光月おでん公の回想にて、先代のマネマネの実及びバリバリの実の能力者が登場した。
彼らの死後、これらの能力がワノ国の外に流出している事から、にわかに悪魔の実の転生の仕組みについて話題になっているので、私も改めて自分なりの考えをまとめておきたい。
【果物の種類】
悪魔の実の能力者が死亡した場合、通常の果物のどれかが新たな悪魔の実に変貌する事は、パンクハザード編にて既に明かされている。
この時、悪魔の実に転生するのは特定の種類の果物だけである。
倩さんが仰るように、悪魔の実が図鑑としてまとめられており、一目見ただけでティーチがヤミヤミの実を見分けた以上、その外見はどんな時代も一定のはずだからだ。
サラサラの実(モデル:アホロートル)は林檎(のような果物。以下、「林檎」と呼ぶ)、ウシウシの実(モデル:ジラフ)はバナナ(のような果物)という様に、悪魔の実が転生する果物の種類は必ず決まっているわけだ。
【転生の距離】
シーザーはその性質を利用して、サラサラの実(モデル:アホロートル)の能力者だったスマイリーの「死に際」に林檎を近くに置くことで、サラサラの実を再び手中に収めようとした。
この描写から、悪魔の実は近くにある特定の果物に転生する事が分かる。
しかしながら、「悪魔の実は最も近くにある特定の果実に転生する」かと言えば、答えは『ノー』になるだろう。
もし、最も近くにある特定の果物に転生するのだとしたら、林檎をあそこまでスマイリーの近くに置かせる必要は無い。
不毛の地と化したパンクハザードに林檎があるとすれば研究所の備蓄くらいで、他にはせいぜいスモーカー中将の軍艦か、麦わらの一味の船くらいしか考え難い。
吹雪の中、目印もあまり無いような場所に後から回収に向かうくらいなら、研究所か船内に転生させた方が余程効率的だ。
また、ドンキホーテ・ファミリーの下っ端によると、能力者が死んだ場合、『世界のどこか』に悪魔の実は復活するという。
つまり、悪魔の実がどの果実に転生するかはランダムであり、世界のどこで復活するか予測できないことになる。
無論、下っ端の説明だけに、必ずしもこれが本当ではないとも考えられるが、世界政府や特定の国家が悪魔の実を独占し続けるのではなく、あちこちへと分散している現状を見る限り、事実である可能性は極めて高い。
最も近くの果実に転生するのであれば、その特性は早期に発見され、最大の情報力と人員を持った世界政府がもっと悪魔の実を保有しているはずだ。
【結論】
これらの事から導かれる結論は一つ。
能力者が死んだ場合、最も近くにある特定の果物に常に転生するのではなく、『特定の果物が一定範囲内にある時に限り、その果物に転生する』のだろう。
要するに、
・能力者の死亡時にその人物が食べた悪魔の実に対応する特定の果実が『能力者の身体から半径数メートル以内にある場合に限り』、それが次の悪魔の実となる。
・半径数メートル以内に該当する果実が存在しない場合、完全にランダムに転生し、世界のどこの果実が悪魔の実になるかは判らない。
これが悪魔の実復活のメカニズムだと考えられる。
【能力者狩り】
黒ひげ海賊団による能力者狩りは、この悪魔の実の仕組みを利用したものだろう。
どの種類の果実に転生するのかさえ知っていれば、当該の果実を持った状態で能力者を殺害することで、その悪魔の実を手に入れることが可能となる。
悪魔の実図鑑を読み込み、実の形を全て覚えている黒ひげだからこそ、それを実現できたのだろう。
おそらく、バージェスはゴムゴムの実に対応する果実を、背負った風呂敷にでも入れていたのだろう。
機会があればいつでも能力を奪えるように、常に様々な種類の果物を持ち歩いているのかもしれないし、パンクハザードにおけるルフィとドフラミンゴの因縁を知ってドレスローザでの遭遇を予測し、急遽ゴムゴムの実になり得る果実を持ってきたのかもしれない。