面白かったのはハンチング帽を被った曽祖父の人だよね、やっぱり。

 1人だけ何故かしっかり自我を持っていることがまず笑えるし、アイツという味方がいたせいで終盤に犬鳴村に乗り込む展開の恐怖感を減じていたにも関わらず、幽霊のくせに犬にビビり倒すなど、実際には全然頼りにならないという最悪のキャラクターだった。

 

 極めつけが奥さんの霊にボッコボコにされて悲鳴をあげていたところ。

 幽霊なのに何でダメージ受けてるんだよとか、お前も同じように殺されたはずなのに何でそんなに霊としての実力差があるんだよとか、色んな感情が湧き上がってもうね。

 

【犬化】

 それにしても、ひいおばあちゃんの犬化は酷かったな。

 あのチャチな変身に延々と尺を使うし、変身しながらひいおばあちゃんがモタモタ歩いてる間、主人公達は一向に逃げようとしないし。

 緊張感も何も無かった。

 

 そもそも、何で犬に変身できるの……?

 犬食って生活してただけでしょ。

 

 あれかなあ。

 やっぱ、閉じ込められた時に犬と交尾させられてたんだろうか。

 いや、だとしてもやっぱり犬に変身するのには繋がらないと思うけど。

 その娘が犬になるんだったら解るが。

 

【電力会社の回し者】

 ↑のことを筆頭に、父方のひいおじいちゃんが具体的に何をやったのか伝わってこないんだよね。

 ボカすにしてもあまりにもボカし過ぎて全く解読不能になってしまっていた。

 

 「村の娘が犬と交わってると言い触らした」 ← 何で………?

 「娘たちを牢に閉じ込めた」 ← だから何で……?

 

 閉じ込めた村娘に乱暴したり、売春させたりしてるわけでもなく、ただ「変な噂を流して閉じ込めた」で話が終わっているから、主人公が受けているショックに観客が全くついていけないというね。

 

 最初は村人を篭絡しようとしてたわけだし、電力会社としては穏便に村を出て行ってもらうのが一番のはず。

 つまり、電力会社がひいおじいちゃんに依頼したのは、穏便に村人を追い出すことだったけど、途中からおじいちゃんの頭がおかしくなって、何故か解らないけど村娘が犬と交わってると言い出して牢に閉じ込めだした……という理解で良いのかな?

 

 で、村娘の監禁事件が世に漏れるのを恐れた電力会社が、村人全員を毒殺するというとんでもない手段に出た、と。

 

 うん、やっぱ整理しても訳わかんないわこれ。

 

【呪いの不均衡】

 ユーマと弟が牢屋に入れられていただけで済んでいるのを見せられた時は、危なく噴き出すところだった。

 アンフェア過ぎるよ。

 トンネルにすら入っていない舎弟3人が溺死させられてんのに、この扱いの差はなに……?

 そりゃ、舎弟達も化けて出るわな。

 

 何だろうな。村人の幽霊達の間で、

 

「こいつら仇の血を引く一族だよな」

「でも、村人の血も引いてるぞ……?」

「え? どうすんの? 呪い殺すの?」

「いやー……村の末裔でもあるわけだしなあ」

「じゃあ、無事に帰すか?」

「それもちょっと……仇の子孫なわけだし……」

「とりあえず、結論出るまで牢に入れておくばい」

 

 みたいな会話でも交わされたんだろうか。

 

 そもそも、明らかに彼女が呪い殺されてる状況で、舎弟達を巻き込むユーマのクズっぷりがもうね。

 あれで、ユーマまで生き延びたらさすがに納得できないから、最後にあんな雑な死なせ方したんだろうな(ひいじいちゃんに任せてユーマも逃げられそうな状況だったでしょ)。

 

【ゾンビ】

 和風ホラーでお化けをゾンビっぽく描くと怖さがなくなるんだなあ、と気付かされた作品でもあった。

 あの村人達のモヤがうーうー唸りながらゾロゾロと押し寄せて来るのとか、電話ボックスに群がって、死んだ途端にサッと引き上げていくのとか、「群れ」にしちゃうと途端に間抜けな印象になっちゃうんだよね。

 

 あと、ゾンビメイクね。

 ユーマの舎弟3人と、アッキーナが車に乗り込んでジッと見つめてくる場面とか、コント以外の何物でもないでしょ。

 

【その他】

・お父さんとか検視の先生が犬鳴村の事情を知ってたのは何でなの?

・祖父か父親が犬鳴村の件に関わっていたとして、何でそれを孫あるいは息子に正直に伝えたんだよって話だしなあ。

・普通、隠そうとするでしょ。

 

・アッキーナお前! お腹に赤ちゃんいたんかい!!

・その状況であんな場所に行くってどうよ。

・幽霊がいなかったとしても、変な病気とか貰いそうな所だったじゃん。

・父母揃ってろくでもないな……。

・まー、兄弟が3人とも不自然に犬鳴村に関わっていたし、アッキーナも含めて村から「呼ばれた」のかもしれんけど。

 

・曽祖父母の遺体を取り外さずに、そのままユーマの遺体を主人公に確認させる警察に笑った。

・つーか、ひいじいちゃんまでユーマの足にしがみ付いてたけど、お前は助けないと駄目だろ! 何で一緒になって引き摺りこんでるんだ。

・最後まで役に立たない守護霊だった。

 

・お祖母ちゃんも何故か最後に笑ってたけど、自分の両親が孫を殺してる状況だと、同じ墓に入れられても素直に喜べないでしょ。

 

【狙った?】

 これ、さすがに大真面目に作ったわけではなく、最初からツッコミ待ちのギャグとしてお出ししてるよね……?

 正直、微妙なんだよな、そこが。

 これを本気のホラーのつもりで撮ったのだとしたら相当ヤバいけど……いや、無いな。さすがに笑わせようと思って作ったはず。

 

 まあ、製作者の意図が何にせよ、ツッコミどころ満載で、それなりに満足できる映画ではあった。

 「久々にちゃんとした和製ホラーを映画館で見るな」と楽しみにしていた部分もあったから、肩透かしを食らった気分もあるにはあるが。

 

 犬鳴トンネルのゲームがあったけど、そっちの方が何倍も怖かったよね、はっきり言って。

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